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屋敷に帰り、護衛がお父様に報告をしてくれました。
もちろんバズドド様の行動や言動、リリノアさんのことです。
「ジュリアーナよ……、リリノアという女は置いておいて、バズドド君はそのような酷い男だったのか?」
「酷いのは私なんです……。お父様達に本当のことを隠していたのですから……」
膝をついて頭を下ろしました。
土下座という行為です。
「顔を上げよジュリアーナ。怒っているわけではない。むしろ謝るのは私の方かもしれんのだ」
「どういうことですか……私はお父様達にしっかりと報告ができていなかったからこのようなことに……」
「私の見る目がなかったからこそジュリアーナに辛い思いをさせていた。ジュリアーナは気遣いのできる良い子だ。だからこそ、私たちの立場を考え、無理矢理にでも結婚を成立させることだけを考えていたのだろう……」
確かに最初はそうでしたが、時間と共になんとかなると思っていました。
ですが、今はバズドド様のことを本当に愛しているのかもわからない状況になってしまっています。
だからこそ、今回は護衛からお父様に現状を報告してもらったというわけです。
「私、バズドド様のことを好きだと思い込んでいただけなのか、それとも本当に愛しているのかがわかりません……。ですが、今までどおり、結婚は成立させ子孫をしっかりと残していけたらと思います」
私は過去に例がないほど混乱しています。何を喋っているのかさえ整理できないまま言葉を発しているので、お父様達には聞きづらいかもしれませんね。
「ジュリアーナよ、もう少し自分の気持ちに正直になってくれないだろうか?」
「え……? 正直に……。でもそんなことをすれば、きっと迷惑をかけてしまいます」
「それで良いんだ。お互いに迷惑をかけずに関係を深く築いていくなど、そんな虫のいい話はない。考え方や感情は人それぞれなのだ。相手の立場を考え、最善の答えを常に出そうとする行為は大事だが、ジュリアーナの場合は極端なのだ。いっそのこと、その考えは一旦辞めたほうがいい。家族や友達、恋人や婚約者相手に限ってだが」
どうしたらいいのでしょうか。
もちろんバズドド様の行動や言動、リリノアさんのことです。
「ジュリアーナよ……、リリノアという女は置いておいて、バズドド君はそのような酷い男だったのか?」
「酷いのは私なんです……。お父様達に本当のことを隠していたのですから……」
膝をついて頭を下ろしました。
土下座という行為です。
「顔を上げよジュリアーナ。怒っているわけではない。むしろ謝るのは私の方かもしれんのだ」
「どういうことですか……私はお父様達にしっかりと報告ができていなかったからこのようなことに……」
「私の見る目がなかったからこそジュリアーナに辛い思いをさせていた。ジュリアーナは気遣いのできる良い子だ。だからこそ、私たちの立場を考え、無理矢理にでも結婚を成立させることだけを考えていたのだろう……」
確かに最初はそうでしたが、時間と共になんとかなると思っていました。
ですが、今はバズドド様のことを本当に愛しているのかもわからない状況になってしまっています。
だからこそ、今回は護衛からお父様に現状を報告してもらったというわけです。
「私、バズドド様のことを好きだと思い込んでいただけなのか、それとも本当に愛しているのかがわかりません……。ですが、今までどおり、結婚は成立させ子孫をしっかりと残していけたらと思います」
私は過去に例がないほど混乱しています。何を喋っているのかさえ整理できないまま言葉を発しているので、お父様達には聞きづらいかもしれませんね。
「ジュリアーナよ、もう少し自分の気持ちに正直になってくれないだろうか?」
「え……? 正直に……。でもそんなことをすれば、きっと迷惑をかけてしまいます」
「それで良いんだ。お互いに迷惑をかけずに関係を深く築いていくなど、そんな虫のいい話はない。考え方や感情は人それぞれなのだ。相手の立場を考え、最善の答えを常に出そうとする行為は大事だが、ジュリアーナの場合は極端なのだ。いっそのこと、その考えは一旦辞めたほうがいい。家族や友達、恋人や婚約者相手に限ってだが」
どうしたらいいのでしょうか。
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