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一話完結 ここは「婚約破棄」されて、後で「ざまぁ」するのが王道でしょ?
しおりを挟むおなじみ、学園の卒業パーティーです。
「私は、伯爵令嬢との婚約を破棄する」
「何故ですか? 第一王子様!」
これが、今流行りの婚約破棄イベントですね。
第一王子様が、横にヒロミン嬢を立たせ、やってくれましたよ。
私は、今にも婚約破棄されそうな伯爵令嬢様の取り巻きをしております令嬢、赤毛のアップルと申します。
大丈夫です。伯爵令嬢様からの指示で、魔道具を使って、断罪をくつがえす証拠、全て記録し残しておりますので。
一年生の情報網を、甘く見ないで下さいませ。
「このヒロミン嬢から「伯爵令嬢から、ひどい嫌がらせを受けた」と相談があった」
「先週の水曜日、放課後、帰宅しようとした彼女を階段から突き落としたと」
「先週の金曜日、お昼休み、友人男性と親しく話をしていた彼女を怒鳴ったと」
ここで、私の出番です。伯爵令嬢様の台本通りです。
「そんな話は嘘です! 伯爵令嬢様の友人である私、アップルが、魔道具で全てを記録し、残していますので、証拠をお見せします」
「その必要はない」
第一王子様、それはないでしょ! 私の出番がトホホと消えていきます。
「伯爵令嬢、貴女には心に想っている男性がいる。それは第二王子だ!」
「知らないと思ったか。幼い頃、三人一緒に遊んだ時から好きだったろ?」
伯爵令嬢様、お顔が赤くなっています、本当の話なのですか!
「第二王子が日々努力している姿を見て、心惹かれたのだろ!」
そうなんです、伯爵令嬢様は、日々努力する方が大好物なのです。
「第二王子は、貴女が好きだと白状した!」
「本当ですか」
伯爵令嬢様、お顔が緩んでいます! そのお顔も素敵ですけど。
「政略結婚で、ツライ思いをさせて、すまなかった」
いやいや、王族と上級貴族様は、政略結婚がお仕事でしょ?
「さらに、私には、心惹かれる女性がいる」
ここで、爆弾発言ですか! そんな話を、今ここでするのですか!
「そのヒロミン嬢ですか?」
伯爵令嬢様、お顔が怖いです! そのお顔も素敵ですけど。
「いや違う。ヒロミン嬢の証言は嘘だった。私は、そんな女性と結婚したいとは思わない」
「階段から突き落された日時は、王妃教育で王宮にいたアリバイがあった」
「ひどいことを言われたのは、貴族としてのルール違反を注意したものだった」
「王族として、キチンと調査するのは当然のことだ!」
台本では、嘘を鵜吞みにする頭の弱い王子のはずでしたが、なかなか切れ者じゃないですか。
「なら、どなたですか?」
伯爵令嬢様は、納得できていません。
伯爵令嬢様の恋心は横に置いといて、第一王子様の浮気相手は、断罪すべきです!
「調査するうちに、そちらの赤毛のアップル嬢のことが気になるようになった」
「「え?」」伯爵令嬢様と私がハモります。
「それは、アップル嬢を好きになったということですか?」
伯爵令嬢様、何を確認してるのですか? 冗談に決まっているでしょ!
「そうだ、すまない」
第一王子様、何を認めているのですか? 王族の発言は重いのですよ!
「わかりました。私もお二人を応援いたします」
「このアップル嬢は、私のお友達で、日々努力している感心なご令嬢です。第一王子様と、とてもお似合いだと思います。私は、日々努力する方を応援いたします」
伯爵令嬢様、身に余るお言葉ですが、何か方向性がおかしいというか、斜め上をいっています!
「さて、アップル嬢、私と付き合っていただけないか?」
「は、はい、日々努力いたします」
カーテシーをとりながら、わ、私は何を言っているんだ!
あれ、ヒロミン嬢の姿が見えませんが? なるほど、王国の近衛兵は優秀なようです。
━━ FIN ━━
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