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「な、なんでお前がここにいる……」
「一応、元聖女なので助けに来ました」
「……そうか」
王子は、しんみりとした顔で頷いた。
なに納得してるんだ。
「お前がそんなに俺を好きだったとはな」
「は?」
なに、言ってんだ?
「だが、俺もようやくお前の愛に気づいた」
「は?」
王子がこちらに近づいてくる。
や、やめて…いやな予感しか、しない。
「俺もお前の愛にこたえよう」
ひぇ。
王子が私を抱きしめようとする恰好になる。
「リラは、お前のことなんて愛していないわ!!!!」
殿下が思いっきり王子を突き飛ばした。
突き飛ばされた王子は、漫画みたいにゴロゴロと転がっていき、ゴンっ!とすごい音を立てて、壁に頭をぶつけた。
「す、すごい音なってましたけど、大丈夫ですか?」
「リラっ!近づくなっ!汚れる!」
「……あーっ。完全に気絶してますね、これ」
兵士が、一応王子の様子を見てくれた。
おおきなたんこぶ以外、特に異常なしとのことなので、また軽く回復の祈りをかけてあげた。
「帰るっ!!!!!」
普段は、冷静沈着。完全無敵な帝国の殿下様という顔を完全に崩して、殿下は、駄々をこねる子どものような顔をすると、私の腕を強く引っ張った。
兵士が「やれやれ」という顔でついてくる。
なんというか、あっけない終わり方だった。
ここで劇的な終わり方を迎えてもしかたないので、まぁこれでいいのかもしれない。
一応、私たちが帝国に帰ろうとしたら、ひと悶着が起こりはした。
絶対帝国に帰るマンの殿下 VS 絶対私をここに残らせる気満々で、殺気立っている王、王子含め国民のバトルである。
数の暴力で、中々の立ち往生。
さて、どうしたものかなと悩んでいると、そこは天の助け。
いい加減、帰ってこいとしびれを切らした、殿下過激派もとい帝国の聖女率いる聖女軍団がこの国にドシドシとやってきたのである。
もう戦争もかくやという勢いに、さすがのこの国もまたもや折れた。
折れざるを得なかった。
さすがに国の規模が違いすぎる帝国を敵に回すのは、よろしくないと判断できる頭が残っていて、良かった。
それとも魔物との闘いに、さすがに疲れていたのかもしれない。
結局、私たちが帰れたのは、国の浄化を終えて一週間ほど経った頃だった。
この国は、帝国の所属となり、今はきちんとした聖女が国の浄化にあたっている。
そして、約束の交換っこの件について。
「……」
お互いに指輪を送りあっていた。
ご丁寧に指輪のサイズ、デザインまで決められた紙を渡され、用意された材料片手に私は冷や汗をかきながら作ることになった。帝国の殿下に送られる指輪とあって材料が、高価な宝石ばかり。国家予算並みの指輪が出来た。
「これで、お揃いだ」
「はぁ…」
自分の指にはめられた、普段つけるにしては過ぎたる指輪を見て、呆けた返事を返した。
「これで、私たちも婚約をしたということだ」
「はぁ…は、あ。え?」
にっこりと笑う殿下に、あ。これ一本とられたな。
「一応、元聖女なので助けに来ました」
「……そうか」
王子は、しんみりとした顔で頷いた。
なに納得してるんだ。
「お前がそんなに俺を好きだったとはな」
「は?」
なに、言ってんだ?
「だが、俺もようやくお前の愛に気づいた」
「は?」
王子がこちらに近づいてくる。
や、やめて…いやな予感しか、しない。
「俺もお前の愛にこたえよう」
ひぇ。
王子が私を抱きしめようとする恰好になる。
「リラは、お前のことなんて愛していないわ!!!!」
殿下が思いっきり王子を突き飛ばした。
突き飛ばされた王子は、漫画みたいにゴロゴロと転がっていき、ゴンっ!とすごい音を立てて、壁に頭をぶつけた。
「す、すごい音なってましたけど、大丈夫ですか?」
「リラっ!近づくなっ!汚れる!」
「……あーっ。完全に気絶してますね、これ」
兵士が、一応王子の様子を見てくれた。
おおきなたんこぶ以外、特に異常なしとのことなので、また軽く回復の祈りをかけてあげた。
「帰るっ!!!!!」
普段は、冷静沈着。完全無敵な帝国の殿下様という顔を完全に崩して、殿下は、駄々をこねる子どものような顔をすると、私の腕を強く引っ張った。
兵士が「やれやれ」という顔でついてくる。
なんというか、あっけない終わり方だった。
ここで劇的な終わり方を迎えてもしかたないので、まぁこれでいいのかもしれない。
一応、私たちが帝国に帰ろうとしたら、ひと悶着が起こりはした。
絶対帝国に帰るマンの殿下 VS 絶対私をここに残らせる気満々で、殺気立っている王、王子含め国民のバトルである。
数の暴力で、中々の立ち往生。
さて、どうしたものかなと悩んでいると、そこは天の助け。
いい加減、帰ってこいとしびれを切らした、殿下過激派もとい帝国の聖女率いる聖女軍団がこの国にドシドシとやってきたのである。
もう戦争もかくやという勢いに、さすがのこの国もまたもや折れた。
折れざるを得なかった。
さすがに国の規模が違いすぎる帝国を敵に回すのは、よろしくないと判断できる頭が残っていて、良かった。
それとも魔物との闘いに、さすがに疲れていたのかもしれない。
結局、私たちが帰れたのは、国の浄化を終えて一週間ほど経った頃だった。
この国は、帝国の所属となり、今はきちんとした聖女が国の浄化にあたっている。
そして、約束の交換っこの件について。
「……」
お互いに指輪を送りあっていた。
ご丁寧に指輪のサイズ、デザインまで決められた紙を渡され、用意された材料片手に私は冷や汗をかきながら作ることになった。帝国の殿下に送られる指輪とあって材料が、高価な宝石ばかり。国家予算並みの指輪が出来た。
「これで、お揃いだ」
「はぁ…」
自分の指にはめられた、普段つけるにしては過ぎたる指輪を見て、呆けた返事を返した。
「これで、私たちも婚約をしたということだ」
「はぁ…は、あ。え?」
にっこりと笑う殿下に、あ。これ一本とられたな。
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