丘の上の王様とお妃様

よしき

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丘の上の王様とお妃様 13

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  「王さん...」
  私は、スマフォを胸の上に置き、自分の部屋のベッドの上で横になっていた。
  何しろ、この数日・数時間で起きた出来事は、余りにも非現実的な事ばかり。王さんからの婚約者宣言に、今もキラキラと輝く婚約指輪。そして、初めてのデート...色んな意味で刺激的過ぎて。
  それに、亡くなった両親が、本当に素敵な両親であった事(もっと親孝行してあげれば良かった)。さらに今更ながらではあるが、王家と木崎家の関係も知ることができた。
  そして、二人が大切にしてきた喫茶店「坂の上」の存在。両親が私に残してくれた『大切な場所』。私が帰ってこられる、唯一無二の場所。ここが無かったら、近藤のおじさんや王さんに出会えなかっただろう。そんなことをしみじみと感る訳である。
  ただ...本当は、王さんとは、今日の夕方まで二人で過ごす時間があった。だから、夕食ぐらい何か私が作って、少しでも王さんの気持ちに答えたかったのだけれど。
  しかし世の中は、それほど甘くはない。そして、王さんの立場を再認識せざる終えなかった。
  何せ、王さんの立場は『帝国財閥の総裁』。日本の経済を左右するほどの大財閥の当主である。日本が夜中でも、世界中のマーケティングは開かれている。つまり、王さんは『世界』を相手に仕事をしているのだ。
  結局、王さんは再び東京の本社に戻る羽目になってしまった。
  改めて、王さんは別世界の人なのだと思う。そう言う意味では、こんな庶民の私が、王さんといずれ結婚するなんて...想像しただけで、頭の中が真っ白である。
  でも、王さんの事が好きで。王さんも私の事を思ってくれていて。
「いつでもいいから、何かあったらここに連絡して。」
そう言って、お互いの連絡先を交換もしてくれた。私には、それだけで夢のような出来事なのに。
  改めて、私と王さんが『婚約者』なのだと実感してしまったのだ。だから、これから起こる困難を二人で一緒に乗り越えていく...
  そんなこんなで、一人でこの悦びを噛み締めたいと
、一番落ち着く家に戻ってきたのだ。
  とりあえず、喫茶店の方は、もう少し休もうと思ってはいるから、いいとして。(今まで無休だったから。一週間くらいだな)
  その間にとりあえず、自分の置かれた状況を理解しておかないと!
私は、スマフォをギュッと握りしめながら、
「王さん、早く帰ってきて...」
私は、部屋の天井を見上げながらそう呟いた。そして、そのまま深い眠りに落ちていった。


  
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