丘の上の王様とお妃様

よしき

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丘の上の王様とお妃様 19

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  目を覚ますと、そこは私の部屋だった。
「...私。」
  ボーっとする頭のまま、色々考えを廻らす。
「そうだ、私...」
  思わず、ベットから飛び起きる。私、確か皐月さんに両親の事を聞いて...
「帰らなくっちゃ!」
  私が起き上がろうとしたその時、
「良かった、目が覚めたみたいだね!」
  聖さんが部屋の中に入ってきた。私は、思わず顔半分を布団で隠した。そして、聖さんが手を伸ばそうとした時...
「触らないで!」
   優しく耳に響く声が、その顔が、その仕草が。私を愛おしいと訴えてくるのに。私は、それを振り払ってしまった。
「タマちゃん...」
だって、もしかしたら私のせいで両親が事故死した恐れがあって。それを聖さんも知っていたのに黙ってただなんて。余りにも私が滑稽すぎる。
「ごめんなさい...でも、聖さん。なんで、両親の事教えてくれなかったんですか⁉」
  私は、聖さんの顔を見る勇気も無いのに、彼にそうたずねた。
「怖かったんだ。タマちゃんがこうなるだろうって分かっていたから。」
「嘘。聖さんは、私の事を知っていたのに、私ばかり知らなくって。私、私さえ確りしていたら...父さん達を失わ無くてもよかったのに」
  あぁ、この人を攻めたいのではないのに...私自身が一番いけなかったのに...何故か真逆の言葉ばかりが、口から溢れていく。
   そして、私は最後にこう言ってしまった。
「私このまま、聖さんと結婚するなんて出来ない...」
  流石の聖さんも、私にかける言葉を言えなくなってしまったのだろう。
「分かった。とにかく、俺は一度部屋を出るから。ゆっくり休んで。」
  そう言って部屋から静かに出て行ってしまった。私は、ベットからその後ろ姿を見つめながら、激しく自分を責め続けた。そして、後から後からこぼれる涙を、拭くことも出来なかった。
  
  愛しているのに...

  愛しているからこそ、甘える事が出来なかった。無器用な私は、そのまま毛布に顔を押し当て、声を殺していた。
  そして、ここに私は居てはいけないと思った。聖さんの優しさに甘えて責めてしまう。そんなことを望んではいないのだ。
「責めるべきは、私自身...」
  それが、私の答えであり、真実であった。
「帰ろう...両親が残した家に」
  私の頭の中に、懐かしい家族との...「坂の上」の喫茶店で楽しくらっている風景が浮かび上がっていた。
  そして、聖さんに挨拶をすることなく、その日の内に私は、屋敷から姿を消したのである。

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