美少女仮面とその愉快な仲間たち（一般作）

⑦

⑦美少女仮面エスポワールが夢から目覚めた。正確には、魔少年の魔眼で操られていた世界から現実の世界へと意識を取り戻したのだ。
「あっ、魔少年！　やはりわたくしを操って見せていたのですね、もう、その手にはのりません。お覚悟を！」
　美少女仮面エスポワールは自由の身なのでステッキを構えて魔少年に対峙した。それが、魔少年の魔眼を見ることになることは経験済みなのだが・・。
「今から、過去の世界を見せてやるから、僕も一緒に、美少女仮面エスポワールの過去を見るよ」
「えっ、そんなこと・・・、あっ、わたくし・・むにゃむにゃ・・・ッ」
  美少女仮面エスポワールは、魔少年に操られて過去の世界を見させられていた。
「お父様、このわたくし、美少女仮面エスポワールが大魔王のいる昔の世界にまいります」
（美少女仮面エスポワールがいるこの世界は、どこだ・・・、まぶしくて回りが見えないぞ！　お父様って・・、頭に冠、じゃあ、王様！）
「危険だから絶対にダメだ！　本体がここにあって魂だけが行っても魔法の力は半減してしまう・・・」
「お父様、ご心配はいりませんわ、人造人間が出来たそうです」
（えっ、美少女仮面エスポワールは、人間ではなく、人造人間！）
「人造人間に魂が入っても完ぺきではない、弱点がばれたら・・・」
（美少女仮面エスポワールの弱点！）
「大丈夫ですわ、絶対に知られることはないです、だって・・・」
　美少女仮面エスポワールのは、透明な入れ物の中に寝た。そして、光り輝き、自分の世界を去った。
（いよいよ、現代の人間界だ、正体が見れるぞ・・・）