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第一章:氷に閉ざされた愛
第3話:静かなる返却
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粉々になった水晶が暖炉の炎に巻かれ、黒い灰へと変わっていく。
それを見届ける私の瞳には、もう涙の一滴すら浮かんでいなかった。
私は机に座り、シルフォード家に伝わる古びた魔導書を開く。
そこには、歴代の聖女たちが記した『加護の譲渡と剥奪』についての記述があった。
私の持つ『治癒の加護』。
それは本来、祈りを通じて対象に分け与える聖なる力だ。けれど、私とレオンの場合は少し違った。幼い頃から常に共にいたことで、私の魔力は彼の呼吸に、彼の鼓動に、無意識のうちに深く根を張ってしまっていたのだ。
彼が戦場で受けた傷が、瞬時に塞がる。
彼がどれほど剣を振るっても、筋肉が悲鳴を上げない。
それは彼自身の才能ではない。私の魔力が、彼の肉体を常に修復し、限界を超えて強化し続けていたからに他ならない。
「……私の命を、貴方のための薬にして差し上げていたのね」
自嘲気味に呟きながら、私は精神を集中させる。
目を閉じれば、暗闇の中に金色の細い「糸」が無数に見えた。
それは私から伸びて、王都のどこかにいるレオンへと繋がっている、魔力の供給ライン。
十数年という月日が、これほどまでに強固な繋がりを作ってしまったのかと思うと、胸が締め付けられる。
かつての私なら、この糸の輝きを愛おしいと感じたことだろう。
けれど今の私には、彼の血を吸う寄生虫に餌を運ぶ管にしか見えなかった。
「……一つ目」
私は意識の指先で、最も太い糸――『肉体再生』の加護を司るラインを掴んだ。
そして、躊躇なくそれを引き抜いた。
ぶつり、と。
心の中に、何かが千切れる衝撃が走る。
それと同時に、今まで感じたことのないほど膨大な魔力が、私の体内へと逆流してきた。
「――っ、く……!」
あまりの熱量に、視界が白く染まる。
体が熱い。指先が痺れる。
これまでどれほどの魔力を彼に垂れ流していたのか。回収して初めて、その異常な量に気づかされた。
本来なら私が、この国の筆頭魔導師にも匹敵するほどの力を蓄えていたはずだったのだ。
続いて二つ目、『疲労回復』の糸を切り離す。
三つ目、『身体強化』の糸。
四つ目、『痛覚鈍麻』の糸。
一つ剥がすたびに、私の体は活力に満ち溢れ、逆にレオンとの精神的な繋がりは希薄になっていく。
これまで彼を想うだけで胸が苦しかったのは、恋のせいだけではなかった。魔力を吸われ続け、常に慢性的な『魔力欠乏症』に近い状態だったからだ。
顔色の悪さも、疲れやすさも、すべては彼という「英雄」を維持するための代償だった。
「これで……最後」
最後に残った、細く、けれど最も深くに食い込んでいた糸。
それは『幸運の加護』。戦場での致命的な一撃を、奇跡的に逸らすための祈り。
これだけは、私が彼の無事を願う純粋な真心だけで編み上げたものだった。
指が震える。
これを切れば、彼は本当に、ただの人間に戻る。
戦場で彼を救う奇跡は、二度と起きない。
一瞬、幼い頃のレオンが私を守ってくれた記憶が掠めた。
転んで膝を擦りむいた私を、彼は必死で背負って歩いてくれた。
あの時の彼は、優しかった。あの時の愛は、本物だったと信じたかった。
――けれど。
『滑稽すぎて、笑いを堪えるのが大変だったよ』
昨日の嘲笑が、甘い記憶を容赦なく踏み潰した。
そうだ。彼は変わったのだ。
私の献身を当然の権利と思い込み、私を嘲笑うことでしか自尊心を満たせない、傲慢な「偽りの英雄」へと。
「さようなら、レオン様。……もう、私の祈りは貴方の元へは届きません」
プツン、と。
最後の糸を、私は冷徹に断ち切った。
その瞬間、部屋の窓がガタガタと激しく揺れた。
まるで、私の中に眠っていた巨大な力が、ついに檻から解き放たれたかのように。
全ての魔力を回収し終えた私の肌は、透き通るような白さを取り戻していた。
瞳には鋭い光が宿り、体からは重苦しい倦怠感が消え去っている。
鏡を覗き込めば、そこには「地味な伯爵令嬢」ではなく、神々しいまでの魔力を纏った一人の『聖女』が立っていた。
一方で。
今頃、レオンはどうなっているだろうか。
すぐには気づかないはずだ。
けれど、明日から彼は感じるだろう。
自分の体が、鉛のように重くなったことを。
どんなに眠っても疲れが取れないことを。
そして、訓練で負った小さな擦り傷が、いつまでも血を流し続け、治らなくなっていることに。
彼は私を「地味で価値がない」と言った。
ならば、その価値のない女から与えられていた恩恵など、彼には必要ないはずだ。
私は、レオンとの思い出が詰まった日記帳を手に取ると、そのまま暖炉へと放り込んだ。
初恋を綴った言葉が、オレンジ色の炎に舐め取られて消えていく。
「さあ、準備を始めましょう」
私は、執事のセバスを呼んだ。
彼は幼い頃から私に仕えてくれる、信頼できる数少ない味方だ。
「セバス。急で申し訳ないけれど、旅の支度を整えて。……行き先は、隣国のテオドール帝国」
「……お嬢様。レオン様との婚約夜会はどうされるのですか?」
セバスの問いに、私は鏡越しの自分と目を合わせ、静かに微笑んで見せた。
「ええ、出席しますわ。それが、私から彼への――最後のご挨拶になりますから」
夜会で、彼はきっと私をエスコートするだろう。
多くの観衆の前で、私を嘲笑う計画を立てているのかもしれない。
けれど、その時、彼の隣に立っている私は――もう、彼が知っている『扱いやすい女』ではない。
三日後。
貴方が「英雄」として、最後に輝く舞台を用意して差し上げます。
その後の暗転を、どうか楽しみに待っていてくださいね。
私は、返却された強大な魔力を手のひらで転がしながら、夜の闇を見つめていた。
それを見届ける私の瞳には、もう涙の一滴すら浮かんでいなかった。
私は机に座り、シルフォード家に伝わる古びた魔導書を開く。
そこには、歴代の聖女たちが記した『加護の譲渡と剥奪』についての記述があった。
私の持つ『治癒の加護』。
それは本来、祈りを通じて対象に分け与える聖なる力だ。けれど、私とレオンの場合は少し違った。幼い頃から常に共にいたことで、私の魔力は彼の呼吸に、彼の鼓動に、無意識のうちに深く根を張ってしまっていたのだ。
彼が戦場で受けた傷が、瞬時に塞がる。
彼がどれほど剣を振るっても、筋肉が悲鳴を上げない。
それは彼自身の才能ではない。私の魔力が、彼の肉体を常に修復し、限界を超えて強化し続けていたからに他ならない。
「……私の命を、貴方のための薬にして差し上げていたのね」
自嘲気味に呟きながら、私は精神を集中させる。
目を閉じれば、暗闇の中に金色の細い「糸」が無数に見えた。
それは私から伸びて、王都のどこかにいるレオンへと繋がっている、魔力の供給ライン。
十数年という月日が、これほどまでに強固な繋がりを作ってしまったのかと思うと、胸が締め付けられる。
かつての私なら、この糸の輝きを愛おしいと感じたことだろう。
けれど今の私には、彼の血を吸う寄生虫に餌を運ぶ管にしか見えなかった。
「……一つ目」
私は意識の指先で、最も太い糸――『肉体再生』の加護を司るラインを掴んだ。
そして、躊躇なくそれを引き抜いた。
ぶつり、と。
心の中に、何かが千切れる衝撃が走る。
それと同時に、今まで感じたことのないほど膨大な魔力が、私の体内へと逆流してきた。
「――っ、く……!」
あまりの熱量に、視界が白く染まる。
体が熱い。指先が痺れる。
これまでどれほどの魔力を彼に垂れ流していたのか。回収して初めて、その異常な量に気づかされた。
本来なら私が、この国の筆頭魔導師にも匹敵するほどの力を蓄えていたはずだったのだ。
続いて二つ目、『疲労回復』の糸を切り離す。
三つ目、『身体強化』の糸。
四つ目、『痛覚鈍麻』の糸。
一つ剥がすたびに、私の体は活力に満ち溢れ、逆にレオンとの精神的な繋がりは希薄になっていく。
これまで彼を想うだけで胸が苦しかったのは、恋のせいだけではなかった。魔力を吸われ続け、常に慢性的な『魔力欠乏症』に近い状態だったからだ。
顔色の悪さも、疲れやすさも、すべては彼という「英雄」を維持するための代償だった。
「これで……最後」
最後に残った、細く、けれど最も深くに食い込んでいた糸。
それは『幸運の加護』。戦場での致命的な一撃を、奇跡的に逸らすための祈り。
これだけは、私が彼の無事を願う純粋な真心だけで編み上げたものだった。
指が震える。
これを切れば、彼は本当に、ただの人間に戻る。
戦場で彼を救う奇跡は、二度と起きない。
一瞬、幼い頃のレオンが私を守ってくれた記憶が掠めた。
転んで膝を擦りむいた私を、彼は必死で背負って歩いてくれた。
あの時の彼は、優しかった。あの時の愛は、本物だったと信じたかった。
――けれど。
『滑稽すぎて、笑いを堪えるのが大変だったよ』
昨日の嘲笑が、甘い記憶を容赦なく踏み潰した。
そうだ。彼は変わったのだ。
私の献身を当然の権利と思い込み、私を嘲笑うことでしか自尊心を満たせない、傲慢な「偽りの英雄」へと。
「さようなら、レオン様。……もう、私の祈りは貴方の元へは届きません」
プツン、と。
最後の糸を、私は冷徹に断ち切った。
その瞬間、部屋の窓がガタガタと激しく揺れた。
まるで、私の中に眠っていた巨大な力が、ついに檻から解き放たれたかのように。
全ての魔力を回収し終えた私の肌は、透き通るような白さを取り戻していた。
瞳には鋭い光が宿り、体からは重苦しい倦怠感が消え去っている。
鏡を覗き込めば、そこには「地味な伯爵令嬢」ではなく、神々しいまでの魔力を纏った一人の『聖女』が立っていた。
一方で。
今頃、レオンはどうなっているだろうか。
すぐには気づかないはずだ。
けれど、明日から彼は感じるだろう。
自分の体が、鉛のように重くなったことを。
どんなに眠っても疲れが取れないことを。
そして、訓練で負った小さな擦り傷が、いつまでも血を流し続け、治らなくなっていることに。
彼は私を「地味で価値がない」と言った。
ならば、その価値のない女から与えられていた恩恵など、彼には必要ないはずだ。
私は、レオンとの思い出が詰まった日記帳を手に取ると、そのまま暖炉へと放り込んだ。
初恋を綴った言葉が、オレンジ色の炎に舐め取られて消えていく。
「さあ、準備を始めましょう」
私は、執事のセバスを呼んだ。
彼は幼い頃から私に仕えてくれる、信頼できる数少ない味方だ。
「セバス。急で申し訳ないけれど、旅の支度を整えて。……行き先は、隣国のテオドール帝国」
「……お嬢様。レオン様との婚約夜会はどうされるのですか?」
セバスの問いに、私は鏡越しの自分と目を合わせ、静かに微笑んで見せた。
「ええ、出席しますわ。それが、私から彼への――最後のご挨拶になりますから」
夜会で、彼はきっと私をエスコートするだろう。
多くの観衆の前で、私を嘲笑う計画を立てているのかもしれない。
けれど、その時、彼の隣に立っている私は――もう、彼が知っている『扱いやすい女』ではない。
三日後。
貴方が「英雄」として、最後に輝く舞台を用意して差し上げます。
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