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夏休み後編
第79話 - 徳田花 vs 皆藤勝
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「連絡が来ねーから様子見に来たらこんなことになっとるとはな」
百道船着き場に到着して警察車両2台を破壊した後に皆藤が呟く。皆藤は言葉の途中に1人の女と目が合い、見失う。
徳田花は皆藤の頭上を越え、携帯と共に背中に触れる。その後空中で態勢を変えながら右手に拳銃、左手にナイフを取り出して静かに着地、皆藤の背後に立つ。
「両手を挙げて大人しく投降しなさい。あなたは包囲されているわ」
皆藤は余裕の表情を浮かべながら周りを見渡す。
「髪色と一緒で攻撃的やね、姉ちゃん」
"私とあなたの秘密"で金髪のロングヘアーをなびかせる女性の姿へと変化させている。
「7人」
皆藤は花に背を向けたまま尚も余裕の表情を浮かべながら更に続ける。
「非超能力者4人に超能力者が3人。しかもあんた以外は虫ケラやん。見た感じ姉ちゃんも戦闘タイプじゃないやろ?」
皆藤の話を聞き流しながら花は手を考えている。
「(身体刺激型超能力者であることから中・近距離戦闘タイプか。更にあの性格からして十中八九、近距離タイプ。なるべく距離を取って闘いたいけど私が持っている武器はこのナイフにハンドガンのみ。理想的ではないわね)」
「7人? そうだと良いわね」
「あぁ?」
花の言葉に皆藤の表情が変わる。
「へへへ。姉ちゃん、スナイパーでも用意してるって言うんかい? 俺には効かんよ」
花は不敵な笑みを浮かべながら少しだけ後ずさる。
「ま、お手並み拝見」
皆藤はそう言うと一気に距離を詰める。それを見て花は後ろへ勢いよく下がりながら発砲する。放たれた3発の銃弾は正確に命中するものの皆藤はそれらを意に介さずそのまま突進、サイクスを込めた右拳でそのまま殴りかかる。
––––ドォォン!!!
花がその拳を難なく躱すと勢いそのままに地面に穴を開ける。花は皆藤の左側頭部に向けて至近距離からサイクスを込めて発砲、衝撃による風圧を利用しながら後ろへと下がり距離を取った。
砂煙が舞い上がり、その中心に向けて他の警官たちも所持する拳銃で無数の銃弾を浴びせる。花はその様子をレンズを使用しながら観察する。
「(至近距離でのサイクスを込めた銃弾でも無傷……!)」
一方で無数の銃弾の雨を一身に受けながらも動じない皆藤は思考する。
「(周りの雑魚はいつでも殺せるから良いとしてやはりあの金髪女は注意が必要やな。近藤の話では別地域からの応援要請は無いやろうって話だったが……。あんな超能力者今まで見たことねぇ。予想が外れたんかな?)」
皆藤は近くの非超能力者の目の前へと移動し、2人を同時に殴り飛ばして戦闘不能状態にする。
「(まぁ、馬鹿な俺が何を考えても分からんし、こいつら全員殺っちまえば良い話やんな)」
次の瞬間、皆藤は凄まじい咆哮と共に大量のサイクスを放出して足元に拳を振り下ろす。
「っらあぁ!!」
それによって生じた瓦礫を周りの警官へ向けて裏拳で一気に全てを弾き飛ばす。
#####
––––別に身体刺激型超能力者と物質刺激型超能力者に複雑な超能力は必要ないよ
以前言われた言葉が皆藤の脳裏を過る。
近藤組に所属する超能力者の殆どが身体刺激型超能力者または物質刺激型超能力者で構成されており、一部を除いて固有の超能力を持たない。
殊、戦闘において身体刺激型超能力者は攻守に最もバランスが良い。己の身体機能に影響を及ぼす身体刺激型超能力者のサイクスを込めた打撃は同程度のサイクス量を持つ他系統の超能力者を上回る。
その為、鍛錬を積むことで生身の身体能力を向上して基本性能を上乗せ、更にフローを極めてサイクスを適切に配分することで相手との差を広げる。
同じことは物質刺激型超能力者にも言える。そもそも"超常現象"は物質刺激型超能力者の得意分野で、害意や悪意を込めた"超常現象"の応用さえ覚えてしまえば他系統の超能力者よりも消費するサイクス量は少なく効率的に攻撃を仕掛けられる。
また、先の花のように拳銃にサイクスを込めながら発砲する行為も精神刺激型超能力者である花よりも効率的、且つ強力な銃弾を放つ事が可能である。
#####
「うわああああ!!」
皆藤の攻撃を受けた警官達は勢いよく吹き飛び、悲鳴を上げる。花は迫り来る無数の岩石を躱しながら皆藤の背後へ回り込む。
「(やっぱこの女、強ぇな。俺の攻撃を躱して死角や背後を確実に突いてくる……!)」
皆藤は花に発砲する時間を与えずに一気に距離を詰めて格闘に持ち込み、両手にサイクスを溜めてラッシュで花を追い込む。
その速い連撃はこれまでのものとは異なり、相手に逃げる隙をも与えない。
花は最小限のサイクスを両腕に施して打撃を防御し、致命傷を避けつつレンズで皆藤のサイクスの流れを観察する。
「(身体の使い方やサイクスの配分・流れからして右利きね。だから……)」
花は腕に込めていたサイクス量を増加させて皆藤の右ストレートを防御、更に両足にもサイクスを配分して踏ん張りを利かせて皆藤の拳を弾く。連打が止んだその一瞬に花は右足にサイクスを込めて皆藤の左大腿部にローキックを見舞う。
「!!!」
皆藤は一瞬バランスを崩すものの直ぐに攻撃に転じ、右手を振り上げてそのまま殴りかかる。
「(咄嗟の攻撃には右が出やすい)」
動きを読んでいた花はそれを躱して懐に潜り込み、逆手持ちにしたナイフを順手持ちに持ち替えて皆藤の右肩を突く。
サイクスを込めたナイフの突きであっても皆藤の屈強な肉体にはかすり傷しか残せなかったが、花はフッと笑みを浮かべると"超常現象"を発動して瓦礫で死角を作り、その場から離れる。
「良いねぇ! 強ぇ奴との1on1は昂ぶるねぇ!」
皆藤はそう叫び、花が逃げた方向へと視線をやると黒髮ショートヘアの見知らぬ女が立っていた。
「……だと良いわね」
そう呟くと女は皆藤に拳銃を向けた。
百道船着き場に到着して警察車両2台を破壊した後に皆藤が呟く。皆藤は言葉の途中に1人の女と目が合い、見失う。
徳田花は皆藤の頭上を越え、携帯と共に背中に触れる。その後空中で態勢を変えながら右手に拳銃、左手にナイフを取り出して静かに着地、皆藤の背後に立つ。
「両手を挙げて大人しく投降しなさい。あなたは包囲されているわ」
皆藤は余裕の表情を浮かべながら周りを見渡す。
「髪色と一緒で攻撃的やね、姉ちゃん」
"私とあなたの秘密"で金髪のロングヘアーをなびかせる女性の姿へと変化させている。
「7人」
皆藤は花に背を向けたまま尚も余裕の表情を浮かべながら更に続ける。
「非超能力者4人に超能力者が3人。しかもあんた以外は虫ケラやん。見た感じ姉ちゃんも戦闘タイプじゃないやろ?」
皆藤の話を聞き流しながら花は手を考えている。
「(身体刺激型超能力者であることから中・近距離戦闘タイプか。更にあの性格からして十中八九、近距離タイプ。なるべく距離を取って闘いたいけど私が持っている武器はこのナイフにハンドガンのみ。理想的ではないわね)」
「7人? そうだと良いわね」
「あぁ?」
花の言葉に皆藤の表情が変わる。
「へへへ。姉ちゃん、スナイパーでも用意してるって言うんかい? 俺には効かんよ」
花は不敵な笑みを浮かべながら少しだけ後ずさる。
「ま、お手並み拝見」
皆藤はそう言うと一気に距離を詰める。それを見て花は後ろへ勢いよく下がりながら発砲する。放たれた3発の銃弾は正確に命中するものの皆藤はそれらを意に介さずそのまま突進、サイクスを込めた右拳でそのまま殴りかかる。
––––ドォォン!!!
花がその拳を難なく躱すと勢いそのままに地面に穴を開ける。花は皆藤の左側頭部に向けて至近距離からサイクスを込めて発砲、衝撃による風圧を利用しながら後ろへと下がり距離を取った。
砂煙が舞い上がり、その中心に向けて他の警官たちも所持する拳銃で無数の銃弾を浴びせる。花はその様子をレンズを使用しながら観察する。
「(至近距離でのサイクスを込めた銃弾でも無傷……!)」
一方で無数の銃弾の雨を一身に受けながらも動じない皆藤は思考する。
「(周りの雑魚はいつでも殺せるから良いとしてやはりあの金髪女は注意が必要やな。近藤の話では別地域からの応援要請は無いやろうって話だったが……。あんな超能力者今まで見たことねぇ。予想が外れたんかな?)」
皆藤は近くの非超能力者の目の前へと移動し、2人を同時に殴り飛ばして戦闘不能状態にする。
「(まぁ、馬鹿な俺が何を考えても分からんし、こいつら全員殺っちまえば良い話やんな)」
次の瞬間、皆藤は凄まじい咆哮と共に大量のサイクスを放出して足元に拳を振り下ろす。
「っらあぁ!!」
それによって生じた瓦礫を周りの警官へ向けて裏拳で一気に全てを弾き飛ばす。
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––––別に身体刺激型超能力者と物質刺激型超能力者に複雑な超能力は必要ないよ
以前言われた言葉が皆藤の脳裏を過る。
近藤組に所属する超能力者の殆どが身体刺激型超能力者または物質刺激型超能力者で構成されており、一部を除いて固有の超能力を持たない。
殊、戦闘において身体刺激型超能力者は攻守に最もバランスが良い。己の身体機能に影響を及ぼす身体刺激型超能力者のサイクスを込めた打撃は同程度のサイクス量を持つ他系統の超能力者を上回る。
その為、鍛錬を積むことで生身の身体能力を向上して基本性能を上乗せ、更にフローを極めてサイクスを適切に配分することで相手との差を広げる。
同じことは物質刺激型超能力者にも言える。そもそも"超常現象"は物質刺激型超能力者の得意分野で、害意や悪意を込めた"超常現象"の応用さえ覚えてしまえば他系統の超能力者よりも消費するサイクス量は少なく効率的に攻撃を仕掛けられる。
また、先の花のように拳銃にサイクスを込めながら発砲する行為も精神刺激型超能力者である花よりも効率的、且つ強力な銃弾を放つ事が可能である。
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「うわああああ!!」
皆藤の攻撃を受けた警官達は勢いよく吹き飛び、悲鳴を上げる。花は迫り来る無数の岩石を躱しながら皆藤の背後へ回り込む。
「(やっぱこの女、強ぇな。俺の攻撃を躱して死角や背後を確実に突いてくる……!)」
皆藤は花に発砲する時間を与えずに一気に距離を詰めて格闘に持ち込み、両手にサイクスを溜めてラッシュで花を追い込む。
その速い連撃はこれまでのものとは異なり、相手に逃げる隙をも与えない。
花は最小限のサイクスを両腕に施して打撃を防御し、致命傷を避けつつレンズで皆藤のサイクスの流れを観察する。
「(身体の使い方やサイクスの配分・流れからして右利きね。だから……)」
花は腕に込めていたサイクス量を増加させて皆藤の右ストレートを防御、更に両足にもサイクスを配分して踏ん張りを利かせて皆藤の拳を弾く。連打が止んだその一瞬に花は右足にサイクスを込めて皆藤の左大腿部にローキックを見舞う。
「!!!」
皆藤は一瞬バランスを崩すものの直ぐに攻撃に転じ、右手を振り上げてそのまま殴りかかる。
「(咄嗟の攻撃には右が出やすい)」
動きを読んでいた花はそれを躱して懐に潜り込み、逆手持ちにしたナイフを順手持ちに持ち替えて皆藤の右肩を突く。
サイクスを込めたナイフの突きであっても皆藤の屈強な肉体にはかすり傷しか残せなかったが、花はフッと笑みを浮かべると"超常現象"を発動して瓦礫で死角を作り、その場から離れる。
「良いねぇ! 強ぇ奴との1on1は昂ぶるねぇ!」
皆藤はそう叫び、花が逃げた方向へと視線をやると黒髮ショートヘアの見知らぬ女が立っていた。
「……だと良いわね」
そう呟くと女は皆藤に拳銃を向けた。
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