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アンリエッタとエゼキエル、十五歳
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「侍従長、エルはまた研究室に篭っているの?」
アンリエッタは朝から姿を見かけないエゼキエルを探して侍従長(53)に尋ねた。
古くから王室に仕える家の出身であるこの侍従長は、全身が忠義心で出来ている…と言っても過言ではないほど、王室を献身的に支えてくれている。
少々、いやかなり口煩くはあるが。
「左様でございます。陛下は本日は朝議にお出になられてから以降は、研究室にお篭もりあそばしておられます」
侍従長がそう答えるとアンリエッタは嘆息した。
「もうすぐ昼食の時間よ。放っておいたら飲まず食わずで魔術の研究に没頭していまうのがこの頃のエルの困ったところね。いいわ、私が呼びに行きます」
「かしこまりました。時に妃殿下、先日もお話しさせて頂きましたが、陛下を愛称呼びされるのはそろそろ如何なものかと」
「うーん……でも十歳の頃からこう呼んでいるから癖になってしまっているのよね……」
アンリエッタが肩を竦めながらそう言うと侍従長はかけている眼鏡をキランと光らせて言った。
「しかしそれでは、成人後に王室を出られた後にお困りになられますよ。今の内から修正しておかれる方が貴女様の為でございます。うっかり公の場にて愛称呼びをされて、後の正妃様に睨まれたくはないでしょう」
「確かにそうね……分かりました、頑張ってみるわ」
「それが良うございます」
侍従長はほっとしたようにそう言った。
十五歳になって直ぐくらいの頃から、侍従長はいずれ王室を去るアンリエッタに様々な事を言い聞かせて心算をさせるようになった。
エゼキエルを王位に就かせたままいずれ正妃となる高貴なお方に妃の座をお渡しする事を誉に思わなくてはならない、とか。
王室を出た後のアンリエッタの身の振り方はきっと父親であるベルファスト辺境伯とモリス宰相が良きに計らってくださるから心配は要らない、とか。
幼い頃から献身的に王家に尽くしたアンリエッタは必ず幸せになれる筈だ、とか。
とにかく侍従長の中で、アンリエッタは先の見えない立場に不安を抱えている可哀想な娘……とあるようで、何かにつけて言葉を注いでいざという時に傷付かないように覚悟をさせようとしているらしいのだ。
でもアンリエッタは知っている。
もしいずれ迎える正妃がアンリエッタを虐げるような事をされるのであれば、命を投げ打ってでも抗議させて頂く所存だ!と、侍従長が他の侍従達に言っていた事を。
虐げるも何も、きっと正妃様が王宮入りされる前に私はベルファスト辺境伯に戻っていて接点はないと思うんだけど……
と思いつつも、もしかしたら第一妃…側妃として据え置かれるのかしら?という考えも頭を過った。
ーーでも私、それは嫌だわ。
エゼキエルの安定した御世の為に身を引くのは構わない。
むしろエゼキエルの事を思えばもっと力のある妃を迎えて玉座の足元を盤石なものにするべきだと思っている。
だけど、エゼキエルの隣に自分ではない他の誰かがいるのを間近で見続ける事になるのだけは勘弁して貰いたい。
エゼキエルだって幼馴染ともいえるアンリエッタに対して気不味さを感じ、気兼ねする筈だ。
それなら潔くきっぱりとお別れして
それぞれの新しい人生を歩んでゆく、そうする方がいい。
それがいいのだ。
アンリエッタは王宮内の廊下をひた歩き、エゼキエルが魔術の練習や研究に使っている部屋へと訪れた。
この部屋には特別な結界が施されており、術式の魔力やその残滓が外部に漏れる事がないようにしてある。
扉に設置してあるチャイムを鳴らして中に居るであろうエゼキエルに訪いを知らせる。
もちろんさっき侍従長に言われた事をちゃんと実践して。
「エル…違った、エゼキエル陛下~そろそろ昼食の時間ですよ~。私、お腹が空きましたわ~。エル…陛下が出て来てくれないと食べられませんのよ~、早く午餐の間に行きましょ~」
アンリエッタがそう言うと、ややあって扉が開いた。
「もうそんな時間か。夢中になって作業していたよ」
エゼキエルがそう言いながら部屋から出てきた。
「ふふふ。魔術の事になると相変わらずね。今は何の研究をしているの?」
「古代魔術の類いをね。廃れてしまった魔術の中に、きっと今の世に役立つ魔術があると思うんだ。それを探しているんだよ」
エゼキエルが上衣を叩きながら言う。
「あ、ほらじっとしてて」
アンリエッタはワンピースドレスのポケットからハンカチを取り出してエゼキエルの頬に付いた煤の様なものを拭った。
何故研究でこうなるのか、乱れた髪も撫でつけて整えてやる。
「研究熱心なのはいいけれど、食事の時間を忘れてはいけないわ。体に良くないし、第一私が飢え死にしてしまうわ」
「あはは。それは大変だな。アンリを飢えさせない為に善処するよ」
「そうして頂戴。ちゃんと間に休憩も入れるのよ?あと身だしなみもきちんとね」
「了解。……でもさっきのは何だったの?」
エゼキエルの突然の問いかけにアンリエッタはキョトンと見上げた。
「さっきの?」
「俺の事、エゼキエル陛下って……どうして急に?」
「あぁ、それね。だって私達も十五歳になったんだし。愛称呼びはそろそろやめた方が良いと思ったの」
アンリエッタがそう答えると、エゼキエルは不機嫌な様子になってこう告げた。
「必要ない」
「え?」
「愛称呼びをやめる必要がないと言っているんだ。また変な呼び方をしたらアンリとは口を利かない」
「え、それは困るわ。それに変な呼び方って……ユリアナ様と同じ呼び方にするだけよ」
「とにかくそれが必要ないって言ってるんだ。……アンリは俺ともう互いに愛称で呼び合うのは嫌?」
ーーはぅっ…!まったくこの子は……!
寂しそうに言うエゼキエルにきゅんとしてしまう。
アンリエッタはふるふると首を振った。
「そんな事はないわ」
「それなら、もうこの話は終わり。いいね?二度と陛下なんて呼ばないでよ?」
「わ、わかったわ……」
一瞬エゼキエルから感じた事もないような圧を感じ、アンリエッタはそう返事をした。
だけど“二度と”なんて無理だと思う。
いずれはそう呼ぶべき日がくる。
どうしてエゼキエルにはそれが分からないのだろう。
分かっていても今は必要がないから、という事なのだろうか。
まぁいいけど。
いざとなったら自分の方から一線を引けばいい。
ーーその時はあんな可愛く寂しそうな顔をしても絆されないんだから!
アンリエッタは心の中でそう決意し、
エゼキエルの手を引いて歩き出した。
「さぁエル行きましょ。今日のメニューは何かしら?チキンの香草パン粉焼きだといいな~」
エゼキエルはアンリエッタに手を引かれながら笑う。
「この頃のアンリのお気に入りのメニューだよね。そんなにまた食べたいなら料理長にリクエストしたらいいんだよ」
「でも、同じものばかりだとエルは飽きちゃうでしょう?」
「アンリの好きなものが俺も大好きだから全く構わないよ。美味しそうに食べるアンリを見るだけで楽しいしね」
「ありがとう。エルは本当に優しいのね」
嬉しい言葉をくれたエゼキエルに対し、自然と笑みが溢れる。
心がぽかぽかとしてとてもよい心地になるのだ。
こんなに優しい王様が治めるならこの国は大丈夫。
国境警備はベルファスト辺境伯にお任せあれ!と、内心ひとり言ちるアンリエッタはエゼキエルがぽつりと「アンリにだけだよ」と言ったのは聞こえなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回、アンリエッタとエゼキエル、とうとうデビュタントを迎えます。
アンリエッタは朝から姿を見かけないエゼキエルを探して侍従長(53)に尋ねた。
古くから王室に仕える家の出身であるこの侍従長は、全身が忠義心で出来ている…と言っても過言ではないほど、王室を献身的に支えてくれている。
少々、いやかなり口煩くはあるが。
「左様でございます。陛下は本日は朝議にお出になられてから以降は、研究室にお篭もりあそばしておられます」
侍従長がそう答えるとアンリエッタは嘆息した。
「もうすぐ昼食の時間よ。放っておいたら飲まず食わずで魔術の研究に没頭していまうのがこの頃のエルの困ったところね。いいわ、私が呼びに行きます」
「かしこまりました。時に妃殿下、先日もお話しさせて頂きましたが、陛下を愛称呼びされるのはそろそろ如何なものかと」
「うーん……でも十歳の頃からこう呼んでいるから癖になってしまっているのよね……」
アンリエッタが肩を竦めながらそう言うと侍従長はかけている眼鏡をキランと光らせて言った。
「しかしそれでは、成人後に王室を出られた後にお困りになられますよ。今の内から修正しておかれる方が貴女様の為でございます。うっかり公の場にて愛称呼びをされて、後の正妃様に睨まれたくはないでしょう」
「確かにそうね……分かりました、頑張ってみるわ」
「それが良うございます」
侍従長はほっとしたようにそう言った。
十五歳になって直ぐくらいの頃から、侍従長はいずれ王室を去るアンリエッタに様々な事を言い聞かせて心算をさせるようになった。
エゼキエルを王位に就かせたままいずれ正妃となる高貴なお方に妃の座をお渡しする事を誉に思わなくてはならない、とか。
王室を出た後のアンリエッタの身の振り方はきっと父親であるベルファスト辺境伯とモリス宰相が良きに計らってくださるから心配は要らない、とか。
幼い頃から献身的に王家に尽くしたアンリエッタは必ず幸せになれる筈だ、とか。
とにかく侍従長の中で、アンリエッタは先の見えない立場に不安を抱えている可哀想な娘……とあるようで、何かにつけて言葉を注いでいざという時に傷付かないように覚悟をさせようとしているらしいのだ。
でもアンリエッタは知っている。
もしいずれ迎える正妃がアンリエッタを虐げるような事をされるのであれば、命を投げ打ってでも抗議させて頂く所存だ!と、侍従長が他の侍従達に言っていた事を。
虐げるも何も、きっと正妃様が王宮入りされる前に私はベルファスト辺境伯に戻っていて接点はないと思うんだけど……
と思いつつも、もしかしたら第一妃…側妃として据え置かれるのかしら?という考えも頭を過った。
ーーでも私、それは嫌だわ。
エゼキエルの安定した御世の為に身を引くのは構わない。
むしろエゼキエルの事を思えばもっと力のある妃を迎えて玉座の足元を盤石なものにするべきだと思っている。
だけど、エゼキエルの隣に自分ではない他の誰かがいるのを間近で見続ける事になるのだけは勘弁して貰いたい。
エゼキエルだって幼馴染ともいえるアンリエッタに対して気不味さを感じ、気兼ねする筈だ。
それなら潔くきっぱりとお別れして
それぞれの新しい人生を歩んでゆく、そうする方がいい。
それがいいのだ。
アンリエッタは王宮内の廊下をひた歩き、エゼキエルが魔術の練習や研究に使っている部屋へと訪れた。
この部屋には特別な結界が施されており、術式の魔力やその残滓が外部に漏れる事がないようにしてある。
扉に設置してあるチャイムを鳴らして中に居るであろうエゼキエルに訪いを知らせる。
もちろんさっき侍従長に言われた事をちゃんと実践して。
「エル…違った、エゼキエル陛下~そろそろ昼食の時間ですよ~。私、お腹が空きましたわ~。エル…陛下が出て来てくれないと食べられませんのよ~、早く午餐の間に行きましょ~」
アンリエッタがそう言うと、ややあって扉が開いた。
「もうそんな時間か。夢中になって作業していたよ」
エゼキエルがそう言いながら部屋から出てきた。
「ふふふ。魔術の事になると相変わらずね。今は何の研究をしているの?」
「古代魔術の類いをね。廃れてしまった魔術の中に、きっと今の世に役立つ魔術があると思うんだ。それを探しているんだよ」
エゼキエルが上衣を叩きながら言う。
「あ、ほらじっとしてて」
アンリエッタはワンピースドレスのポケットからハンカチを取り出してエゼキエルの頬に付いた煤の様なものを拭った。
何故研究でこうなるのか、乱れた髪も撫でつけて整えてやる。
「研究熱心なのはいいけれど、食事の時間を忘れてはいけないわ。体に良くないし、第一私が飢え死にしてしまうわ」
「あはは。それは大変だな。アンリを飢えさせない為に善処するよ」
「そうして頂戴。ちゃんと間に休憩も入れるのよ?あと身だしなみもきちんとね」
「了解。……でもさっきのは何だったの?」
エゼキエルの突然の問いかけにアンリエッタはキョトンと見上げた。
「さっきの?」
「俺の事、エゼキエル陛下って……どうして急に?」
「あぁ、それね。だって私達も十五歳になったんだし。愛称呼びはそろそろやめた方が良いと思ったの」
アンリエッタがそう答えると、エゼキエルは不機嫌な様子になってこう告げた。
「必要ない」
「え?」
「愛称呼びをやめる必要がないと言っているんだ。また変な呼び方をしたらアンリとは口を利かない」
「え、それは困るわ。それに変な呼び方って……ユリアナ様と同じ呼び方にするだけよ」
「とにかくそれが必要ないって言ってるんだ。……アンリは俺ともう互いに愛称で呼び合うのは嫌?」
ーーはぅっ…!まったくこの子は……!
寂しそうに言うエゼキエルにきゅんとしてしまう。
アンリエッタはふるふると首を振った。
「そんな事はないわ」
「それなら、もうこの話は終わり。いいね?二度と陛下なんて呼ばないでよ?」
「わ、わかったわ……」
一瞬エゼキエルから感じた事もないような圧を感じ、アンリエッタはそう返事をした。
だけど“二度と”なんて無理だと思う。
いずれはそう呼ぶべき日がくる。
どうしてエゼキエルにはそれが分からないのだろう。
分かっていても今は必要がないから、という事なのだろうか。
まぁいいけど。
いざとなったら自分の方から一線を引けばいい。
ーーその時はあんな可愛く寂しそうな顔をしても絆されないんだから!
アンリエッタは心の中でそう決意し、
エゼキエルの手を引いて歩き出した。
「さぁエル行きましょ。今日のメニューは何かしら?チキンの香草パン粉焼きだといいな~」
エゼキエルはアンリエッタに手を引かれながら笑う。
「この頃のアンリのお気に入りのメニューだよね。そんなにまた食べたいなら料理長にリクエストしたらいいんだよ」
「でも、同じものばかりだとエルは飽きちゃうでしょう?」
「アンリの好きなものが俺も大好きだから全く構わないよ。美味しそうに食べるアンリを見るだけで楽しいしね」
「ありがとう。エルは本当に優しいのね」
嬉しい言葉をくれたエゼキエルに対し、自然と笑みが溢れる。
心がぽかぽかとしてとてもよい心地になるのだ。
こんなに優しい王様が治めるならこの国は大丈夫。
国境警備はベルファスト辺境伯にお任せあれ!と、内心ひとり言ちるアンリエッタはエゼキエルがぽつりと「アンリにだけだよ」と言ったのは聞こえなかった。
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