見えているもの

春夏

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ウチの若様…湊の頭の上に、なんだかぼんやり霧がかかってる?
今日の仕事は雑誌のインタビュー、スモークなんか焚かないはずだ。

ゆうべ飲みすぎただろうか。
下を向いて頭を振り顔を上げた時には、切れ長の目に長い睫毛がよく映える、湊の美しい横顔にカメラが向けられていた。

また別の日。写真集の撮影。
俺は湊の後ろに立って肩に手を置く。

また霧が…なんだ?…2人?座ってる?
俺がそれに気づいた時、湊の肩が強張った。

「ポーズ変えてもいい?」

急に湊が座り込む。
同じように足を開いて座り込んだ俺に背中を預け、首をひねって目元を緩ませた。

そうだ、ぼんやり見えていたのもこんな感じだった。
…んなわけないか、気のせいだ。

疲労のせいか、湊が体調を崩した。
俺とは7つ、あとの2人とは8つも年下の湊を、俺達は可愛がって励まして守ってきた。
湊が俺達の核なのだとわかっていた。

俺達はそれぞれがドラマの主演をしたり、雑誌に連載をもったり、グループでも深夜とは言え冠バラエティをやらせてもらったりと、順調に活動していた。

グループの1人が30歳を迎える頃、解散の話題が出た。
不仲になったわけではない。
メンバーの1人が脱退して家業を継がなくてはならなくなったのだ。
グループを続けるか解散するか、悩みながら仕事をこなす毎日。

そんな日々の中、湊と2人の撮影時。
俺は初めて霧の影をはっきり見たのだ。
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