先生と俺

春夏

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side 亮太

クラスの生徒の授業選択を確認する。俺の担当教科は化学。幸久が選んだのは生物と物理。幸久の志望校は化学でも受験でけるはずやけど、体の仕組みを知るなら生物や、機械を知るなら物理や、と思うたんかな。そこを曖昧にしないのは、いかにも幸久らしかった。

スマホが鳴る。幸久のオヤジさん?なんやろ、なんかあったんやろか。廊下に出て電話に出る。「はい、小林です」「小林君、幸久が事故に遭った」「…は?」「駐車を誤った車が店に突っ込んで、その拍子に店の前にあった自転車が跳ね飛ばされて幸久にぶつかったそうだ。割れたガラスやらなんやら浴びてしまって」「ゆき…、それで怪我は?!」「外傷はたいしたことはなかった。あちこちにキズはあるけれど痕が残るようなことはないだろう、と。ただ」「ただ?」「ぶつかって倒れたときに頭を打ったらしいんだ。出血や脳波の異常はないようなんだが、まだ目を覚まさない」「病院はどこやの!」幸久の家近くの大きな病院。幸久が転性の診断を受けたとこや。「帰りに寄ってくれないか。心配させるなと言ってやってくれ」「なるべく早く行きます」

幸久、笑て迎えてくれ。「心配した?」て、いつものいたずらな笑顔で…。
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