姉の引き立て役の私は

ぴぴみ

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幼少期3

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 裏庭の花壇に隠れて泣いているとそこに先客がいることに気がつきました。しかし決して声は掛けてきません。

 遂には我慢できなくなって言いました。

「っぐす…なにしてるの?」
「アリを見てたんだ」

 正直意味が分からなかった。けれど、泣いている私に何も言うことなく自分の世界に閉じこもっている彼の側にいると段々と落ち着いていきました。

「なんで?」
「面白いから」

会話はすぐに終わってしまいます。そんな彼だったから私はつい聞いてしまいました。

「私、かわいくない?」

 言って後悔しました。こんなの否定の言葉を求めているようなものです。慰めを期待して…。なんて浅はかなのでしょう。
 少年は言いました。

「…別に」
「こっち見て」

 少年のキラキラと輝く金の瞳と目が合います。

「…普通」
「でも、こんなに太ってるし」
「人間なんて、一皮むけばみんな同じだよ」

 随分と変わった少年です。しかし私は信じきることができません。どうせ彼も心の奥底では“なんだこの豚”とでも思っているに違いないのです。被害妄想がむくむくと膨らんで仕方ありませんでした。

「お母様もお父様もお姉様もみんな、私のことかわいいって言うの」
「いいことなんじゃない?」
「でも、実際は違うでしょう??」

 嘆く私を少年が黙って見つめます。

「もう誰を信じればいいのか、分からない…!」

 そんな私に少年が言いました。

「じゃあ信じるの、止めなよ」

 
 
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