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4.レナード様と見知らぬご令嬢
⑩
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公園につき、芝生の広がるスペースまで来ると、カレン様は早速抱えていた大きなトランクケースを開いた。
「メイベル様、早速お手本を見せてくださいませんか?」
カレン様はそう言いながら、トランクケースから木彫りの人形のようなものをいくつも取り出す。
「そちらはなんですか?」
「魔法の練習用の的ですわ! 先日、使用人に命じて魔道具店で買ってこさせましたの。一見ただの人形に見えますが、普通の威力の魔法では傷一つつかないくらい頑丈なんですって」
カレン様は楽しげな声でそう言いながら、木の人形を地面に並べていく。
私は興味深くその人形を眺めていた。
「メイベル様、この人形を壊してみてくださいませ」
カレン様は微笑みながらそう言った。
可愛らしい笑顔。しかし、なんだかその表情に含みを感じる。それが少々気になりながらも、私は鞄から杖を取り出した。
「わかりました。それでは、カレン様は危険ですので少し離れた場所で見ていてください」
「ええ、わかりましたわ」
カレン様はそう言うと、私の数メートル後ろにある茂みの前辺りまで下がった。
……ちょっと下がり過ぎではないだろうか。
そんなに離れていたら魔法を使うところがよく見えないのではないかと思ったけれど、それを言う暇もないままカレン様はにこにこ笑いながら地面に座り込んでしまった。
まぁいいかと私は木の人形たちに向かって杖を向ける。それから、杖をかざして炎の魔法を放った。
人形に火が付いて、瞬く間に燃えていく。
この分だと一回の魔法で全て壊せそうだったので、私は杖を降ろした。
しかし、しばらくすると、黒焦げになった人形の中から、金色に光る何かが露出し始めた。
それをぼんやり眺めていた私は、はっとしてすぐさま杖を構え直す。
(あれは普通の人形じゃないわ!)
焦げた人形はガタガタと震え、今にも爆発しそうだ。きっと中に何か入っている。爆弾のような何かが。
「消えなさい!」
炎を打ち消すように、強い魔力を込めて水魔法を放った。
以前、魔術院で小型ドラゴンのドレクスモルと遭遇してしまったときに使ったのと同じ、水の玉を出す魔法だ。
人形が破裂して、強い光とともに木片が弾け飛ぶ。
大きく爆発が起こる寸前で、水の玉が人形を包み込むように覆いかぶさった。
水の玉の中に閉じ込められた人形は、しばらくガタガタ震えていたけれど、やがてしずかになって光も消えた。
私はほっと地面に座り込む。
それからはっとして、後ろにいるカレン様を振り返った。
「カレン様! けがはありませんか!?」
急いでカレン様の元まで駆けよる。
カレン様は水の玉に閉じ込められた人形を呆然と眺めていた。
「なんで……」
「びっくりしましたね! カレン様、ただの練習用の的ではない人形を購入してしまったのかもしれません。もしかすると、戦闘に使う武器だったのかも。何も起こらなくてよかったですね……!」
私はひやひやしながらそう口にした。
あれはおそらく、敵を油断させるために人形の形をしていただけで、攻撃を加えると爆発してダメージを与える武器か何かだったのだろう。
カレン様もカレン様の家の使用人も、おそらく魔道具について詳しくないから、間違えて危険なものを買ってしまったのではないだろうか。
カレン様は驚愕したように人形と私を交互に見ていた。
そんな危険なものを知らずに持ち運んでいたのがショックだったのかもしれない。
「メイベル様、早速お手本を見せてくださいませんか?」
カレン様はそう言いながら、トランクケースから木彫りの人形のようなものをいくつも取り出す。
「そちらはなんですか?」
「魔法の練習用の的ですわ! 先日、使用人に命じて魔道具店で買ってこさせましたの。一見ただの人形に見えますが、普通の威力の魔法では傷一つつかないくらい頑丈なんですって」
カレン様は楽しげな声でそう言いながら、木の人形を地面に並べていく。
私は興味深くその人形を眺めていた。
「メイベル様、この人形を壊してみてくださいませ」
カレン様は微笑みながらそう言った。
可愛らしい笑顔。しかし、なんだかその表情に含みを感じる。それが少々気になりながらも、私は鞄から杖を取り出した。
「わかりました。それでは、カレン様は危険ですので少し離れた場所で見ていてください」
「ええ、わかりましたわ」
カレン様はそう言うと、私の数メートル後ろにある茂みの前辺りまで下がった。
……ちょっと下がり過ぎではないだろうか。
そんなに離れていたら魔法を使うところがよく見えないのではないかと思ったけれど、それを言う暇もないままカレン様はにこにこ笑いながら地面に座り込んでしまった。
まぁいいかと私は木の人形たちに向かって杖を向ける。それから、杖をかざして炎の魔法を放った。
人形に火が付いて、瞬く間に燃えていく。
この分だと一回の魔法で全て壊せそうだったので、私は杖を降ろした。
しかし、しばらくすると、黒焦げになった人形の中から、金色に光る何かが露出し始めた。
それをぼんやり眺めていた私は、はっとしてすぐさま杖を構え直す。
(あれは普通の人形じゃないわ!)
焦げた人形はガタガタと震え、今にも爆発しそうだ。きっと中に何か入っている。爆弾のような何かが。
「消えなさい!」
炎を打ち消すように、強い魔力を込めて水魔法を放った。
以前、魔術院で小型ドラゴンのドレクスモルと遭遇してしまったときに使ったのと同じ、水の玉を出す魔法だ。
人形が破裂して、強い光とともに木片が弾け飛ぶ。
大きく爆発が起こる寸前で、水の玉が人形を包み込むように覆いかぶさった。
水の玉の中に閉じ込められた人形は、しばらくガタガタ震えていたけれど、やがてしずかになって光も消えた。
私はほっと地面に座り込む。
それからはっとして、後ろにいるカレン様を振り返った。
「カレン様! けがはありませんか!?」
急いでカレン様の元まで駆けよる。
カレン様は水の玉に閉じ込められた人形を呆然と眺めていた。
「なんで……」
「びっくりしましたね! カレン様、ただの練習用の的ではない人形を購入してしまったのかもしれません。もしかすると、戦闘に使う武器だったのかも。何も起こらなくてよかったですね……!」
私はひやひやしながらそう口にした。
あれはおそらく、敵を油断させるために人形の形をしていただけで、攻撃を加えると爆発してダメージを与える武器か何かだったのだろう。
カレン様もカレン様の家の使用人も、おそらく魔道具について詳しくないから、間違えて危険なものを買ってしまったのではないだろうか。
カレン様は驚愕したように人形と私を交互に見ていた。
そんな危険なものを知らずに持ち運んでいたのがショックだったのかもしれない。
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