君といるのは疲れると言われたので、婚約者を追いかけるのはやめてみました

水谷繭

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6.ルヴェーナ魔法学園

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***

 それから一週間後。私は迷った末に、ルヴェーナ魔法学園に見学に行くことにした。

 馬車に乗り込み、王都の真ん中にあるルヴェーナ魔法学園まで向かう。以前入学手続きを進めていた際は中へ入る機会まではなかったので、ちょっとどきどきだ。

「わー、やっぱりルヴェーナ魔法学園は大きいなぁ……」

 正門の前に立ち、学園の校舎を眺めながら思わず呟いてしまった。まるでお城のような大きな校舎は、前に立っているだけで圧倒されてしまう。

 すると、門の向こうから声が聞こえてきた。

「メイベル君、本当に来てくれたんだね!」

「ダレルさん!」

 門の向こうから、ダレルさんがにこやかに手を振りながら近づいてきた。昨日、冊子に書いてあった通信機の番号に連絡して、約束を取り付けておいたのだ。

「呼んでいただきありがとうございます」

「こちらこそ、メイベル君が見学に来てくれて嬉しいよ。早速校舎を案内するね」

 ダレルさんはそう言うと、軽い足取りで歩き出した。


 ダレルさんの後に続いて門をくぐり、ルヴェーナ魔法学園の校舎内を順番に回っていった。

 実験室に薬草栽培室、魔獣飼育室、それから訓練場。

 ラネル魔術院にも同じような部屋はあるけれど、こちらは広さも設備も圧倒的に上回っている。部屋に入る度に、あまりの立派さに感動してしまった。

「すごい、さすがルヴェーナ魔法学園ですね!」

「だろう? メイベル君もうちの学園にくればこれらの設備を自由に使えるよ」

 ダレルさんは得意げな顔になって言う。私はちょっぴり心が揺らいでしまった。


「次は授業の様子を見にいこうか。ちょうど今、訓練場で実践授業をやっているから」

 ダレルさんはそう言って、校舎の外へ出た。

 訓練場にはルヴェーナ魔法学園の制服である黒いローブを着た生徒がたくさんいた。彼らは皆、素早く動く魔獣のようなものに攻撃している。

「あれは魔獣……ですか? でも、少し動きがおかしい気が……」

「あれは精巧に作られた魔獣型の人形だよ。魔力を込めると動くように作られているんだ。実際の魔獣の戦う前の練習としてあれと戦うんだ」

「へぇ、すごい! まるで本物みたいですね!」

 私は感心しきって言った。魔力で動く人形自体は見たことがあるけれど、あれほど本物らしい動きをするものを見るのは初めてだ。

 魔獣型人形は走ったり、翼を広げて飛んだり、時には口から火を噴いたりする。あれだけリアルな動きをする人形なら、実際魔獣と対峙するときにも役立つだろう。

「よかったらメイベル君もあの魔獣型人形を試してみないか?」

「えっ、いいんですか?」

「ああ、もちろん。ちょっと待っていてくれ」

 ダレルさんはそう言うと、脇に置いてある使われていない魔獣型人形の中から、ドラゴンの人形を一つ引っ張ってきた。

 生徒たちはドラゴンの人形を引っ張るダレルさんを不思議そうに見た後で、私の方に視線を向ける。
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