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6.ルヴェーナ魔法学園
⑩
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そんなある日、私は予想もしていなかった話を聞いた。
私が授業の支度をしていると、体験入学当初から学園のルールや教室の場所などを教えてくれている、親切なアイヴィーさんが話しかけてきた。
「メイベルさん、ラスウェル侯爵家のご令息ってラネル魔術院に通っているのよね」
「レナード様のことですか? はい、通ってらっしゃいますよ」
思わぬところでレナード様の話が出てきたことに驚きながらも言葉を返す。アイヴィーさんは笑顔になって言った。
「レナード様って言うんだ! 本当にラネル魔術院の生徒なのね! 実は、そのラスウェル家のご令息がついに婚約者を決めたらしいのよ。驚きよね!」
「……え?」
突然のことでぽかんとしてしまった。
婚約者? レナード様に?
つい先日、レナード様本人がお父様が婚約者の件は待ってくれることになったと言っていなかっただろうか。どうして急に?
「それ本当ですか? 一体どんな方と?」
「フリント侯爵家のご令嬢らしいわ。やっぱり侯爵家ともなると、家柄が合う人同士でくっつくのね」
「フリント侯爵家……」
私は記憶を辿ってフリント侯爵家のご令嬢のことを思い出す。確か、フリント家にはご令嬢は一人だけだったはずだ。名前はエリアナ様と言っただろうか。年齢は十四、五歳だったと思う。
レナード様はどうして急に婚約者を決めることにしたのだろう。乗り気ではない様子だったのに。
「フリント侯爵家のご令嬢って、呪文体系の研究で有名なのよ。まだ十四歳だというのに、すごいわよね!」
「そうなんですか?」
「ええ。今は非公式の魔法学校で学んでいるらしいけれど。うちの先生たちもスカウトしに行きたいって息巻いてるわ」
アイヴィーさんの話を聞いて、納得した。
エリアナ様も、魔法に関連する才能を持った方なのだ。それならきっとレナード様とも合うだろう。
乗り気ではなさそうだったレナード様が急に婚約を決めたことが不思議だったけれど、もしかすると私がルヴェーナ魔法学園に来ている最中に、エリアナ様と運命的な出会いを果たしたのかもしれない。
もしそうなら、レナード様の悩んでいた婚約者問題が大変理想的な形で解決したことになる。
「そうなんですね! 家柄的にも価値観的にもぴったりですね。今度会った時にお祝いを言おうと思います」
アイヴィーさんに向かって笑顔で言った。
レナード様がいいお相手に出会えてよかった。レナード様のような素敵な方には、ぜひ同じように素敵なご令嬢と幸せになってもらいたい。
しかし、そう思う気持ちに嘘はないはずなのに、なぜだか胸がちくちく痛むような気がした。
その日の放課後、私はお屋敷に帰る前に、魔法学園周辺の通りを歩いていた。
今日は授業が早めに終わったので、街で魔道具や魔導書を見てから帰ろうと考えたのだ。ルヴェーナ魔法学園周辺には、ほかの場所ではなかなかお目にかかれないような珍しい魔法関係の商品を扱う店がたくさん並んでいる。
私はわくわくしながら魔道具店を見て回った。
そうだ、レナード様に婚約祝いのプレゼントを渡してもいいかも。珍しい魔道具を贈れば、レナード様もきっと喜んでくれるはずだ。
そんなことを考えながら、明るい気分で通りを歩いていた。
私が授業の支度をしていると、体験入学当初から学園のルールや教室の場所などを教えてくれている、親切なアイヴィーさんが話しかけてきた。
「メイベルさん、ラスウェル侯爵家のご令息ってラネル魔術院に通っているのよね」
「レナード様のことですか? はい、通ってらっしゃいますよ」
思わぬところでレナード様の話が出てきたことに驚きながらも言葉を返す。アイヴィーさんは笑顔になって言った。
「レナード様って言うんだ! 本当にラネル魔術院の生徒なのね! 実は、そのラスウェル家のご令息がついに婚約者を決めたらしいのよ。驚きよね!」
「……え?」
突然のことでぽかんとしてしまった。
婚約者? レナード様に?
つい先日、レナード様本人がお父様が婚約者の件は待ってくれることになったと言っていなかっただろうか。どうして急に?
「それ本当ですか? 一体どんな方と?」
「フリント侯爵家のご令嬢らしいわ。やっぱり侯爵家ともなると、家柄が合う人同士でくっつくのね」
「フリント侯爵家……」
私は記憶を辿ってフリント侯爵家のご令嬢のことを思い出す。確か、フリント家にはご令嬢は一人だけだったはずだ。名前はエリアナ様と言っただろうか。年齢は十四、五歳だったと思う。
レナード様はどうして急に婚約者を決めることにしたのだろう。乗り気ではない様子だったのに。
「フリント侯爵家のご令嬢って、呪文体系の研究で有名なのよ。まだ十四歳だというのに、すごいわよね!」
「そうなんですか?」
「ええ。今は非公式の魔法学校で学んでいるらしいけれど。うちの先生たちもスカウトしに行きたいって息巻いてるわ」
アイヴィーさんの話を聞いて、納得した。
エリアナ様も、魔法に関連する才能を持った方なのだ。それならきっとレナード様とも合うだろう。
乗り気ではなさそうだったレナード様が急に婚約を決めたことが不思議だったけれど、もしかすると私がルヴェーナ魔法学園に来ている最中に、エリアナ様と運命的な出会いを果たしたのかもしれない。
もしそうなら、レナード様の悩んでいた婚約者問題が大変理想的な形で解決したことになる。
「そうなんですね! 家柄的にも価値観的にもぴったりですね。今度会った時にお祝いを言おうと思います」
アイヴィーさんに向かって笑顔で言った。
レナード様がいいお相手に出会えてよかった。レナード様のような素敵な方には、ぜひ同じように素敵なご令嬢と幸せになってもらいたい。
しかし、そう思う気持ちに嘘はないはずなのに、なぜだか胸がちくちく痛むような気がした。
その日の放課後、私はお屋敷に帰る前に、魔法学園周辺の通りを歩いていた。
今日は授業が早めに終わったので、街で魔道具や魔導書を見てから帰ろうと考えたのだ。ルヴェーナ魔法学園周辺には、ほかの場所ではなかなかお目にかかれないような珍しい魔法関係の商品を扱う店がたくさん並んでいる。
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そうだ、レナード様に婚約祝いのプレゼントを渡してもいいかも。珍しい魔道具を贈れば、レナード様もきっと喜んでくれるはずだ。
そんなことを考えながら、明るい気分で通りを歩いていた。
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