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告白
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あ、そうだ! デュラン王子に物申すことがあったわ!
「デュラン王子、リッカさんの本を、イーリンさんにすすめてなかったんですね?!
本を読む身近な人がいるのに、すすめてないなんて、ファンとして怠慢ですよ!」
と、鼻息あらく言ってしまった。
デュラン王子は、一瞬、ポカンとして、
「え、イーリンって、本を読むの?」
と、つぶやいた。
えーっ?! そこから?!
イーリンさんも、困ったような顔を、私のほうにむけて、言った。
「ここ数年、家族ともあまり話していなかったの。下を向いていないと、何か見えたら嫌だから。
用のない時は、部屋にこもって、本を読んでたし」
それを聞いて、デュラン王子が、
「何か見えたらって、何が?」
と聞いてきた。
「え、もしかして、言ってなかったの…?」
イーリンさんに驚いて聞く。
イーリンさんがうなずいた。
「もし家族に言って、家族に嫌がられたら、もう立ち直れないと思ったから…」
なるほど。
言葉の真意が目に見えるだなんて伝えるのは、不安よね…。
特に身近な人ほど。
その瞬間、嫌だとか思われたら、またその気が見えるかもしれないわけだしね。
「でも、デュラン王子なら言っても大丈夫。そんなことで嫌がるような人じゃないし、神経の太さは、巨大だから! 知りあってから、まだ短いけど、それは、よーくわかったわ」
と、太鼓判を押す。
デュラン王子が、フフッと笑って、
「それは、喜んでいいのかな? でも、ぼくのことを、そんな風に信用してくれて、うれしいよ。アディー」
甘い雰囲気をふりまく。うん、通常通り。
「ほら、イーリンさんの深刻な雰囲気にも動じてないでしょ! やはり、メンタルがすごいわね。まあ、あのユーリと張り合うくらいだものね」
と、私が言うと、イーリンさがクスクスと笑った。
「ほんとに、アデルちゃんと話してると、気持ちが軽くなる。自分の悩んできたことが、たいしたことないんだな、と思え始めてくる」
そう言うと、にっこりと微笑んだ。
そして、デュラン王子のほうをむいた。
「私ね、数年前くらいから、突然、魔力で、人がしゃべった言葉の真意が、見えるようになってしまったの。デュラン兄様みたいに、見ようと思って見る魔力ではなく、嫌でも見えてしまうの。
だから、できるだけ見ないように、いつも下をむいてた。いろんなものが見えて怖いから。瞳の色のこともあったけど、それだけじゃなかったの。家族にも言えなかった。そんなこと言われたら、みんな、嫌でしょ?」
デュラン王子は、黙って聞いていたが、
「イーリン。本当にごめん。そんな魔力が、でてるなんて、想像もしてなかった。瞳のことで葛藤をかかえて、悩んでるんだろうけれど、それを超えるのは自分しかないから、見守ろうと思ってた。それだけじゃなかったんだね。
魔力のことを抱えて相談することもできず、つらかったね。そんなに長く、一人きりで悩ませてごめん…」
と、頭をさげた。
そして、
「正直、驚いたけど、嫌だなんて全然思わない。他の家族も、絶対に同じだと思うよ。
まあ、ランディは、うらやましがるかもしれないけどね」
そう言うと、優しく微笑んだ。
「今、デュラン王子の言葉に何か見える?」
と私が聞くと、イーリンさんは、首を横にふった。
「いえ、何も見えない。でも、やさしい気が感じられるわ」
と、微笑むイーリンさん。
すっかり力がぬけ、ほっとしたような笑顔に、見ている私もほっとする。
そこで、デュラン王子が、
「じゃあ、さっき晩餐会で、イーリンが様子がおかしくなったのは、その魔力の影響だったのか?
あの時、イーリンの近くにいたのは、ランディに次期公爵。…あ、それに、ジェフアーソン家の令嬢たちが、寄って来てた時だったよね?」
と、探るような鋭い目になった。
イーリンさんは、うなずいた。
「ええ、まあ。…デュラン兄様には言いにくいんだけれど…」
「なんで、ぼくには言いにくいの? 大丈夫だから言って」
と、デュラン王子がすぐさま言う。
「ジェフアーソン家のミラの言葉から感じるものが怖くて、震えてたの。小さい時から、彼女は私につっかかってきてたんだけど、この魔力がでてからは、その言葉に見えるものがすごく怖くて…。いまだに慣れないの」
「…そうだったのか…。それで、なんで、そのことが、ぼくに言いにくいの?」
と、デュラン王子が聞く。
「だって、ミラは、デュラン兄様の婚約者候補の筆頭でしょ。ミラは一人娘だから、デュラン兄様が、ジェフアーソン家に婿入りして、筆頭公爵家をつぐだろうって噂になってるから」
「はあ?!」
デュラン王子が、冷えきった一言を発した。
言葉の真意が見えなくても、その一言にこめられた真意は、私にも手に取るようにわかるわ…。
デュラン王子の放つ気配におびえるように、
「だって、ミラもそう言ってたし…」
と、イーリンさんがつぶやく。
「安心して、イーリン。あの令嬢と結婚するくらいなら、あの筆頭公爵家は即座につぶすから。
今は、好き勝手してるのを、まだ泳がせてるけど、うしろぐらい証拠は相当押さえてあるしね。長年、俺の妹を苦しめてきたんなら、その分もしっかり返さないとね」
と、デュラン王子は、美しい笑みを浮かべた。
あ、魔王降臨。
ほんとに、ユーリと同類だと、しみじみ思うわね…。
「デュラン王子、リッカさんの本を、イーリンさんにすすめてなかったんですね?!
本を読む身近な人がいるのに、すすめてないなんて、ファンとして怠慢ですよ!」
と、鼻息あらく言ってしまった。
デュラン王子は、一瞬、ポカンとして、
「え、イーリンって、本を読むの?」
と、つぶやいた。
えーっ?! そこから?!
イーリンさんも、困ったような顔を、私のほうにむけて、言った。
「ここ数年、家族ともあまり話していなかったの。下を向いていないと、何か見えたら嫌だから。
用のない時は、部屋にこもって、本を読んでたし」
それを聞いて、デュラン王子が、
「何か見えたらって、何が?」
と聞いてきた。
「え、もしかして、言ってなかったの…?」
イーリンさんに驚いて聞く。
イーリンさんがうなずいた。
「もし家族に言って、家族に嫌がられたら、もう立ち直れないと思ったから…」
なるほど。
言葉の真意が目に見えるだなんて伝えるのは、不安よね…。
特に身近な人ほど。
その瞬間、嫌だとか思われたら、またその気が見えるかもしれないわけだしね。
「でも、デュラン王子なら言っても大丈夫。そんなことで嫌がるような人じゃないし、神経の太さは、巨大だから! 知りあってから、まだ短いけど、それは、よーくわかったわ」
と、太鼓判を押す。
デュラン王子が、フフッと笑って、
「それは、喜んでいいのかな? でも、ぼくのことを、そんな風に信用してくれて、うれしいよ。アディー」
甘い雰囲気をふりまく。うん、通常通り。
「ほら、イーリンさんの深刻な雰囲気にも動じてないでしょ! やはり、メンタルがすごいわね。まあ、あのユーリと張り合うくらいだものね」
と、私が言うと、イーリンさがクスクスと笑った。
「ほんとに、アデルちゃんと話してると、気持ちが軽くなる。自分の悩んできたことが、たいしたことないんだな、と思え始めてくる」
そう言うと、にっこりと微笑んだ。
そして、デュラン王子のほうをむいた。
「私ね、数年前くらいから、突然、魔力で、人がしゃべった言葉の真意が、見えるようになってしまったの。デュラン兄様みたいに、見ようと思って見る魔力ではなく、嫌でも見えてしまうの。
だから、できるだけ見ないように、いつも下をむいてた。いろんなものが見えて怖いから。瞳の色のこともあったけど、それだけじゃなかったの。家族にも言えなかった。そんなこと言われたら、みんな、嫌でしょ?」
デュラン王子は、黙って聞いていたが、
「イーリン。本当にごめん。そんな魔力が、でてるなんて、想像もしてなかった。瞳のことで葛藤をかかえて、悩んでるんだろうけれど、それを超えるのは自分しかないから、見守ろうと思ってた。それだけじゃなかったんだね。
魔力のことを抱えて相談することもできず、つらかったね。そんなに長く、一人きりで悩ませてごめん…」
と、頭をさげた。
そして、
「正直、驚いたけど、嫌だなんて全然思わない。他の家族も、絶対に同じだと思うよ。
まあ、ランディは、うらやましがるかもしれないけどね」
そう言うと、優しく微笑んだ。
「今、デュラン王子の言葉に何か見える?」
と私が聞くと、イーリンさんは、首を横にふった。
「いえ、何も見えない。でも、やさしい気が感じられるわ」
と、微笑むイーリンさん。
すっかり力がぬけ、ほっとしたような笑顔に、見ている私もほっとする。
そこで、デュラン王子が、
「じゃあ、さっき晩餐会で、イーリンが様子がおかしくなったのは、その魔力の影響だったのか?
あの時、イーリンの近くにいたのは、ランディに次期公爵。…あ、それに、ジェフアーソン家の令嬢たちが、寄って来てた時だったよね?」
と、探るような鋭い目になった。
イーリンさんは、うなずいた。
「ええ、まあ。…デュラン兄様には言いにくいんだけれど…」
「なんで、ぼくには言いにくいの? 大丈夫だから言って」
と、デュラン王子がすぐさま言う。
「ジェフアーソン家のミラの言葉から感じるものが怖くて、震えてたの。小さい時から、彼女は私につっかかってきてたんだけど、この魔力がでてからは、その言葉に見えるものがすごく怖くて…。いまだに慣れないの」
「…そうだったのか…。それで、なんで、そのことが、ぼくに言いにくいの?」
と、デュラン王子が聞く。
「だって、ミラは、デュラン兄様の婚約者候補の筆頭でしょ。ミラは一人娘だから、デュラン兄様が、ジェフアーソン家に婿入りして、筆頭公爵家をつぐだろうって噂になってるから」
「はあ?!」
デュラン王子が、冷えきった一言を発した。
言葉の真意が見えなくても、その一言にこめられた真意は、私にも手に取るようにわかるわ…。
デュラン王子の放つ気配におびえるように、
「だって、ミラもそう言ってたし…」
と、イーリンさんがつぶやく。
「安心して、イーリン。あの令嬢と結婚するくらいなら、あの筆頭公爵家は即座につぶすから。
今は、好き勝手してるのを、まだ泳がせてるけど、うしろぐらい証拠は相当押さえてあるしね。長年、俺の妹を苦しめてきたんなら、その分もしっかり返さないとね」
と、デュラン王子は、美しい笑みを浮かべた。
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ほんとに、ユーリと同類だと、しみじみ思うわね…。
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