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摩訶不思議
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その時、
「ここですよ。ユーリさん」
と、入口で声がしたと思ったら、ユーリが入ってきた。
えっ?
今、だれかが、「ユーリさん」って名前呼びしたわよね?
この国で、ユーリを名前で呼ぶ人っていたかしら?
と、思って見たら、ええええっ?!
ランディ王子?!
しかも、なんか、ユーリに付き従ってる感じじゃない?
ユーリが、
「案内、ありがと、ランディ」
と言うと、ランディ王子が、嬉しそうに微笑んだ。
垂れた耳と、ブンブン振ってるしっぽが見える気がするんですけど…。
デュラン王子も、目を見開いて驚いている。
一体、何が起きたの?!
が、ユーリは、私たちの驚いた様子を、気にとめることもなく、
「はあー、つかれた! アデルと離れただけでも嫌なのに、あんな女としゃべらないといけないだなんて、すごい拷問なんだけど。ねえ、アデル。がんばったぼくを、あとで癒してね?」
と、気だるげに髪をかきあげた。
うん、色々、聞きたいことが満載ね…。
まずは、簡単なことから、確認しとこう。
「その女性って、さっきの筆頭公爵家の令嬢のことよね?」
ユーリが、
「そう。そこの王子の婚約者なんだってね? 趣味が悪すぎて、びっくりしたけど、祝福するよ。結婚おめでとう。これを機に、アデルのことは、きっぱり忘れてね?
それにしても、あの女、性格悪くて、口は軽すぎ。いくつか情報をひろっといたから、そこの王女に、二度と近寄らないよう脅すこともできるけど? ご祝儀がわりにどう?」
と、挑戦的な笑みを浮かべ、デュラン王子に言い放った。
よほど、いらだっているのか、ユーリの気が荒いわね…。
普段はもう少し隠すのに、腹黒大魔王全開の話しっぷりになってるわ。
イーリンさんが、やっと見せてくれた目を大きく見開いて、固まっている。
おびえてる様子はないけれど、あっけにとられてるわね。まあ、当然か。
変なものが見えてなければいいんだけれど…。
ごめんね、一応、あれが私の婚約者です。
今、魔王感をすごく放出してるけれど、素は、あんな感じです…。
しかし、ユーリが、ジャケットをぬぐと、ランディ王子が素早くうけとっているのは、何故かしら?
もしや、ユーリの執事になったのかしら?
何から聞いていいのかわからない、摩訶不思議な現象だわ。
そこで、デュラン王子が、
「イーリンを退出させるため、あの令嬢の気をひいてもらったみたいで、すまなかった。礼を言う」
そう言って、軽くユーリに頭を下げた。
が、さっと頭をあげると、
「だが、あの女は、婚約者ではない。もちろん、アデルのことも忘れることはない」
と、デュラン王子は、ユーリをまっすぐ見据えて、言いきった。
ユーリも鋭い目で、睨み返す。
まさに、魔王 対 魔王。 一体、どうなる?!
が、そこで、デュラン王子が、ランディ王子のほうをむいた。
「それと、ランディ。さっきから、何をしてるんだ?」
と、デュラン王子が、ランディ王子に聞いた。
そうそう、それ、一番、聞きたかった!
すると、ランディ王子は、
「俺、ユーリさんの弟子にしてもらったんだ! ユーリさんは、ものすごい魔力を持ってるんだ」
と、憧れの目をユーリに向けた。
ええ、知ってる…。
そして、ランディ王子、あまりに簡単に、ユーリにとりこまれすぎでは?!
ほら、デュラン王子が驚愕した目で、見てるわ。
それは、そうよね…。
だって、3年もあんな状態だったのに、一瞬にして、ユーリにとりこまれるなんてね…。
安堵するより、複雑な心境よね…。
それにしても、ユーリ、仕事がえらく早いわね。一体、何を見せたら、こうなるのかしら?
怖いような気もするけれど、後で聞いてみよう。
まあ、とりあえず、ランディ王子のことは、ユーリに任せて大丈夫ってことよね?
「ここですよ。ユーリさん」
と、入口で声がしたと思ったら、ユーリが入ってきた。
えっ?
今、だれかが、「ユーリさん」って名前呼びしたわよね?
この国で、ユーリを名前で呼ぶ人っていたかしら?
と、思って見たら、ええええっ?!
ランディ王子?!
しかも、なんか、ユーリに付き従ってる感じじゃない?
ユーリが、
「案内、ありがと、ランディ」
と言うと、ランディ王子が、嬉しそうに微笑んだ。
垂れた耳と、ブンブン振ってるしっぽが見える気がするんですけど…。
デュラン王子も、目を見開いて驚いている。
一体、何が起きたの?!
が、ユーリは、私たちの驚いた様子を、気にとめることもなく、
「はあー、つかれた! アデルと離れただけでも嫌なのに、あんな女としゃべらないといけないだなんて、すごい拷問なんだけど。ねえ、アデル。がんばったぼくを、あとで癒してね?」
と、気だるげに髪をかきあげた。
うん、色々、聞きたいことが満載ね…。
まずは、簡単なことから、確認しとこう。
「その女性って、さっきの筆頭公爵家の令嬢のことよね?」
ユーリが、
「そう。そこの王子の婚約者なんだってね? 趣味が悪すぎて、びっくりしたけど、祝福するよ。結婚おめでとう。これを機に、アデルのことは、きっぱり忘れてね?
それにしても、あの女、性格悪くて、口は軽すぎ。いくつか情報をひろっといたから、そこの王女に、二度と近寄らないよう脅すこともできるけど? ご祝儀がわりにどう?」
と、挑戦的な笑みを浮かべ、デュラン王子に言い放った。
よほど、いらだっているのか、ユーリの気が荒いわね…。
普段はもう少し隠すのに、腹黒大魔王全開の話しっぷりになってるわ。
イーリンさんが、やっと見せてくれた目を大きく見開いて、固まっている。
おびえてる様子はないけれど、あっけにとられてるわね。まあ、当然か。
変なものが見えてなければいいんだけれど…。
ごめんね、一応、あれが私の婚約者です。
今、魔王感をすごく放出してるけれど、素は、あんな感じです…。
しかし、ユーリが、ジャケットをぬぐと、ランディ王子が素早くうけとっているのは、何故かしら?
もしや、ユーリの執事になったのかしら?
何から聞いていいのかわからない、摩訶不思議な現象だわ。
そこで、デュラン王子が、
「イーリンを退出させるため、あの令嬢の気をひいてもらったみたいで、すまなかった。礼を言う」
そう言って、軽くユーリに頭を下げた。
が、さっと頭をあげると、
「だが、あの女は、婚約者ではない。もちろん、アデルのことも忘れることはない」
と、デュラン王子は、ユーリをまっすぐ見据えて、言いきった。
ユーリも鋭い目で、睨み返す。
まさに、魔王 対 魔王。 一体、どうなる?!
が、そこで、デュラン王子が、ランディ王子のほうをむいた。
「それと、ランディ。さっきから、何をしてるんだ?」
と、デュラン王子が、ランディ王子に聞いた。
そうそう、それ、一番、聞きたかった!
すると、ランディ王子は、
「俺、ユーリさんの弟子にしてもらったんだ! ユーリさんは、ものすごい魔力を持ってるんだ」
と、憧れの目をユーリに向けた。
ええ、知ってる…。
そして、ランディ王子、あまりに簡単に、ユーリにとりこまれすぎでは?!
ほら、デュラン王子が驚愕した目で、見てるわ。
それは、そうよね…。
だって、3年もあんな状態だったのに、一瞬にして、ユーリにとりこまれるなんてね…。
安堵するより、複雑な心境よね…。
それにしても、ユーリ、仕事がえらく早いわね。一体、何を見せたら、こうなるのかしら?
怖いような気もするけれど、後で聞いてみよう。
まあ、とりあえず、ランディ王子のことは、ユーリに任せて大丈夫ってことよね?
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