(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?

水無月あん

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報告

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ということで、私たち兄妹の前に、優雅に座っておられるルイス殿下。

いつもとかわらず、美しいお顔は無表情。
だけど、心なしか、うっすらと、わずかに微笑んでいるように見えなくもない。

「ルイス、今日は、どうしたんだ? なんかご機嫌のようだが」

ええ?! ご機嫌って?! 

この心なしか、うっすらと、わずかに微笑んでるように、見えなくもない程度の状態が、ご機嫌?!

どんだけ、表情筋が動かないのかしら?!

が、さすが、幼馴染で親友のマーク兄様。
このわずかな表情を見分けられるなんて、すごいわ!!

「報告があってきた」
と、ルイス殿下が言った。

あ、親友のマーク兄様にも口数は少ないんだね。

「今日から、こちらと同じ公爵となった。よろしく」

「「…」」

一瞬、部屋が静寂につつまれた。

が、その直後、
「はああ?! いきなりすぎて、意味がわからん。なにがどうなって、そうなるんだ?! ルイス、おまえ王子だろ?!」
マーク兄様が、椅子から立ちあがって叫んだ。

ルイス殿下は、通常通り、無表情のままだ。

そして、
「本日、王命によって、第二王子を返上し、ロバートソン公爵家の養子となり、そして、本日づけで、そのままロバートソン公爵を引き継いだ。ゆえに、ルイス・ロバートソン公爵となった」
と、非常に淡々と、無表情のまま説明した。

「王子を返上して、公爵?! ルイスは、それでいいのかっ?!」
マーク兄様が、絶叫している。

無表情のルイス殿下との温度差が激しい…。

「ああ。俺が望んだことだ」
冷静に答えるルイス殿下。

「ローラ嬢のことでか?」
と、マーク兄様が聞いた。

「ローラ嬢?」
と、ルイス殿下が問い返す。

あれ? マーク兄様、あの女性の名前、間違えてるんじゃない?

私はだまっていられず、つい口をはさんだ。
「婚約解消を私に告げた時、一緒におられた、ピンク色の髪をした女性のことです」

ルイス殿下は、無表情のまま、言い放った。
「…ああ。あの女、ローラ嬢っていうのか」

「はああ?!」
思わず、私も貴族令嬢とは思えない声量で叫んでしまった。

が、仕方ないよね。
だって、おかしいでしょ。なんなの、この人?!

「好きな女性なのに、名前も知らないんですか?!」
と、他人事ながら、イライラしながら聞いてしまう。

「好きではないからな」
と、即答。

「…」

思いもかけない答えが返ってきて、私の思考はとまってしまった。


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