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番外編
私の悩み 8
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「とはいえ、本当の優しさって、じゃあ見せてって言って、見せてもらえるような簡単なものじゃないよね…。嘘の優しさとか、表面だけの優しさとか、まあ、優しくないものが多いから。あ、ぼくもそういうのは得意中の得意だよ。優しく見せかけて脅すとか、もう特技といえるかな」
そう言って、自慢げに微笑んだ。
フィリップよ…。それは特技なのか…?
確かに、ものすごく得意だろうことは、わかりすぎるほどわかる…。
だが、そんな自慢げに人に言うことじゃないぞ…。
せめて、隠せ!
「はあ…」
フィリップの言葉の真意がつかめない宝石だらけの令嬢はとまどったように、相槌を打った。
「あ、でもね、ルイスは例外。そこにいるだけで、真の優しさがあふれでてるんだよね! 泉みたいに…。何故だかわかる?」
「…え? …いえ」
質問の意味すらわかってなさそうな顔で答える宝石だらけの令嬢。
が、この件に関しては、令嬢は正しい。
フィリップの質問がおかしすぎるからな…。
そんな令嬢に畳みかけるように、フィリップは嬉々として話を続ける。
「答えはね、ルイスの存在自体が、愛とか、優しさとか、崇高さとか、素晴らしいものばかりでできあがってるからだよ! ね、すごいでしょ?! …フフ」
そう言って、思い出し笑いをするフィリップ。
フィリップ…、一体何を言ってるんだ…。
わが息子ながら、気持ち悪い…。
若干、鳥肌がたったじゃないか…。
さすがに、ルイス本人が聞いたら、ちっとも優しくない状況になるだろう。
木の実のような令嬢なんか、もはや、木の実どころか、昔から庭に立っている木のように、完全に無になっている。
見ないし、聞かないし、もちろん、しゃべらない。
この短い間に、木の実のような令嬢は、みるみる賢明になっていく。
極度の危険が、眠っていた知性を呼びさまさせたんだろうか?
ということは、この見合いも無駄じゃなかったってことか…。
良かった…。
木の実のような令嬢よ。今後、我が息子に関わることなく、幸せになってくれ。
が、それよりも、いまだ目の前の危機に気づいていない宝石だらけの令嬢だ。
心配すぎる…。
「ということで、仕方がないから、わかりやすい方法を試させてもらいます。モーラ!」
フィリップが、テーブルのそばで控えていたモーラを呼ぶ。
「はい、王太子様!」
「例のあれ、持って来て!」
「承知いたしました!」
例のあれ…って、なんだ…?
不安がよぎる…。
が、それよりも今は、あの指示で理解できる、モーラも気になる…。
きびきびと何かを取りに行ったモーラの後ろ姿を見ながら、ダンに尋ねた。
「なあ、ダン。モーラはフィリップの弟子か何かなのか…?」
「いえ、メイド長です」
「そうだよな…。で、メイド長は、フィリップの弟子を兼ねているのか…?」
「いえ、メイド長はメイド長です」
「そうだよな…。じゃあ、メイド長の仕事は、フィリップの弟子みたいな仕事をするのか…?」
「いえ、メイド長は、メイドたちを統括する仕事です」
「そうだよな…。なら、モーラは何をしてるんだ…?」
「王太子様の弟子のような仕事をしているかと…」
「そうだよな…。じゃあ、やっぱり、モーラはフィリップの弟子なのか…」
「いえ、メイド長です」
あまりに思考が疲れてきたのか、ダンとの会話がすっかり迷路に入ってしまった。
※ 不定期な更新のなか、読んでくださった方、本当にありがとうございます!!
お気に入り登録、エール、ご感想もありがとうございます!
励みにさせていただいています!
そう言って、自慢げに微笑んだ。
フィリップよ…。それは特技なのか…?
確かに、ものすごく得意だろうことは、わかりすぎるほどわかる…。
だが、そんな自慢げに人に言うことじゃないぞ…。
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フィリップの言葉の真意がつかめない宝石だらけの令嬢はとまどったように、相槌を打った。
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「…え? …いえ」
質問の意味すらわかってなさそうな顔で答える宝石だらけの令嬢。
が、この件に関しては、令嬢は正しい。
フィリップの質問がおかしすぎるからな…。
そんな令嬢に畳みかけるように、フィリップは嬉々として話を続ける。
「答えはね、ルイスの存在自体が、愛とか、優しさとか、崇高さとか、素晴らしいものばかりでできあがってるからだよ! ね、すごいでしょ?! …フフ」
そう言って、思い出し笑いをするフィリップ。
フィリップ…、一体何を言ってるんだ…。
わが息子ながら、気持ち悪い…。
若干、鳥肌がたったじゃないか…。
さすがに、ルイス本人が聞いたら、ちっとも優しくない状況になるだろう。
木の実のような令嬢なんか、もはや、木の実どころか、昔から庭に立っている木のように、完全に無になっている。
見ないし、聞かないし、もちろん、しゃべらない。
この短い間に、木の実のような令嬢は、みるみる賢明になっていく。
極度の危険が、眠っていた知性を呼びさまさせたんだろうか?
ということは、この見合いも無駄じゃなかったってことか…。
良かった…。
木の実のような令嬢よ。今後、我が息子に関わることなく、幸せになってくれ。
が、それよりも、いまだ目の前の危機に気づいていない宝石だらけの令嬢だ。
心配すぎる…。
「ということで、仕方がないから、わかりやすい方法を試させてもらいます。モーラ!」
フィリップが、テーブルのそばで控えていたモーラを呼ぶ。
「はい、王太子様!」
「例のあれ、持って来て!」
「承知いたしました!」
例のあれ…って、なんだ…?
不安がよぎる…。
が、それよりも今は、あの指示で理解できる、モーラも気になる…。
きびきびと何かを取りに行ったモーラの後ろ姿を見ながら、ダンに尋ねた。
「なあ、ダン。モーラはフィリップの弟子か何かなのか…?」
「いえ、メイド長です」
「そうだよな…。で、メイド長は、フィリップの弟子を兼ねているのか…?」
「いえ、メイド長はメイド長です」
「そうだよな…。じゃあ、メイド長の仕事は、フィリップの弟子みたいな仕事をするのか…?」
「いえ、メイド長は、メイドたちを統括する仕事です」
「そうだよな…。なら、モーラは何をしてるんだ…?」
「王太子様の弟子のような仕事をしているかと…」
「そうだよな…。じゃあ、やっぱり、モーラはフィリップの弟子なのか…」
「いえ、メイド長です」
あまりに思考が疲れてきたのか、ダンとの会話がすっかり迷路に入ってしまった。
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