(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?

水無月あん

文字の大きさ
114 / 127
番外編

辺境で 4 (マーク視点)

しおりを挟む
※ 更新がとても遅くなってしまい、すみません……!! 
今回はアリスの兄、マーク視点となります。どうぞよろしくお願いします。


王妃様、いや、今回は辺境伯様としてか……、いや、そんなことは、どっちでもいい。
とにかく、アリス一人をあんな遠いところまで招くなんて、どういうつもりなんだ!?

いくら辺境伯様ご自慢の騎士を護衛につけられようが、まだまだ子どものアリスに一人でなんて、到底行かせられない。
が、信じられないことに、母上はアリスが行きたいならと一人で辺境に行くことを認めてしまった。

それなら、当然、俺も同行すると言ったら、母上に止められた。
父上も止められていた。

そう、公爵家内での絶対的な決定権は、母上にある。
正直、母上に逆らうと、後が面倒だ……。
が、今回は、アリスが心配すぎて、俺もひけない。

ということで、母上に止められようが、こっそり後を追って辺境に行くつもりで、こっそり計画を練っていた。
が、アリスが辺境へ行く日に、俺と父上、ふたり揃って領地に行かないといけなくなった。

その領地は遠く、辺境からは真逆の方向だ。

「領地へは父上だけで行ってくれ。俺はアリスについていく」

「いや、おまえが領地へ行け。私がアリスについていく」

どうやら、俺と同じことを企んでいたらしい父上。が、ここは絶対に譲れない。

「領地の仕事は、そもそも、公爵である父上の仕事だろう? 俺は付き添いだから、行かなくてもいいじゃないか」

「いや、修行のためにも、今回は、マーク、おまえひとりで行ってこい」

「修行なら、この前したから、もう大丈夫だ。今回は俺は遠慮する」

「何を言っている、マーク。たったあれだけで、修行が終わるわけがないだろう!?」

父上の執務室で言い争っていると、ドアがバーンとあいた。

母上が冷たいまなざしで俺たちを見ている……。

普段はノックもなしにドアをあけるなんて絶対にしない母上。
それだけで、かなり怒っていることが伝わってきて、俺も父上も瞬時に口を閉じた。

「アリスには、アリス付きの侍女メアリーに同行してもらいます。辺境伯様からは、お城への道中だけでなく、滞在中も、護衛として、アリスに女性騎士をつけてくださると、改めてご連絡をいただきました。つまり、アリスに過保護なだけで、邪魔になるだけのあなたたちの付き添いは無用ということよね。そういうことですので、アリスのことはご心配なく。
それに、今回は、二人そろって領地に行くと連絡をしてありますから、何があろうが二人で行ってきてください。断れませんからね」

母上のおさえた声が、やけに怖い……。
なるほど。今回、急に決まった俺たちの領地行きは、母上の差し金だったのか……。

こうなったら、さすがに俺がアリスに付きそうことはできない。

どうするか……。
あ、そうか! いい方法がある!

俺同様にアリスを心配し、なにより、辺境伯様の城に強力なコネがあるやつがいるじゃないか!
そう、親友のルイスだ。

今回のお茶会に、アリスの婚約者であるはずのルイスは呼ばれていないようだ。

不器用すぎるルイス。
アリスへの重すぎる思いは、今現在、菓子作りに全力で注ぎこまれていて、めきめきと腕をあげている。
が、残念なことに、アリス本人には、まるで伝わっていない。

ルイスが不憫になって、俺が口出しするのも良くないと思いつつ、アリスとルイスとの婚約は、ルイスたっての希望だったんだぞ、と、伝えてみたこともあった。
が、アリスはまるで信じず、王命で決まった政略結婚だと信じ込んでいる。

そんな感じで、アリスとルイスの心の距離がやけに遠いままだということを、辺境伯様も察しておられるんだろう。
アリスをおびきよせるためなのか、招待状に「ルイスは来ないから気楽に遊びに来てほしい」と、しっかり書かれてあったしな。

つまり、今回の招待を、辺境伯様からルイスは全く聞かされていないのは間違いない。
が、俺もルイスに伝えるな、などとは口止めされていない。

ということで、俺は、すぐにルイスに会いに王宮へ向かった。




※ 更新がすっかり遅くなりまして、すみません……。
なんと、前回が去年の10月。まさか、こんなに月日がたっていたとは、と、自分でも驚いております(-_-;)

間があきすぎて、話も忘れて読みづらいかと思います。申し訳ありません……。

そんななか、読んでくださった方、エール、いいねをくださったかたがた、本当にありがとうございます!
今回の「辺境で」の章は、いろんな人の視点から書いていくつもりです。
どうぞよろしくお願いします!
しおりを挟む
感想 251

あなたにおすすめの小説

私たちの離婚幸福論

桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。 しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。 彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。 信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。 だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。 それは救済か、あるいは—— 真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。

初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました

山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。 だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。 なろうにも投稿しています。

婚約者のいる運命の番はやめた方が良いですよね?!

水鈴みき(みすずみき)
恋愛
結婚に恋焦がれる凡庸な伯爵令嬢のメアリーは、古来より伝わる『運命の番』に出会ってしまった!けれど彼にはすでに婚約者がいて、メアリーとは到底釣り合わない高貴な身の上の人だった。『運命の番』なんてすでに御伽噺にしか存在しない世界線。抗えない魅力を感じつつも、すっぱりきっぱり諦めた方が良いですよね!? ※他サイトにも投稿しています※タグ追加あり

大好きな彼の婚約者の座を譲るため、ワガママを言って嫌われようと思います。

airria
恋愛
「私、アマンド様と愛し合っているの。レイリア、本当にごめんなさい。罪深いことだとわかってる。でも、レイリアは彼を愛していないでしょう?どうかお願い。婚約者の座を私に譲ってほしいの」 親友のメイベルから涙ながらにそう告げられて、私が一番最初に思ったのは、「ああ、やっぱり」。 婚約者のアマンド様とは、ここ1年ほど余所余所しい関係が続いていたから。 2人が想い合っているのなら、お邪魔虫になんてなりたくない。 心が別の人にあるのなら、結婚なんてしたくない。 そんなわけで、穏便に婚約解消してもらうために、我儘になってナチュラルに嫌われようと思います! でも本当は… これは、彼の仕事の邪魔にならないように、自分を抑えてきたヒロインが、我儘に振る舞ううちに溺愛されてしまう物語。

婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました

日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。 だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。 もしかして、婚約破棄⁉

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました

Blue
恋愛
 幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。

魔女見習いの義妹が、私の婚約者に魅了の魔法をかけてしまいました。

星空 金平糖
恋愛
「……お姉様、ごめんなさい。間違えて……ジル様に魅了の魔法をかけてしまいました」 涙を流す魔女見習いの義妹─ミラ。 だけど私は知っている。ミラは私の婚約者のことが好きだから、わざと魅了の魔法をかけたのだと。 それからというものジルはミラに夢中になり、私には見向きもしない。 「愛しているよ、ミラ。君だけだ。君だけを永遠に愛すると誓うよ」 「ジル様、本当に?魅了の魔法を掛けられたからそんなことを言っているのではない?」 「違うよ、ミラ。例え魅了の魔法が解けたとしても君を愛することを誓うよ」 毎日、毎日飽きもせずに愛を囁き、むつみ合う2人。それでも私は耐えていた。魅了の魔法は2年すればいずれ解ける。その日まで、絶対に愛する人を諦めたくない。 必死に耐え続けて、2年。 魅了の魔法がついに解けた。やっと苦痛から解放される。そう安堵したのも束の間、涙を流すミラを抱きしめたジルに「すまない。本当にミラのことが好きになってしまったんだ」と告げられる。 「ごめんなさい、お姉様。本当にごめんなさい」 涙を流すミラ。しかしその瞳には隠しきれない愉悦が滲んでいた──……。

処理中です...