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42. 全ての見え方が変わった日
しおりを挟む朱鷺子先生から連絡があったのは、前日のことだった。
――「静香さん、明日、一つお願いしたいことがあるの。あなたじゃなければ難しいのよ。芹沢夫妻だけではとても……」
芹沢グループの重要な海外取引先――フランスのロシュフォール一族のご夫妻が来日し、日本文化を体験したいと申し出があったという。
迎えの場は、東京の格式ある料亭。本来であれば礼司さんがホストとして出席するはずだったが、急遽外せない仕事が入り、芹沢家側からは両親が代わりに出ることになったらしい。
礼司さんは私に負担を掛けまいと、きっと何も知らせず黙っているだろう。
『……それでね、あなたにも出てほしいの。若奥様として。それにそろそろ……きちんと典久さん達と向き合うべき時よ』
朱鷺子先生の声には、やわらかな余白と、密やかな圧が込められていた。
私は一瞬迷った。けれど、すぐに頷く。逃げてはいけない。私はもう、ただ守られる存在ではいられない。
そして翌日――
和やかだったはずの空気が、少しずつ冷えていくのを感じていた。
ここは都内の名料亭――落ち着いた佇まいと、磨き抜かれた床、繊細な懐石料理が並ぶ、芹沢グループ主催の晩餐の場。
招かれているのは、ヨーロッパ有数の名家、ロシュフォールグループの夫妻。
日本文化とビジネスをつなぐ、重要な非公式交流の席だった。
けれどその空気が、今はピンと張り詰めている。
『失礼ですが……少々、回りくどく聞こえるのは私だけでしょうか?』
ロシュフォール夫人が優雅な微笑みを浮かべながらも、通訳を介してはっきりとそう言った瞬間、場の空気がすっと固まった。
「申し訳ありません。ご説明が、少々遠回しだったかもしれませんが……」
麗子さんが取り繕うように微笑むが、相手の表情はまるで変わらない。
「『調和』とは、私達日本人にとって非常に重要な価値観でして……」
典久さんも続けようとするが、どこか言葉が浮いているように感じられる。
『日本では遠慮が美徳と聞いていましたが……私達はもう少し、率直な対話を好みます』
通訳が言葉を選んで訳すが、夫人の言葉の端々には、確かに苛立ちが混じっている。
「それが……その……遠慮というのはいかにも日本的でして、伝統と……ええ、そう、何よりも『控えめな調和』が大切なのですの。ですから……」
「文化の違いというものは……難しいですな」
典久さんは見慣れたあの無表情で、やや緊張気味に応対している。
麗子さんはにこやかに微笑んではいたが、その口調にはどこか、上から目線のようなものが混ざっていた。
『難しいというのは、フランス人には理解が出来ないという意味かしら?』
正面の席に座る典久さんと、麗子さんが言葉に詰まる。
無理もない。文化の違いに、通訳を挟んだ会話。しかも、語学に堪能な礼司さんはこの場にいない。
礼司さんがここにいないのは、ロシュフォールグループとは別の海外企業との大型契約が、先方の都合で今日午前にしか調整出来ないという理由。
その企業との窓口が礼司さんだった為、代役を立てるわけにもいかず、晩餐会には「必ず途中で合流する」と約束していた。
(……このままじゃ、まずい)
私はここに来てからずっと、典久さんや麗子さんに言われるがまま、黙って座っていた。
そもそもこの場に出ることすら、昨日朱鷺子先生から声を掛けられたばかり。
礼司さんは私に負担を掛けまいとして、何とか契約締結を早く終わらせてから来るという。
ロシュフォール夫妻は以前から朱鷺子先生とも懇意にしているらしく、晩餐会の場には典久さんと麗子さんだけでなく、是非私にも同席するよう声を掛けてくださったのだ。
――「静香さん。夫妻は私にとって、とても大切な友人なの。だからあなたに任せたいのよ。礼司さんが不在の分も……ね」
いつものように美しく上品な笑みを浮かべた朱鷺子先生の言葉が、鮮明に胸に残っていた。
パチン、と隣に座る朱鷺子先生が、そっと扇を畳んだ音がした。
それが、まるで「出番よ」と囁かれたような気がして、私は静かに膝の上の手を握り締めた。
(私が出ていいの? でも……今、この空気をそのままにしておくわけにはいかない)
私はゆっくりと立ち上がり、深く一礼した。
「もしよろしければ……少しだけ、補足をさせていただけますか?」
ロシュフォール夫人が、こちらを見つめる。夫人が通訳に言葉を囁く瞬間さえ、息が詰まった。
『あなたは?』
「副社長、芹沢礼司の妻でございます」
ざわめきが起こった。
麗子さんの目が見開かれ、典久氏は明らかに動揺を隠せていない。
けれど、もう後には引けない。私はまっすぐに夫人を見て、夫妻の母国語であるフランス語で語りかけた。
『この度は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。先ほどの調和という言葉についてですが……』
夫人は目を見開いて尋ねた。
『フランス語を話せるの?』
『はい。少しだけですが』
そう答え、私は静かに話し始める。日本の『察する文化』と、『本音と建前』の背景。
そして、礼儀の中に込められた『敬意』の意味。
夫人は、黙って聞いていた。その瞳の奥に、じわりと興味の光が戻ってくるのを、私は確かに見た。
『けれど今日この場において、私達は『察する』よりも、『伝える』努力をすべきでした。それを怠ってしまったこと、心からお詫び申し上げます』
深く頭を下げたあと、私は静かに顔を上げた。
『私達は、この縁を本当に大切に思っています。文化の違いを超えて、心と心が通う関係を築けることを、心から願っております』
通訳を介して会場中に私の言葉の意味が伝わると、静かな拍手が起こった。夫人がゆっくりと笑みを浮かべる。
『夫人、あなたの言葉はとても素敵でしたわ。まさに、日本の美しい精神そのもの』
私は、ふっと息を吐いた。ホッとして、膝から崩れ落ちてしまいそうになるのを堪える。
その時だった。会場の扉が、音もなく開いた。
スーツ姿の礼司さんが、静かに扉を潜って現れる。その姿に、場の空気がもう一度変わった。
「本日は、大切なお席に遅れてしまい、大変失礼いたしました。芹沢グループ副社長の芹沢礼司と申します。妻がこの場を務めてくれたこと、そして皆様が温かく迎えてくださったことに、深く感謝申し上げます」
彼は、短く一礼すると、私の隣へと歩み寄ってくる。ロシュフォール夫人が、目を細めて微笑む。
「素晴らしいご夫妻ね。ご主人も、奥様も」
その言葉を受けて、礼司さんは私の手をそっと取った。声は小さく、でも確かに届くように囁かれる。
「……ありがとう。お前がいてくれて、本当に助かった」
私は小さく首を横に振った。するとその会話を見届けていた朱鷺子先生が、ゆっくりと席を立った。
「皆さま、今夜のこの席に同席できたことを、私は心から誇りに思っております。静香さんは今日ここで、ご自身の言葉で場を整え、相手に敬意を尽くしました。それは一朝一夕でできることではありません」
その声に、場の空気が一瞬で静まった。朱鷺子先生――その名と存在は、この場にいる誰にとっても『ただの賓客』ではなかった。
一言で空気を支配できるほどの品格と影響力を、誰もが無意識に感じ取っている。
「私はこれまで多くの『奥様』方を見てまいりましたが、これほど静かに、そして確かに場を動かす力を持つ女性は、そう多くはございません」
そこで朱鷺子先生は、微笑みながら静香と礼司をゆっくりと見やる。
「芹沢家の未来を担うのは、私にとってこの二人以外に考えられません。これからの芹沢を――いえ、これからの日本を動かすのは、こうした静かな品格と誠実さだと、私は信じています」
その言葉を受けて、会場に一瞬、深い静寂が訪れた。
けれど次の瞬間、ロシュフォール夫妻がまず拍手を送る。それに続いて周囲の関係者達も一人、また一人と音を重ねた。
その音が、まるで『引き継ぎの拍手』のように胸に響いた。
(……まさかこんな形で、正式に『次の世代』として認められる日が来るなんて)
私は戸惑いと感謝の間で震える指先を、そっと礼司さんの手に重ねた。彼は強くは握らない。けれど、絶対に離さないとでも言うように、静かに包んでくれていた。
そして――。
「……まさか、あなたがね」
ワイングラスをゆっくりと置きながら、麗子さんがぽつりと呟いた。その口調はいつも通り皮肉混じりだったが、そこにいつもの『見下し』はなかった。
「最初に会った時は、『おどおどして、芹沢には相応しくない』と思っていたの。それがまさか、言葉で場を制するなんて芸当ができるとは……」
彼女は微笑んだまま、グラスの中身を見つめる。
「静かに刺すタイプなのね。うちの子、そういうのに弱いから」
私は思わず息をのむが、麗子さんは悪戯っぽく目元だけで笑う。
「まあ……あれだけのことをやって見せたのなら、少しくらいは見直してあげてもいいかしら。『お母様』と呼ばせてもいいくらいには」
その言葉に、隣の典久さんがふうと短く息を吐いた。
「……全く。よくもまあ、ここまで『我の強い女』ばかり、うちに集まるもんだな」
「あら、誰のことかしら? 私? それとも静香さん?」
「どちらも、だ」
典久さんはようやく視線を上げ、私に向き直る。
「君の事は正直なところ、『お飾りの嫁でいい』と思っていた。野々宮の名前だけを冠した嫁、うちの空気にはとても合わないってな」
ぎゅっと、締め付けられるような胸の痛みを、典久さんの強い眼差しから耐えることで収めた。
「野々宮佳子に対しての、恨みつらみのようなものもあった。かつては私も若かったからな。こっぴどく振られたことにプライドが傷付けられた」
「父さん」
礼司さんが短く言葉を制するのを、典久さんは「分かってる」と言わんばかりに苦笑いを浮かべて頷く。
麗子さんは母の名前を聞いて一瞬顔を強張らせたが、やがて黙って聞く姿勢に戻った。
「だが、今夜の君を見て……考えを改めざるを得ない。私は子どもだった。かつての失恋の痛みを娘である君にぶつけ、言う事を全く聞かない礼司への苛立ちまで君に背負わせた」
少し口を歪めて笑ったあと、典久さんは礼司さんへと視線を移す。
「はじめはすぐに逃げ出すと思っていた……まあ、俺の目が節穴だったということだ。そりゃあそうだ、息子まで『懐柔』してみせたんだからな」
「というよりは……手綱を持ってくれる人が必要だったのよ。昔からこの子は暴走型だったから」
麗子さんが笑う。それを聞いた典久さんが、あからさまにむっとする。
「暴走? あれは主導権を取ってるだけだ。礼司は昔から……」
「ええええ、分かってるわよ。あなたの大事な『後継者』でしょう? 耳にタコが出来ているわよ」
初めて目にする典久さんと麗子さんの軽口に、私は戸惑いながらもふと頬が緩んだ。
「……似ていらっしゃるんですね」
そう言うと麗子さんが一瞬目を丸くして、それから小さく笑った。
「そう? 私達似てる?」
「はい……素直じゃなくて、ちょっと意地っ張りなところとか」
典久さんが、鼻を鳴らして言った。
「ふん。自覚があるだけ、まだ見込みがあるってことか」
そう言った彼の声には、もう棘はなかった。そして、二人の応酬を聞いていた礼司さんが、ふと苦笑まじりに口を開く。
「……ずっと、興味がないのかと思ってた。俺の選択にも、進む道にも。ただ黙って、勝手にやらせてるだけだと」
その声に、麗子さんがふっと目を細める。
「興味がないですって? あなたが『報告』というものをまともにしてこなかったからでしょ? いつもいつも事後報告で」
「報告したところで、どうせ反対されるだけだと思ってた」
「それはあなたが、反対されるようなことばかりしてたからよ」
そこで典久さんが低く、一言呟いた。
「……俺なりに見ていた。口を出すタイミングを失っただけだ」
「え?」
思わず聞き返した礼司さんに、典久さんは少しだけ視線を逸らす。
「自分で選んだ道を歩くと決めたお前に、いまさら何かを言うのは無粋だろう。それも、つまらん親父のプライドってもんだ。だが、それでも見ていた。お前が後継者に相応しくなっていくのを」
「……父さん。まさかそんな風に思っていたとは……」
「静香さんのことも、お前の決断に本気で反対していたなら、野々宮の名に屈したりせず反対した。あれこれ言い訳しながらも受け入れたのは……そういうことだ」
静香という名が出たとき、麗子さんも小さく頷いた。
「今日この場だって、朱鷺子様に頼まれたとはいえ……最終的に出席を認めたのは、私達よ」
礼司さんは、静かに目を伏せた。
「……そうか。知らなかった。ずっと、俺は一人だと思ってた」
そう言う彼の声は、どこかあたたかく滲んでいた。
会が散会し、外の空気に出た時――礼司さんが、少しだけ私の手を引いた。
人目を避けるように、料亭の石畳の先、小さな中庭の片隅へと歩み寄る。月明かりが、枝の影を美しく揺らしていた。
「麗子さん……お母様の本音を聞けて本当にホッとしました」
ついさっき、これまでの誤解がすっかり解けた私は心が晴れやかに澄み渡っている。
――白華の集に招待された時、着物に針が仕込んであったのを麗子さんは知らなかった。
あれは何度か着物を仕立てに行った礼司さんに憧れを抱いたスタッフが、私に良くない思いを抱いて仕込んだものだと分かった。
「すぐに電話をしてくださって……あんなに怒ってくださった。呉服店には申し訳ないけれど、とても嬉しかったです」
「……首筋の傷を見た時は、正直震えたよ。静香に何かあったらって思ったら、頭が真っ白になった。だから余計に……今日母さんがすぐ動いてくれたのは、ちょっと驚いた」
礼司さんは遠くを見つめるようにして、思いを馳せている。
「ちょっと激しいけど、その奥には優しい心がある人なんですね」
「……そもそも不器用過ぎるだろ。あの人も。いや、静香に嫁いびりしようと思ってたのは本心だったんだから、もっと怒ってもいいぞ」
礼司さんは呆れたように言う。だけど私は、麗子さんの真意を聞いて本当に嬉しかった。
あの着物は麗子さんなりに『若い嫁に似合うものを』と選んでくださったものだった。別に他意はなかった。
確かにちょっと意地悪な発言をしたりしたのは、わざとだったようだけど。
「少しくらい、嫁いびりしたっていいじゃないですか。だって私は、お母様から礼司さんを奪ってしまったんだから」
「お前は優し過ぎる。けど……今日の静香は、本当に見惚れるほどだった。言葉の選び方も、佇まいも、全部」
ふと、礼司さんは私の頬に手を添える。
「でも一番胸に残ったのは、人を立てながらも自分を貫いたことだ」
その言葉に、私の胸がふわりとほどけていく。
「……朱鷺子先生のおかげです。先生が、あの場に私を呼んでくれなければ……」
「違う。呼ばれても、その場に立てる人間は、そういない」
そう言って、礼司さんはそっと私を抱き寄せる。
「君を『俺の妻だ』と胸を張って言えることが、今は何よりも誇らしい」
私は、そっとその胸に額を預けた。冷たい夜気のなかに、確かなぬくもりがあった。
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