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190:捕らわれたセレスティア
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「はぁ!」
セレスティアも襲ってきた触手に切りつけ、注意を引き付けていた。
(どんだけ、この触手はでてくるのよ!)
セレスティアは心の中で悪態をついていた。触手の攻撃は単調ではあったが、何せ数が多かったので、うっとおしかった。そんなことを思っていたせいで隙ができてしまったのか、セレスティアの片足がヒルダの触手に絡まれてしまった。
「しまった!!」
「「セレスティア!!」」
セレスティアは片足を触手に捕られそのまま頭上高く持ち上げられてしまった。セレスティアは、あわてて剣で切りつけようとしたが、動きが読まれていたせいで剣を持っていた腕も触手で絡まれてしまい、剣を落としてしまったのだ。バランスを崩してしまったセレスティアは他にも首などに触手に絡まれ、体が宙に浮いた状態で真っ逆さまの体制になっていた。
「うぅっ!」
セレスティアは逆さまになった体制ながらも必死で触手をはがすべくもがいていた。
「お前ラぁああ、動くとぉ、コノ女の息の根を・・・止めて・・・やるぅうウウウ!」
ヒルダは捕まえたセレスティアを人質に、ユージィンとハインツに抵抗するなと警告した。
「!!てめぇ!」
詠唱に集中していたカイエルであったが番であるセレスティアの危機に気が付いて、詠唱をやめ助けに向かうとしたが、
「カイエル、だめじゃ!今お主が抜けてしまったら、やり直しになってしまうのじゃ!」
アンティルはカイエルを引き留めた。
「何言ってやがる、そんなもんセレスティアに比べたらどうでもいい!」
カイエルは迷うことなく、セレスティアを助けに行こうとしたが、その時セレスティアの声がした。
「だ、だめ!カイエル来ないで!!」
セレスティアもカイエルが自分を助けに来ようとしていることに気が付いて、カイエルを制止した。
「!!」
「え、詠唱を続けないと、怒るわよ!」
「な・・・!」
カイエルはセレスティアの言葉にショックを受けたが、よくよくセレスティアの目をみれば、セレスティアの言っている意味がわかったのだ。
「セレスティア・・・わかったよ。」
カイエルは詠唱を続けるべく、輪の中に戻った。
(セレスティアの目は自分を信じろ、あの眼差しはそう伝えていた。俺が・・・番の俺が信じなくてどうする!)
カイエルは後ろ髪をかなり惹かれる思いではあったが、ひとまずはセレスティアの言う通り、詠唱を続けた。
「あ、アタシノ邪魔ヲ・・・するナァアああああ!」
ヒルダは、セレスティアを触手で頭上に掲げたまま、ユージィンとハインツに向かって、幾多の触手と共に襲い掛かった。その時、ヒルダの頭上では、セレスティアはやっとの思いで太ももに装備していた短剣を抜いた。そしてソレを触手に刺したとたん眩い光を放っていた。
「ぐギァアアアアアああああ!!」
ヒルダはその光に耐えきれず、セレスティアを放してしまった。
セレスティアは落とされたが、見事な着地をしていた。
(やっぱり!!)セレスティアは自分の見解が間違っていないことを実感した。
「なるほど、そういうことか!」
ユージィンには何が起こったのかわかったようで、笑みがこぼれていた。
「え?どういう意味なんですか?」
ハインツには今何が起こったのかさっぱりわからなかった。
「魔力だよ。」
「魔力?」
「セレスティアは短剣に魔力を込めたんだ。だが、それだけだったら何ともなかったけど、持っていたアイテムが功をなしたんだろう。」
「あ!!」
ハインツは意味がやっとわかった。
「魔法剣!セレスティアが魔法剣の短剣に魔力を流し込んだんですね!」
「そういうことだ。ヒルダは現在闇に飲まれ、闇属性だ。単純なことに聖なる力には弱いからね。少しくらいなら耐性はあったろうが、セレスティアは竜精を受け入れたことで、魔力が高まっていた。それをもろにヒルダは短剣から光属性の魔力を直接流し込まれたから、ダメージをくらったんだろう。ただ、本来なら傷つけないのが前提だから、今の場合は脱出するためには多少は仕方ないだろうね。」
ハインツは頷いていた。ユージィンのいう通りでヒルダに傷を負わすことを躊躇しないのであれば、手間取らない。むしろ倒していいのなら、早々に決着をつけられるのだ。実際はそういう訳にはいかず、傷付けるわけにいかないので、難航しているのだ。
そしてセレスティアはユージィン達の元に来た。
「叔父・・・さま、ハインツ、ごめんなさい。」
セレスティアは悔しかった、自分が足手まといになったことに。
「気にしなくていいよ。結局自分でリカバリーしたんだからさ」
ハインツも一瞬は驚いたものの、結局セレスティアは自力で脱出してきたから、謝られることではないと思っていた。
「まぁ傷一つ付けずが、理想ではあるけど、今の場合は仕方ないよ。気にしないでいい。それに・・・」
ユージィンは『竜の祖』たちを見て確信した。
「鬼ごっこはもう終わりだからね。」
『竜の祖』達の頭上には、完成された魔法陣が出来上がっていた。
セレスティアも襲ってきた触手に切りつけ、注意を引き付けていた。
(どんだけ、この触手はでてくるのよ!)
セレスティアは心の中で悪態をついていた。触手の攻撃は単調ではあったが、何せ数が多かったので、うっとおしかった。そんなことを思っていたせいで隙ができてしまったのか、セレスティアの片足がヒルダの触手に絡まれてしまった。
「しまった!!」
「「セレスティア!!」」
セレスティアは片足を触手に捕られそのまま頭上高く持ち上げられてしまった。セレスティアは、あわてて剣で切りつけようとしたが、動きが読まれていたせいで剣を持っていた腕も触手で絡まれてしまい、剣を落としてしまったのだ。バランスを崩してしまったセレスティアは他にも首などに触手に絡まれ、体が宙に浮いた状態で真っ逆さまの体制になっていた。
「うぅっ!」
セレスティアは逆さまになった体制ながらも必死で触手をはがすべくもがいていた。
「お前ラぁああ、動くとぉ、コノ女の息の根を・・・止めて・・・やるぅうウウウ!」
ヒルダは捕まえたセレスティアを人質に、ユージィンとハインツに抵抗するなと警告した。
「!!てめぇ!」
詠唱に集中していたカイエルであったが番であるセレスティアの危機に気が付いて、詠唱をやめ助けに向かうとしたが、
「カイエル、だめじゃ!今お主が抜けてしまったら、やり直しになってしまうのじゃ!」
アンティルはカイエルを引き留めた。
「何言ってやがる、そんなもんセレスティアに比べたらどうでもいい!」
カイエルは迷うことなく、セレスティアを助けに行こうとしたが、その時セレスティアの声がした。
「だ、だめ!カイエル来ないで!!」
セレスティアもカイエルが自分を助けに来ようとしていることに気が付いて、カイエルを制止した。
「!!」
「え、詠唱を続けないと、怒るわよ!」
「な・・・!」
カイエルはセレスティアの言葉にショックを受けたが、よくよくセレスティアの目をみれば、セレスティアの言っている意味がわかったのだ。
「セレスティア・・・わかったよ。」
カイエルは詠唱を続けるべく、輪の中に戻った。
(セレスティアの目は自分を信じろ、あの眼差しはそう伝えていた。俺が・・・番の俺が信じなくてどうする!)
カイエルは後ろ髪をかなり惹かれる思いではあったが、ひとまずはセレスティアの言う通り、詠唱を続けた。
「あ、アタシノ邪魔ヲ・・・するナァアああああ!」
ヒルダは、セレスティアを触手で頭上に掲げたまま、ユージィンとハインツに向かって、幾多の触手と共に襲い掛かった。その時、ヒルダの頭上では、セレスティアはやっとの思いで太ももに装備していた短剣を抜いた。そしてソレを触手に刺したとたん眩い光を放っていた。
「ぐギァアアアアアああああ!!」
ヒルダはその光に耐えきれず、セレスティアを放してしまった。
セレスティアは落とされたが、見事な着地をしていた。
(やっぱり!!)セレスティアは自分の見解が間違っていないことを実感した。
「なるほど、そういうことか!」
ユージィンには何が起こったのかわかったようで、笑みがこぼれていた。
「え?どういう意味なんですか?」
ハインツには今何が起こったのかさっぱりわからなかった。
「魔力だよ。」
「魔力?」
「セレスティアは短剣に魔力を込めたんだ。だが、それだけだったら何ともなかったけど、持っていたアイテムが功をなしたんだろう。」
「あ!!」
ハインツは意味がやっとわかった。
「魔法剣!セレスティアが魔法剣の短剣に魔力を流し込んだんですね!」
「そういうことだ。ヒルダは現在闇に飲まれ、闇属性だ。単純なことに聖なる力には弱いからね。少しくらいなら耐性はあったろうが、セレスティアは竜精を受け入れたことで、魔力が高まっていた。それをもろにヒルダは短剣から光属性の魔力を直接流し込まれたから、ダメージをくらったんだろう。ただ、本来なら傷つけないのが前提だから、今の場合は脱出するためには多少は仕方ないだろうね。」
ハインツは頷いていた。ユージィンのいう通りでヒルダに傷を負わすことを躊躇しないのであれば、手間取らない。むしろ倒していいのなら、早々に決着をつけられるのだ。実際はそういう訳にはいかず、傷付けるわけにいかないので、難航しているのだ。
そしてセレスティアはユージィン達の元に来た。
「叔父・・・さま、ハインツ、ごめんなさい。」
セレスティアは悔しかった、自分が足手まといになったことに。
「気にしなくていいよ。結局自分でリカバリーしたんだからさ」
ハインツも一瞬は驚いたものの、結局セレスティアは自力で脱出してきたから、謝られることではないと思っていた。
「まぁ傷一つ付けずが、理想ではあるけど、今の場合は仕方ないよ。気にしないでいい。それに・・・」
ユージィンは『竜の祖』たちを見て確信した。
「鬼ごっこはもう終わりだからね。」
『竜の祖』達の頭上には、完成された魔法陣が出来上がっていた。
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