異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第2章 村の仲間と恋の予感

第12話「タマゴとチーズと、小さな市場」

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「卵、今日も一個産んでたよー!」

 ひなのの声が朝の牧場に響いた。
 手にはまだあたたかい卵。小さいけれど、殻はしっかりしている。

「ポコ、モモ、ありがとうね~!」

 にわとり小屋では、ポコとモモがご機嫌に鳴いていた。
 ごほうびのトウモロコシ粉をあげると、うれしそうに突っつく。

「これで、パンに卵が使えるね」

「栄養もふわふわ感もアップするな……」

 はるとが頷く。異世界に来て以来、朝ごはんの質が日に日に向上している。

「そして、次は……チーズだよ」

 そう言ったのはリンネだった。

「ミルクを加熱して、酢っぽい果汁で分離させて、型に詰めて……ほら、固まってきた」

 鍋の中に、白くてやわらかいかたまりができていた。

「すごい! 本当にチーズっぽい!」

「でしょ? 私、意外とこういう作業得意なんだ」

 誇らしげに胸を張るリンネ。獣耳がぴょこぴょこと揺れている。
 彼女の種族は“フォルア族”といって、嗅覚や味覚に優れた特性があるらしい。

「だから料理の味もよくわかるのか……」

「まあね! リンネ印のチーズ、いずれ商品化も視野に入れて……」

「ちょっと気が早い!」

 けれど、本当に売れるかもしれない。
 朝採れ卵、ナナちゃんミルク、焼きたてパン、そしてチーズ。

 ──それだけあれば、村の小さな市場でも十分に勝負になる。



「出店場所はここだって」

 はるとたちは、村の中央広場に設けられた**“青空マーケット”**に来ていた。
 定期開催されており、地元の農家や職人たちが自作の商品を持ち寄る簡易市場だ。

「テントの貸し出しは村の会館でやってる。使用料は後払いでOKって」

「結構しっかりしてるんだね……」

「うん。この辺の農業組合的な人が、村を盛り上げるために始めたらしいよ」

 はるとたちは、青い布の屋台テントを設置し、そこにパンとチーズと卵を並べた。
 ひなのが黒板に「今日のおすすめ」を書いている。

「……できた! “ほのぼの牧場朝市セット・3G”!」

「名前に“ほのぼの”入れたのか……」

「だって、うちの牧場のテーマでしょ?」

 その言葉に、はるとも笑う。そうだ。ここは“がんばりすぎない”牧場なのだ。



 市場が始まると、思った以上に人が集まり始めた。
 特にパンとチーズの組み合わせが好評で、どんどん売れていく。

「これ、子どもも食べやすい味だねぇ」

「このチーズ、香りがやさしいわ」

「リンネちゃんが作ったの!? 料理うまいのねぇ~」

「えっ、そ、そうかな!? もっと褒めて!?(やった!)」

 リンネが調子に乗り始める一方で、ひなのは別の注目を集めていた。

「そのエプロン、手作り?」

「うん。布も村で買って、自分で縫いました」

「すごいわね。細かい刺繍もかわいいわ!」

「よかったら、注文も受けます……って、あれ? わたし、いつの間に“販売意欲”出てる?」

 ひなの自身もびっくりしながら、手帳に注文メモを取っていく。
 その姿を見ながら、はるとはそっと空を見上げた。

「……こんな日が来るなんてな」

 誰にも知られず、ただの歯車として働いていた日々。
 今、目の前にあるのは――小さな牧場と、笑い合う家族。

「大切にしなきゃな、この時間」



 夕方、出店を終えて戻った3人は、収支報告を見て目を見張った。

「今日の売上……なんと、27G!!」

「うおおおっ、初日にしては大成功じゃん!」

「えっ、じゃあこれで調味料とか、お菓子の材料も買えるね!?」

「いやそれより……まずはニワトリ用の餌じゃないか……」

「現実的ぃ!」

 笑いながら、今日一日のがんばりを分け合う。
 青空の下の小さな市場。
 それが、3人にとって新しい“未来の一歩”になった。


---

【イベント完了:青空マーケットデビュー】
・出店売上:27G獲得!
・リンネのスキル「発酵/料理Lv2」開放
・ひなののスキル「裁縫Lv1」開放
・出店評価+20/村人親密度アップ

【次の目標:牧場を拡張しよう!】


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