異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第2章 村の仲間と恋の予感

第17話「収穫祭と、花冠の約束」

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 朝の空気が、少しだけ特別に感じられる。

 村の広場はすでに大にぎわいだった。
 カラフルな旗が風に揺れ、パンの香ばしい匂いや焼き芋の甘い匂いが漂っている。
 年に一度の秋の収穫祭が、ついに始まったのだ。

「にぎやかだなあ……こんな村のお祭り、初めてかも」

 はるとは、手に持った木箱をぎゅっと抱え直す。
 中には、牧場の自信作――黄金さつまいもが入っている。

「ほら、しっかり持って。落としたら一大事だよ!」

 ひなのが心配そうに見上げる。
 隣では、リンネが花のリースを手にしていた。

「飾り、これで完璧。牧場ブース、かわいく仕上がったよ!」

「さすが装飾班!」


---

 午前中は屋台の営業が中心だった。
 ひなのとマリィが販売する「くるみジャムパン」は大人気で、行列ができていた。

「おいしいー!」

「おねえちゃん、追加まだー!?」

「は、はいっ、今焼いてますっ!」

「マリィちゃん、看板娘すぎる……!」

 一方で、リンネはチーズやハーブ入りのパンを提供し、地元の料理人に「店出したら?」と声をかけられていた。

「えへへ、ちょっと考えておきます~」

 その様子を、はるとは少し離れたところから見つめていた。

 ──あの頃、毎日が灰色だった。
 心も体もボロボロで、どこかへ消えたくて。

 だけど今、笑顔の隣にいられる。

「……ここが、俺の居場所なんだな」


---

 そして、午後のメインイベント「野菜コンテスト」が始まる。

 審査台には各農家の代表作物がずらりと並ぶ。
 村長代理マリアと、数名の年配者が審査員を務めている。

「こちらは……『ほのぼの牧場』からの出品、“黄金さつまいも”ですね」

 会場がざわめく。

「すごいツヤ……」

「自然な香りがいいわ」

「これは……上位狙えるぞ」

 結果発表は夕方。
 それまでの間、村の中央では“花冠の儀”が行われていた。


---

「花冠、誰に贈るか決めた?」

 リンネが、手元で小さな花を組みながらたずねる。

「いや、そういうの、照れくさいじゃん」

「ふーん……」

 その言い方に、どこか拗ねたような響きがあって、はるとは慌てて言い直す。

「ちょっと考えてる。ちゃんと。……だって、贈られたら嬉しいって、前に言ってたろ?」

「……覚えてたんだ」

 リンネは、ふと笑う。

「じゃあ、わたしも考えておこうかな。贈る相手、ちゃんと」

 そのやりとりのすぐあと、司会者の声が響いた。

「それでは、202回目となる“花冠の儀式”、スタートです! 大切な人へ、感謝と気持ちを込めて贈りましょう!」


---

 子どもたちが親に、仲間たちが仲間に、花冠を贈る中――
 はるとは、少しだけ遠くに立つリンネの背中を見つめていた。

(俺は、伝えるべきだよな。ちゃんと)

 そして、一歩を踏み出す。

「リンネ」

「ん?」

 彼は、手にした花冠を、そっと彼女の頭にのせた。

「いつもありがとう。君がいてくれて、本当によかった」

「……え……」

 リンネの目が、ぱちくりと瞬いたあと、うるんだ。

「うそ、わたし、てっきりひなのちゃんに贈ると思ってたのに……」

「ひなのには明日も明後日も言えるけど、君には今日、ちゃんと伝えたいって思ったから」

「……ばか。うれしすぎて、どうしていいかわかんないじゃん」

 そう言って笑ったリンネは、ポーチから花冠を取り出して、はるとの頭にもそっとのせた。

「おそろい、ね」

「うん。最高の収穫祭になったな」


---

 そして夕方、コンテストの結果発表が行われる。

「第2位、ほのぼの牧場さんの“黄金さつまいも”です!」

「やったああああああああああ!!」

 ひなのとマリィが飛び跳ねる。
 はるとはリンネと目を合わせ、笑い合った。

「来年は……1位狙うか?」

「もちろん!」


---

【イベント完了:収穫祭・野菜コンテスト】
・“黄金さつまいも”第2位入賞!報酬:金貨20G+農具支援券
・花冠の儀:リンネとの絆が深まりました
・「ほのぼの牧場」村の認知度アップ!

【次の目標:冬の準備と新しい来訪者】


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