異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第2章 村の仲間と恋の予感

第18話「冬支度と、雪の予兆」

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 収穫祭が終わった翌日。
 村全体に、ほんのりとした祭りの余韻が残っていた。

「ふわぁ……昨日のパン売りすぎて、腕がまだ痛い……」

 ひなのが朝からぐでっとテーブルに突っ伏している。
 その向かいでは、リンネが「祭り疲れセット」と書かれたハーブティーを淹れていた。

「はい、これ。肩の疲れに効くらしいよ」

「リンネさんってほんとに女子力高い……!」

 一方、はるとは畑の様子を見に、朝の牧場を一周していた。

 ――空気が、少しずつ冷たくなってきている。
 草の匂いにも、どこか冬の気配が混ざっていた。

「……そろそろ冬支度、始めなきゃだな」


---

 午前中は、牧場の冬準備に費やされた。

・ビニール屋根の修復
・家畜の寝床に藁を追加
・薪の整理と、囲炉裏の点検
・水道管の凍結防止処置

「ねぇお兄ちゃん。冬って、こっちの世界も雪が降るの?」

「どうなんだろうな。ゲームじゃ大雪だったけど……」

「現実はちょっと違うかもね。私たちも備えとかなきゃ」

 その言葉の直後、空からひとひらの白いものがふわりと落ちてきた。

「……雪?」

「うそ、初雪……!」

 ひなのが手を伸ばす。
 掌に触れる前に、淡雪は溶けて消えた。

 まだ本格的な冬ではないけれど、季節が確かに移ろっているのを、みんなが感じていた。


---

 昼過ぎ。

 はるとが村の掲示板で見つけたのは、見慣れない貼り紙だった。

> 【お知らせ】
山の上の“銀の修道院”より、客人が村へと降りてきます。
受け入れ体制の整った牧場主、もしくは宿泊提供可能者は申し出てください。



「……銀の修道院って?」

 近くにいたマリアさんが教えてくれた。

「少し離れた山にある、古い建物よ。今は世捨て人や研究者、薬師なんかが静かに暮らしてるの。珍しく、そこの若いお嬢さんが“村に降りてきたい”って言い出したのよ」

「へぇ……ちょっと気になるな」

「ちょうど牧場も空き部屋があるんじゃない? 一度相談してみて」


---

 その夜、家族会議が開かれた。

「お客さん? 泊まりに?」

「うん、銀の修道院から。なんでも若い子みたいで……」

「女の子なら、私が部屋整えるよ!」

「おぉ……ひなのがやる気出してる」

「うるさい! おもてなしって大事なんだから!」

 リンネも「にぎやかになるのは嬉しいかも」と乗り気だった。
 こうして、はるとは「牧場に受け入れ可能です」と村に申し出ることに。


---

 数日後。

 はるとは山道を登り、小さな木造の門をくぐった。
 そこに立っていたのは、銀髪で無表情な少女だった。

「……あなたが、牧場の人?」

「あ、はい。はるとです。あなたは……?」

「私はセレス。薬師見習い。……よろしく」

 少女の声は淡々としていて、目も口元もほとんど動かない。
 けれど、その手には色とりどりのハーブ束が握られていて、風にふわりと香った。

「――寒くなる前に、村で必要な薬を作りたいの」

 それが、彼女の“訪問”の理由だった。


---

【イベント発生:銀の修道院の来訪者】
・新キャラ「セレス」が登場!
・薬草/調合系イベントルート解放
・冬編スタート準備完了!

【次の目標:セレスの歓迎と、冬のはじまり】


---
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