異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第2章 村の仲間と恋の予感

第19話「銀の薬師と、歓迎のスープ」

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 冷たい風が吹き抜ける午後。
 セレスが、木のキャリーを引いて牧場にやってきた。

「ここが……牧場、ね」

 銀髪に、淡い灰色の瞳。
 細身の体に分厚いマントをまとい、まるで冬の精霊のようだった。

 玄関を開けたひなのが、ぱっと笑顔で迎えた。

「こんにちは! お名前、セレスさんで合ってるよね? お部屋、もう用意できてるよ!」

「ありがとう。おじゃまします」

 セレスは深く頭を下げた。
 その所作は丁寧だけれど、どこかぎこちない。


---

 用意された部屋に案内し、荷物を置いたあと、居間に案内すると、
 テーブルの上に湯気の立つスープが並べられていた。

「ひなの特製、“おかえりスープ”だよ。食べてあったまって!」

「……わたしに?」

 セレスが一瞬、まばたきする。

「うん! 村までの道、大変だったでしょ? それに、寒いから……」

 セレスはしばらく黙ったあと、静かに席についた。

「……いただきます」

 スプーンをすくって口に運ぶ。
 とたんに、彼女の肩の力がすっと抜けた。

「……おいしい」

「よかった……!」

 隣で見ていたひなのの表情がほっと緩んだ。


---

 そのあとも、リンネが部屋の棚を整理し、はるとが畑の様子を案内し、
 牧場の暮らしについて簡単に説明する。

「朝は少し早いけど、無理しない範囲で動いてくれれば大丈夫だよ」

「……ありがとう」

 セレスは相変わらず無表情だけれど、言葉の端々に“ちゃんと伝えよう”とする気持ちがあった。


---

 夜。

 ひなのがスープのおかわりを温めながら、ぽつりと言った。

「セレスさん、なんだか……昔のわたしみたい」

「昔の?」

「うん。人と話すの、ちょっと怖いっていうか。ちゃんと話そうと思ってるのに、うまくできないときがあって……」

「……それ、セレスにも伝えてあげたら?」

 リンネがそっと言う。

「わたしも前に、はるとに『無理に話さなくていいよ』って言われたとき、救われたから」

「……うん、今度、勇気出して言ってみる」


---

 その夜遅く、牧場の納屋でセレスは一人、ハーブ束を並べていた。
 手にしていたのは、手帳。ページにはびっしりと調合のメモが書かれている。

「……この村に、必要なものを作る。
 わたしが“ここにいていい”って、証明するために」

 小さな決意の声が、静かな夜に溶けていった。


---

【イベント進行:セレス来訪/冬のはじまり】
・セレスが牧場に滞在開始!
・ひなのの「共感」イベント解放
・セレスの調合スキル解禁(薬草/防寒アイテム)
・“冬の章”が本格スタートします!

【次の目標:冬に備えた準備と、新たな交流】


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