異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第6章 国境を越えて

第54話「謎の密使、襲来」

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王都郊外――薄霧に包まれた夜の森。悠翔、リンネ、リオ、そして学院使者のカインは“黒鉄交易連盟”の隠れ倉庫へと続く獣道を進んでいた。

カインが小声で告げる。「この先の開けた場所に、密使の集会所があるはずです。学院の偵察班が確認したところ、今夜は荷の積み替えが行われるとの報告が」

「つまり“影の魔石”が動くタイミングってわけね」リンネが弓を握り直す。

悠翔は荷袋の中の希望の種サンプルを確認し、深呼吸した。「ここで正体を掴めれば、王都を蝕む闇を断てる」


---

数本の松明が揺れる広場――木箱がうず高く積まれ、黒ずくめの商会員たちが黙々と荷を運んでいる。彼らのそばには面紗を被った小柄な人物が立ち、低い声で指示を出していた。

「面紗の密使……」リオが歯を食いしばる。

悠翔は土の気配を読み取り、箱の中の魔石のうなりを感じ取る。「近くに“影の波動”を増幅する装置がある。あいつが扱っているはずだ」

作戦は単純。リンネが遠距離から密使を狙撃し、悠翔とリオが突出して攪乱。カインは後方支援として学院の封印符を展開する。

合図とともに、リンネの矢が闇を裂いた。矢は密使の面紗をかすめ、布を裂く――が、直後、密使は霧のように姿を掻き消した。

「幻影……!?」

代わりに現れたのは、黒い獣のように変質した商会員たち。魔石の瘴気に侵された彼らは、人を超える跳躍で襲いかかる。

悠翔が地を蹴り、植物の根を呼び出して敵を絡め取る。「リオ、今だ!」

リオの剣が閃き、獣化した男を切り伏せる。だが切り口はすぐに黒泥で塞がり、再生しようと蠢く。

「タフすぎる……!」

リンネは矢を魔石の箱へ放ち、箱を爆ぜさせる。散らばる魔石が不規則に共鳴し、獣たちは苦悶の声を上げた。

そのどさくさの中、面紗の密使が再び姿を現す。今度は悠翔の背後――

「お前が癒し手か……不要だ」

囁きと同時に、密使の掌から黒い刃が伸びる。悠翔が咄嗟に根の盾で受け止めるが、衝撃で弾き飛ばされた。

「ぐっ……!カイン、封印符を!」

カインが詠唱し、光の鎖が密使を狙う。だが密使は霧のように分裂し鎖を避ける。すぐさまリンネの矢が軌道を読んで貫いた――今度は命中。

面紗がはらりと落ちる。現れた顔は少女のように幼く、瞳は空洞の黒。

「子ども……?」

その瞬間、少女の口から黒い瘴気が噴き出し、広場全体が闇に包まれた。

> 【緊急システム:闇瘴気濃度上昇】 ・30 秒以内に退避、または浄化手段を使用せよ



悠翔が叫ぶ。「カイン、封印符を全解放!」

光の鎖が一斉に輝き、瘴気を押し返す。リンネとリオが商会員を押さえる中、悠翔は地面から芽吹かせた蔓で少女を拘束した。

「ひなのの光……今ここに!」

悠翔は薬瓶を取り出し、希望の種の抽出液を少女の胸に押し当てる。眩い光が広がり、瘴気が霧散。少女の瞳に微かに色が戻った。

「……たすけ……て……」

少女が倒れ、闇が消えると同時に、商会員たちは我に返るように崩れ落ちた。


---

戦闘後、学院の救護班が到着。少女は保護され、商会員たちは拘束された。

カインが深く息を吐き、悠翔たちに頭を下げる。「あなた方のおかげで甚大な被害を防げました。ですが……黒鉄交易連盟の背後には、まだ大きな影があるはずです」

悠翔は倒れた少女を見つめた。「彼女も被害者だ。必ず助ける」


---

その夜、牧場ではひなのが薬草の芽を摘みながら、遠い空を見上げていた。胸騒ぎが静かに脈打つ。

「お兄ちゃん……無事でいて……」

風が温室の葉を揺らし、月光が優しく照らし出した。


---

【イベント完了:謎の密使、襲来】 ・面紗の密使=闇に操られた少女を確保 ・黒鉄交易連盟の不正証拠を押収 ・新状態「瘴気過剰」を確認→要対策

【次の目標】 ・少女の浄化と情報聴取 ・黒鉄交易連盟の本部へ潜入せよ!
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