異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第8章 世界を揺らす黒雲

第73話「最初の異変と、動き出す村」

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避難所計画が本格的に始まってから三日。村人たちは交代で牧場に通い、建材を運び、納屋の改築を手伝っていた。
納屋の2階は寝具が並べられ、地下には干し肉や根菜、保存食を詰めた樽が積まれている。
子どもたちの間では、悠翔が用意した“魔法で温まる毛布”がちょっとした話題になっていた。

「おにいちゃん、これ、ふわふわして、あったか~い!」

「よかったな、ひなの。みんなの分もあるから、冬が来ても安心だぞ」

そんな和やかな空気が広がる中──異変は、突然やってきた。

昼過ぎ、村の南にある畑で、不自然に枯れた野菜が見つかった。地面は黒く染み、かすかに腐ったような匂いが漂う。

「これは……」

悠翔は、手袋越しに土を掘ってみた。すると、中から“黒い根”のようなものが絡まっていた。

「まさか……『闇の根』?」

シリルの言葉が頭をよぎる。世界に“闇”が芽吹くとき、まず地中から黒い根が現れ、周囲の生命を蝕んでいくという。
村の老人が神妙な顔で頷いた。

「昔、似た話を聞いたことがある……“神の怒り”とか、“世界の病”とか呼ばれていたが、現実に見たのは初めてだ」

「急いで、牧場に知らせに行かないと!」

青年たちが走り去るのを見送り、悠翔は枯れた畑を見つめた。
これが“予兆”ならば、次はもっと大きな災いが来る──。

その夜、村の広場に住民が集められた。
悠翔は前に立ち、異変の報告と、避難所の利用について説明した。

「今回の異変は小さなものですが、今後は何が起きるか分かりません。そこで、明日から“避難訓練”を始めます」

「訓練って……村中の人が、いっぺんに納屋に集まるのかい?」

「はい。ですが同時には入りきれません。グループに分けて時間をずらし、導線や必要な物の確認をしていきます」

すると、一人の農婦が手を挙げた。

「うちは寝たきりの祖父がいるんだけど、連れていけるのかい?」

「もちろんです。納屋の一階には寝台スペースを用意してあります。布団と温熱装置もあります」

「温熱装置?」

「あったかくなる石、みたいなやつ!」

ひなのが元気よく補足してくれて、場が少し和んだ。

「とにかく、みんなで準備すれば、きっと大丈夫です。ひとりで抱え込まず、助け合っていきましょう」

その言葉に、皆がうなずいた。

夜遅く、悠翔は自室の机に向かい、地図を広げていた。
闇の根が見つかった場所から推測して、村の周囲に“危険ゾーン”をマークしていく。

「もし、あの黒雲が中心に広がっているなら……この範囲が一番危ない」

そうつぶやいたとき、ドアがノックされた。

「悠翔くん、起きてる?」

開けると、村の鍛冶屋・ゲルトの娘、ミナが立っていた。

「何かあった?」

「……ちょっと、これ、渡し忘れてて」

差し出されたのは、見覚えのある封筒だった。数日前、門に置かれていた謎の手紙と同じ封蝋。中を開けると、新たな手紙が入っていた。


---

「結界の効果は長くはもたない。
“闇”は、既に動いている。
君が選んだ場所を信じなさい。
そして──“その声”を聞きなさい。」


---

「“その声”……?」

何かの比喩か、それとも──。

ミナは不安そうに問う。

「悠翔くん……これ、誰が書いてるの? 味方……だよね?」

「分からない。でも、あの結界粉をくれた人と同じだと思う。少なくとも、今のところは……」

夜空には、黒雲がさらに厚みを増していた。
悠翔は、村を守るための“次の手”を、もう考え始めていた。


---

【イベントログ】

イベント発生:「南の畑に闇の根」確認

村の警戒度:上昇(★☆☆☆☆ → ★★☆☆☆)

避難訓練:準備開始。高齢者・子供向け導線確保

新アイテム:「第二の手紙」獲得(内容:さらなる警告と“声”の導き)

村人の信頼度:上昇(悠翔に対する支援が増加)

次の目標:避難訓練の実施と、結界の強化。村の安全ラインの見直し



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