異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第8章 世界を揺らす黒雲

第74話「“声”の導きと、牧場の地下室」

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早朝、霧が残る牧場に、一人の少年が立っていた。
天城悠翔──村を導く牧場主であり、この世界に“落とされた”存在。
彼は、手紙に書かれていた「声を聞け」という言葉を、ずっと考えていた。

「……声、か」

耳を澄ましても、風の音と動物の気配だけが届く。
けれど──それは突然、来た。

(……こえが……きこえるか……)

脳に直接語りかけるような、不思議な感覚。音ではなく“意味”が流れ込んでくる。
悠翔は思わず目を閉じ、問いかけた。

「君は、誰?」

(……われは……“記録の番人”……この土地の記憶をつたえるもの……)

「記憶……?」

(……この牧場の……した……ふかく……)

そこで声は、途切れた。

悠翔ははっとして目を開けた。体に異常はない。だが、確かに“何か”とつながった感触があった。

「地下、か……!」

急いで牧場の納屋へ向かい、荷台の奥に隠れていた古い扉を開ける。
そこには、土と石で封じられた“床板”があった。

「前に来たときは、ただの土間だと思ったけど……」

道具を取りに戻り、シャベルで土をどかしていくと、固い石の蓋が現れた。
中心には、奇妙な魔法陣の刻印。

「これ……あの時の石板と同じ紋章だ。やっぱり、“何か”あるんだな」

慎重に魔力を流し込むと、石蓋が青く光り、静かに開いた。
中は、階段だった──冷たい石で作られた、地下へと続く階段。

蝋燭と簡易ランタンを持って、悠翔はひとり、地下へと降りていった。

* * *

地下室は、想像以上に広かった。
石造りのアーチ型天井に、左右に連なる棚と、中央には大きな台座。
その上には、球体のような“魔法の水晶”が静かに浮かんでいた。

(……きたか……)

また“声”が聞こえた。

(……この地にのこされた“記憶”……まもなく“闇”が目をさます……)

悠翔は、水晶にそっと手を伸ばした。
その瞬間──頭に、鮮明な映像が流れ込む。

かつて、同じ場所にあった“村”が、黒い霧に包まれて滅びる様子。
逃げ惑う人々。空を裂くように現れた“影の獣”。
そして、最後に一人の女性が、魔法陣でこの場所を封じる姿。

(……この地は“封印の地”……われらは、ただ“次”をまつのみ……)

悠翔は深く息を吐き、水晶から手を離した。

「じゃあ……この牧場が、鍵なんだな」

地下室にあった古い文献や設計図から、納屋の下に張り巡らされた“古代の結界”の存在も判明した。

「これがあれば、村を守れるかもしれない……!」

急いで地上に戻ると、すでにセリナやエルノアたちがやってきていた。

「悠翔、どうしたの? 顔、真っ青じゃない!」

「大丈夫。でも、みんなに伝えないといけない。重要な話があるんだ」

彼は、これまでの“声”の導きと、地下で見た記憶について、全員に話した。

エルノアは静かに頷いた。

「それが本当なら……悠翔さん、あなたがこの村に来たのは“偶然”じゃないかもしれませんね」

「うん。たぶん、そうだと思う。だから……この牧場を、結界の“核”として整備しよう」

ゲルトや大工のボルガたちも呼び、牧場の地盤や結界装置の改修を始める手はずが整った。

(守るためには、動かないと──)

悠翔は再び、心に決意を刻む。

夜、寝床に戻ったとき、あの“声”が再び語りかけてきた。

(……おまえに……力を……つたえる……つぎの“鍵”は……“南の祠”……)

そして、闇に溶けるように消えた。

南の祠──村の地図には、既に使われていない“古代の神殿跡”が記されている。

悠翔の冒険は、再び動き出す。


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【イベントログ】

イベント発生:「記憶の番人との邂逅」

重要発見:「牧場地下室」「古代の結界核」「魔法の水晶」

新スキル獲得:「封印の記憶(パッシブ)」→ 一部の古代魔法に対する理解力が上昇

村の危機レベル:上昇(★★☆☆☆ → ★★★☆☆)

村人の備え:結界強化準備、地下の構造図確認

次の目標:「南の祠」調査、「結界の鍵」を探し出す



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