『今日も平和に暮らしたいだけなのに、スキルが増えていく主婦です』

チャチャ

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10話「カフェに現れた謎のお客さん。“未来予知スキル”って何!?」

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「田仲さん、今日は午後から少し混むかも。最近、この時間帯にちょっとクセのある常連さんが来るのよ」

出勤早々、石田さんがそう耳打ちしてきた。

「クセ……のある?」

「うん。何というか……人のことジーッと見てきて、“あなた今日、転ぶわよ”とか、占い師みたいなこと言ってくるの」

(え、それって……ちょっと気になる)


---

午後2時半。噂の常連さんが現れた。

黒ぶちメガネに帽子、スーツ姿の……40代くらいの男性。小声で注文する。

「……ブレンド、ひとつ」

「はい、かしこまりました!」

席に案内しようとすると、彼がふと麻衣を見て言った。

「あなた……今日、忘れ物に注意ですね」

「えっ?」

「ポケットに入れていたつもりのものが、実はカバンにあります」

「えええええええっ!!?」

あわててポケットを探る。いつも入れているロッカーの鍵がない。

(うそっ……!?)

急いでバックを確認すると——

「……あった。ほんとにカバンの底に……」

📱《スキル「未来予知に関する情報を受け取る:準備段階」発動》

(なにこれ!? ちょっとドキドキしてきた……!)


---

その日の勤務中、妙にその男性の言葉が気になって仕方がなかった。

「未来予知って……そんな能力、本当にあるのかな?」

(いやいや、私がスキル持ってる時点で、今さら何言ってんのって話だよね)

けれど、そんな麻衣の心を見透かすように、スマホが軽く震えた。

📱《新スキル取得:予知のかけら Lv1》
▶ 数分後の“誰かの発言”が、ふわっと頭に浮かぶようになります(発動はランダム)

(え、えぇぇ!?また勝手に!?)


---

閉店間際、石田さんが麻衣に話しかける。

「田仲さん、明日さ、ちょっとお願いがあるんだけど——」

その瞬間、麻衣の脳内にフワッと「明日、代わりに早番お願いできる?」というフレーズがよぎった。

(ん? なんか、今……先に聞こえた?)

そして現実に石田さんが続ける。

「明日、代わりに早番お願いできる?」

「……あ、はい!大丈夫ですよ!」

「ほんと?助かる~!娘の学校で急に面談入って」

麻衣は心の中でガッツポーズ。

(やっぱり今のが“予知”ってやつ!?)


---

帰宅後。

玄関を開けると、ひなのが元気に「ままー!」と飛びついてくる。

「おかえり!ごはんできてるよー!」

「えっ、ほんと?……って、あれ?」

キッチンでは、エプロン姿の雄一が。

「今日は早く帰れたから、カレー作ってみた」

「うわぁ……!パパすごい!」

📱《心の声:ごはん作ってくれるスキル、地味に最強では……》

食卓には、麻衣の好きな“とろとろ卵のオムカレー”。

(ああ……なんか今日、全部がちょうどいい)

📱《新スキル:ほっこり生活力 Lv1 取得》
▶ 日常で幸せを感じた瞬間、自分と周囲に癒しの効果が広がる

麻衣は、笑顔でカレーを一口。

「ねえ雄一、私ね、最近ちょっと不思議なことが起きてるの」

「うん?」

「……カフェでお客さんに“予知”みたいなこと言われて、本当に当たってて」

「ふむふむ……で、麻衣のスキルもまたひとつ増えたわけだね」

「えっ、なんで知ってるの!?」

「だって、顔に“スキル取った顔”って書いてあるもん(笑)」

麻衣は思わず笑ってしまった。

(そっか。うちの人、気づいてたのか。まあ、隠しても無駄か~)


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