77 / 226
第2章 前途多難な1年目
第77話 憧れの人 リュークside
しおりを挟む
一番最初に見たのは貴族対王族の決闘が見られると言う事で僕は訓練所に足を運んだ。
「ここか…人も結構いるな」
周りの話によるとどうやら自分の事が原因らしい、あの時僕を助けてくれた人以外にも見ていた人達がいたらしく、その人達の戦いらしい。
「僕がいない所で、僕に関係する揉め事をしないでほしいな」
しかしそんな事を口にする事は出来ない、僕は平民だ、王族は勿論の事、貴族に対しても言う事は出来ない。
これがこの世界のルールというべきものだ、貴族は平民を見下し、平民は貴族を憎む、互いに協調し合い支え合い、今日まで生きていたのにそれを理解していない。
そんな人達の上位に存在する者達の実力がどんなものなのか、この目で見てみよう。
「…あの人達か、片方はこの国の王女フィオナ様…そしてチューリア家のクロウ様」
この学園に入学するにあたって自分なりに勉強して来た、貴族達が捨てた教科書を使い、ノートを読み、平民でも行ける図書館に行き、出来る事は何でもして来た。
そのおかげでこの学園に入学する事が出来たし、王族や貴族の事も知る事が出来た(当たり前だけど)。
公爵家のクロウ•チューリアは
赤い髪が特徴の男性で、東洋の黄色人種の様な肌と赤い服の上に黒い服を纏っている。
一方王族のフィオナ•ミリティアは
薄みがかった青い髪が特徴の女性で、クロウと同じ様に東洋人のような肌の色で、服装は着崩した感じに着ており、王女と言うよりも娼婦の様な色気さがある。
2人は互いに刃を落とした剣を持つ、真剣ではなくあくまでも模擬戦様に作られた剣だ、しかし当たりどころが悪ければ大怪我をするだろう。
フィオナが観客を見てクロウを嘲笑う、どうやらクロウを痛ぶって、負けた姿を馬鹿にしたいらしい。
「これが王族か…平等を訴えながら、他者を見下す…最低だな」
フィオナの声はよく聞こえる、クロウの事を痛ぶりたくて仕方ない様だ、クロウはその煽りを逆手に取って逆に相手の動きを制限させている。
「始まったか」
フィオナが駆け出しクロウに斬りかかる、しかしクロウは動きを読んでいたかの様に一歩動くだけで攻撃を躱している。
「な!?」
おそらく相当鍛錬を積んだのだろう、今の攻撃でもうフィオナに勝ち目がない事が分かる。
あんなにも素早い斬撃をまぐれで躱せるわけがない、逆にクロウはゆっくりだ、反撃するにしてもまるで素人のような振り下ろしだ。
それをフィオナは何とか避けて、また攻撃をする、しかし当たらない。
「降参は…しないか」
剣同士の試合の時によく見る決着のシーンと同じだが、諦めの悪いフィオナはそれを断り、がむしゃらに剣を振るう。
クロウは動きを読んで最小限の動きで躱し、隙を狙ってフィオナを精神的に追い詰める、実力の差があり過ぎる、これは周りの野次馬も思っている事だろう。
無駄な動き、無駄な構え、無駄な呼吸
その無駄がクロウの精密さをより露呈し、勝ち目がない事が側から見ても分かる。
「クロウ様も、相手がここまで弱いとは思っていなかったのだろうな、なんか変な事を言っているし」
剣にばかり意識が向いている為、足元がお留守となり、子供の様に転ぶ、自分なら大苦戦する相手だが、実力の差がこうもあり過ぎるとそれ以上に弱く見える。
「もう終わりかな」
ここから先は見ててフィオナが無様すぎて逆に可哀想に思えて来た。
自分から喧嘩をふっかけて、煽っている立場から、煽られる立場に変わり、どんな頑張っても彼に一太刀も当てる事なく彼女は負けた。
「結局クロウ様の独壇場だったな」
でも、それがカッコいい
王族に対して媚びへつらう事もなく、自分の意見を真っ向から言い、圧倒的な実力差で叩き伏せる。
彼の様な力が僕は欲しくなった。
——————————————————————
続く
「ここか…人も結構いるな」
周りの話によるとどうやら自分の事が原因らしい、あの時僕を助けてくれた人以外にも見ていた人達がいたらしく、その人達の戦いらしい。
「僕がいない所で、僕に関係する揉め事をしないでほしいな」
しかしそんな事を口にする事は出来ない、僕は平民だ、王族は勿論の事、貴族に対しても言う事は出来ない。
これがこの世界のルールというべきものだ、貴族は平民を見下し、平民は貴族を憎む、互いに協調し合い支え合い、今日まで生きていたのにそれを理解していない。
そんな人達の上位に存在する者達の実力がどんなものなのか、この目で見てみよう。
「…あの人達か、片方はこの国の王女フィオナ様…そしてチューリア家のクロウ様」
この学園に入学するにあたって自分なりに勉強して来た、貴族達が捨てた教科書を使い、ノートを読み、平民でも行ける図書館に行き、出来る事は何でもして来た。
そのおかげでこの学園に入学する事が出来たし、王族や貴族の事も知る事が出来た(当たり前だけど)。
公爵家のクロウ•チューリアは
赤い髪が特徴の男性で、東洋の黄色人種の様な肌と赤い服の上に黒い服を纏っている。
一方王族のフィオナ•ミリティアは
薄みがかった青い髪が特徴の女性で、クロウと同じ様に東洋人のような肌の色で、服装は着崩した感じに着ており、王女と言うよりも娼婦の様な色気さがある。
2人は互いに刃を落とした剣を持つ、真剣ではなくあくまでも模擬戦様に作られた剣だ、しかし当たりどころが悪ければ大怪我をするだろう。
フィオナが観客を見てクロウを嘲笑う、どうやらクロウを痛ぶって、負けた姿を馬鹿にしたいらしい。
「これが王族か…平等を訴えながら、他者を見下す…最低だな」
フィオナの声はよく聞こえる、クロウの事を痛ぶりたくて仕方ない様だ、クロウはその煽りを逆手に取って逆に相手の動きを制限させている。
「始まったか」
フィオナが駆け出しクロウに斬りかかる、しかしクロウは動きを読んでいたかの様に一歩動くだけで攻撃を躱している。
「な!?」
おそらく相当鍛錬を積んだのだろう、今の攻撃でもうフィオナに勝ち目がない事が分かる。
あんなにも素早い斬撃をまぐれで躱せるわけがない、逆にクロウはゆっくりだ、反撃するにしてもまるで素人のような振り下ろしだ。
それをフィオナは何とか避けて、また攻撃をする、しかし当たらない。
「降参は…しないか」
剣同士の試合の時によく見る決着のシーンと同じだが、諦めの悪いフィオナはそれを断り、がむしゃらに剣を振るう。
クロウは動きを読んで最小限の動きで躱し、隙を狙ってフィオナを精神的に追い詰める、実力の差があり過ぎる、これは周りの野次馬も思っている事だろう。
無駄な動き、無駄な構え、無駄な呼吸
その無駄がクロウの精密さをより露呈し、勝ち目がない事が側から見ても分かる。
「クロウ様も、相手がここまで弱いとは思っていなかったのだろうな、なんか変な事を言っているし」
剣にばかり意識が向いている為、足元がお留守となり、子供の様に転ぶ、自分なら大苦戦する相手だが、実力の差がこうもあり過ぎるとそれ以上に弱く見える。
「もう終わりかな」
ここから先は見ててフィオナが無様すぎて逆に可哀想に思えて来た。
自分から喧嘩をふっかけて、煽っている立場から、煽られる立場に変わり、どんな頑張っても彼に一太刀も当てる事なく彼女は負けた。
「結局クロウ様の独壇場だったな」
でも、それがカッコいい
王族に対して媚びへつらう事もなく、自分の意見を真っ向から言い、圧倒的な実力差で叩き伏せる。
彼の様な力が僕は欲しくなった。
——————————————————————
続く
64
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる