剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

文字の大きさ
93 / 226
第2章 前途多難な1年目

第93話 もう無理矢理やるしかない 主人公side

しおりを挟む
~朝の出来事にて~

「おはようございます、フィオナ様」

「おはよう、あの男になんか言われた?」

僕は平民なので貴族寮で暮らす事が出来ない、その為、ミオ様達の様な貴族達に1番早く会えるのは今なのだ。

「はい、フィオナ様達のやっている事は意味がないと言われました」

「よし、殺そう」

「待って待って…そのやっている事ってあたくし達が今やっている事?」

僕はミオ様の言っている事に頷く、今回はクロウ様にも僕達の活動に参加してもらう為に説得したのだが、逆に説得されてしまった。

「何て言ってたの?」

「シャル様」

「まぁどうせ口が悪いんだろうけどね」

「はい、ですが今回も的を得た答えでした」

僕はこの1ヶ月功績を残す為に、そしてクロウ様に認めてもらう為に色々と勉強してきた、分からない所はクロウ様に聞き

『こんな問題もわからないのか?』

と怒られる事はあるがとても分かりやすく教えてもらい知識がつき、

教材が無くなった時は
『だったら無くなっても良い様にすれば良いじゃないか?』と
全てを暗記しこんな低脳な嫌がらせ程度でわめくなと注意し、

トイレの中で水をかけられた時は(クロウ様だけど)
『貴族として恥ずかしくないのか?』と貴族としての在り方を示して、

階段から突き落とされた時は
『その程度で怪我をするならその程度の人間と言う事だ』と
僕達を庇ったのに無傷だったクロウ様はとてもカッコよかった。

彼の言葉には確かに棘がある、しかし言っている事は正しく、それを貫き通している。

「やはりクロウ様は嫌われる覚悟があるんですね」

「むかつくだけじゃないの?」

いや、絶対に違う、嫌われるだけの人間は他者を見下す"だけ"で自分上げ他人下げをする文字通りの『嫌われ者』だ。

彼は他人を見下しているのではなく、同じ対等な人間として『自分クロウが出来るんだからお前らも出来なきゃおかしい』と言ってくれているんだ。

「確かに言い方には問題があると思います、しかし彼自身の発言に対しておかしい所はありません」

「まぁあたくし達も人の事言えないんだけどね」

「ボク達はまだ子供だよ?そんな完璧に出来るわけないじゃん」

ミオ様とシャル様の言う通りだ、クロウ様も僕も子供、例えどんなに知識があっても人生経験の差が出てしまう、だからこそ皆んなで力を合わせて立ち向かわないといけないのだ。

「と言うわけですよ」

「でも、あんな男を仲間に引き入れるなんて…」

「本当は嬉しい癖にぃ」

「な/////」

フィオナ様は顔を赤らめて首を振って違うと否定する、しかし恋愛経験がない僕から見てもフィオナ様は好きではないにしてもかなり興味を惹かれている感じだ。

「兎に角私は反対よ!」

「僕は賛成」

「あたくしも賛成します」

「ボクも賛成するよ」

と言う事で多数決でクロウ様を活動に入れる事が決定した。

「でも、クロウ様は絶対に断りますよね?」

「絶対に断るねぇ、あたくし達と距離を置こうとしている節があるし」

「友達にもなってくれないし」

1番最初の頃は普通に話してくれていたが、途中から仮面を被っているのかそれともあれが素なのかはわからないが、言葉遣いも態度も悪くなった。

つまり性格が捻くれているだけなんだ(まぁ前々から知っているし、皆んなからも言われているが…)

そんな人にどんなに誠心誠意伝えても結局は断られてしまうだろう。

「それならもう無理矢理加入させれば良いんじゃない?」

「出来るんですか?」

「ええ、名前の書いてある名簿表を持って生徒会長に渡して正式に許可を得れば可能よ?」

さっきまで反対と言っていたのに入ってくれる為の案を言ってくれるなんて…やはり何やかんやクロウ様の事が好きなのだろう。

「なら、ミオ様は名簿表にクロウ様とクロウ様が寂しがらない様にメイディさんの名前も書いてください」

「分かったわ」

「シャル様は生徒会長を探してきてください」

「分かったよ」

「フィオナ様は次の休み時間までクロウ様の足止めを」

「貴方は?」

「僕は一応一言伝えに行きます」

活動の許可は得ているがメンバーについてはまだ確定申告はしていない、だからまだ決まったわけではないが、クロウ様は絶対に入れる。

そう言うわけでここにいても後で来る先生の邪魔になるのでとりあえずクロウ様の近くの席に着こう。

——————————————————————
そうして彼らはクロウの意見を聞かずにほぼ強制的に活動に参加させた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...