剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2章 前途多難な1年目

第95話 胸騒ぎって超能力でしょ…

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~生徒会室前~

トイレから出た後は逃げる気力もなかった為、メイディを待って来たらそのまま一緒に歩いて行った。

「…どんどん胸騒ぎが増していく…本当にどうしたんだ?」

「クロウ様?」

吐き気は治ったが、胸騒ぎはどんどん増していく…まるでこれ以上は来ては駄目だと教えてもらっている様な感じだ。

「胸騒ぎ…深呼吸してみてはいかがですか?多少なりとも落ち着きますよ?」

「そうだな、呼吸も早くなっている感じがするし、やってみるよ」

メイディの案に従い深呼吸をしてみる、胸騒ぎは治らないが、多少なりとも落ち着いた。

「ありがとな、メイディ、少し楽になったよ」

「それなら良かったです」

「大丈夫?」

シャルもクロウの変化に少し気を遣ったらしく、心配してくれる。

「ああ、それで、入らないのか?それとも誰か待っているのか?」

「メンバー全員来るのを待っているんだ、ボク達だけで勝手に決めるのは良くないからね」

「勝手に俺を加入させた奴が何を言うんだ」

朝の時の事は忘れない、シャルと話していたら勝手に自分シャル達の活動に強制参加させる為に勝手に活動メンバーの中に自分クロウとメイディが入っているのにそれを棚に上げて言うのだから驚く。

「だってそうでもしないと君は入らないでしょ?」

「入りたくないんだから仕方ないだろ?」

「でも来てしまったんですから、もう諦めて腹を括ってください」

メイディの言う通りだ、どんな手を使ってでも抵抗して逃げれば良かったのに半ば諦めて来てしまったのは自分の自己責任だ、この際入る事は認めてすぐに抜ける事を考えよう。

「そうだな、活動が始まったら速攻で抜ければ良いし」

「絶対にさせないから安心してね?」

「俺が不祥事を起こせば抜けれる」

「ボクとミオとフィオナ様の権力を使って君を食い止めるから」

四面楚歌と言うよりも外堀を埋められてしまった様だ、流石は主人公を支えるヒロイン達、度胸と覚悟が違う。

…そこまでしてクロウを加入させる意図がわからないけど。

「…分かった、分かったよ、そんでフィオナ達はいつ来るんだ?」

「今でしょ?」

「ファッ!?」

もう諦めてこのイベントをさっさと終わらせようと思い、他の人達が来ない事に少し違和感を感じていたら、いつの間にかそこにいた。

「っ!?そんなに驚かないでよ」

「そんなに驚く事をしたのはお前だろ」

脅かした張本人であるフィオナが驚いたクロウに驚くと言うなんともシュールな光景だった。

「まぁ良いわ、よく来たわね、逃げるかと思ったわ」

「逃げていいの?」

「ダメよ」

「じゃあ言うなよ」

シャルに引っ張られて無理矢理(途中まで)連れてこられたのだ、逃げるなんて出来ない。

「あたくしはどんな手を使ってでも逃げるかと思いましたわ」

「胸騒ぎと吐き気のせいでそうもいかなかったんだよ」

「クロウ大変だったもんね、本当に大丈夫なの?」

「ああ、メイディのおかげで何とかなったよ」

シャルに心配されたが、こちらはもう(吐き気は)大丈夫だ、問題はこの胸騒ぎだ、先ほどメイディの提案のおかげで少しは落ち着いたが、やっぱり胸騒ぎ自体は治らない。

「何かあったんですか?」

「ああ、ここに来る途中、そして今現在も嫌な予感って言うのかな?兎に角胸騒ぎがするんだ」

「そうなんですね(あのクロウ様が真面目に答えた…本当に何かあるのかもしれない)」

クロウはリュークに嫌われる為に態度を悪くして来た、それなのにその行為を忘れる程今のクロウは焦っているのだ。

「そんなのアンタが私達と同じ活動グループに入るのが嫌すぎてなっているだけでしょ?」

しかしフィオナはそんな事はお構いなしにドアをノックして勝手に入る。

「ちょ!?フィオナ様!?」

「ボク達も入るよ!」

「はい!」

「…ハァ」

「気持ちをしっかりと保ってくださいクロウ様」

そしてミオ達も慌てて中に入って行った…

——————————————————————
続く。
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