剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2.5章 崩壊するゲーム

第115話 これからは… リュークside

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~クロウと出会ってから~

「まさか彼も転生者だったなんて」

クロウの寮の部屋から出て行き、その帰り道でリュークはそう呟く。

(彼の行動が可笑しかったり、リュークとしての記憶でリュークがクロウを尊敬していたりと謎が多かったが、納得したよ)

1週間前、僕は記憶を取り戻し、フィオナ達と協力して自分達の活動の許可を得た。

その後闇市場で惚れ薬を購入して、ミオ達の専属メイド達と相談して許可を得た上で惚れ薬を盛った。

もし自分の事が好きだったらその時は諦めたが、まさか本当にクロウの事が好きだったなんてかなり驚いた。

メイド達もこんなおかしな話を真摯に聞いてくれて、更に協力までしてくれるなんて、主人公補正によって話が進んでいるのではないか?と疑ってしまう程だった。

「これで、僕の望みは今の所叶った」

あとは推しのヒロインである『メジーナ』が現れたらその子の攻略をするだけだ、他の子はいらない、彼女だけでいい。

王族や貴族の人達とは仲の良い友人関係は続ける、そうしないと今度は人間達によって自分の命が狙われてしまう。

「でも、クロウがいればそこの所は何とかなるだろう」

彼は僕と同じ転生者だ、つまり僕の事もよく分かっていると言う事だ。

この物語の続きを知っている、僕が行う事も、その理由も全部理解してくれた、ならば僕の邪魔もしないと言う事だ。

「でも、彼はよくある追放スローライフを送りたいって言ってたなぁ」

確かに魅力的な話だと思う、けど勇者に選ばれるのなら魔王を倒して世界を救ってみたいと思うのも別に間違ってはいないだろう?

日本じゃ人を殺す事は法律によって禁止されており、戦争もしないと憲法で定められている、だからこそ生き物を殺すと言う感覚がない。

「そんな今だけど、勇者に選ばれるんだ、その恐怖も克服しないとな」

ゲーム画面だったらプレイヤー自分が命令してキャラクターリュークがその通りに動くだけだから実感はないけど、本当は命をかけた戦いなのだ、覚悟を決めなくてはならない。

「あら?リュークじゃない、こんな所でどうしたの?」

「あ、フィオナ様」

そんな事を考えているとフィオナ達がコチラにやって来る。

「クロウを見なかった?ソフィメイド達と話をしていたら見失ってしまったのよ」

「それなら部屋に戻りましたよ?かなりのお疲れの様でした」

ここで嘘をつくと今後自分にも被害が出て来る、こう言う時は本当の事を言うのが1番良い。

「疲れているですの?」

「はい、ミオ様、最近いろんな事がありましたからその疲れが来たんだと思います」

「そう…なら仕方ありませんわね」

ミオにそう説明すると、素直に信じてくれるやはりメインヒロインと言われるだけあってかなり可愛いが、推しではない為、良き友達止まりにしておきたい。

「え~ボクはまだ今日の決闘してないよ~」

「万全の状態じゃないクロウ様に勝って自分がクロウ様より上って威張れますか?」

「…今日は諦める」

勝負は勝負、その万全の状態にしないで挑んだ奴が悪いが、そんな人に勝って嬉しい人は強くなりたいんじゃなくて、自分が強いってただ証明したいが為に卑怯な手段も使う奴か、賞金目当てのクズの2択だろう。

「明日も会えるんですから、今日はここでやめたらどうですか?」

「そうね、部屋に乗り込むのもありだけど、もしそれがバレたら色々と面倒くさいからね」

「クロウ君の側には彼女メイディがいますからねぇ」

「クッ…好敵手ライバルが多い」

「勝手に参加させないでください」

そんな事を彼女達が話している所をゆっくりと抜けてフィオナ達のメイド達に声をかける。

「本当にありがとうございます」

「いえ、これもフィオナ様の為ですから」

ミオとシャルのメイドも同意見と言わんばかりに頷く、それを見て自分のした事がクズ行為だったとしても結果オーライだったので気にしないでおこうと思う事ができた。

「じゃあ僕は戻ります」

そう言ってリュークは貴族寮を後にした。

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誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。

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