剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2.5章 崩壊するゲーム

第114話 ゲームの世界 リュークside

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~廊下~

「生徒会室に行ってどうするんですか?」

「生徒会長に私達の活動の許可を申請しに行くのよ、私達なら簡単に通るわ」

リュークは水色の髪の女性に質問するとそう答えてくれる、どうやら本当に自分達の活動を作るらしい。

クラブと言えばいいのだろうか?定義がよくわからない。

「何故ですか?」

「何故って、私達は王族と貴族よ?貴方は違うけど、そんな権力を持っている人達の提案を断る人は先ずいないわ」

どうやら水色の髪の女性は王族か貴族で自分以外の残りの2人の女性も王族か貴族らしい、凄い人達と仲が良い事に驚く。

「でもそれを言うとクロウ君にまた言われますわよ?」

「…ちっ、ミオ、余計な事を言わないで」

「でも、フィオナ様、ミオの言っている事は間違ってませんよ?」

「シャル、貴女まで…」

…ん?何処かで聞いた事のある名前だ、
自分の名前はリューク
水色の髪の女性はフィオナ
薄紫色の髪の女性はミオ
白髪の女性はシャル
そして彼女達の話すクロウ

(彼女達の事を何故か知っている、名前にも違和感がない、この服装も、光景も何かで見ている)

そして自分の経験から1つの回答が浮かび上がる。

(異世界転生?)

そう、つい昨日まで読んでいた異世界転生モノの小説だ、トラックにかれたり、ブラック企業で働いて過労死したりして、チート能力を貰って異世界で俺tueeeをする。

そう言った関係の小説を読んでいた為、もしかしてと想像してしまう。

(でも、この子達は姿形、名前、声までも知っている、つまりアニメか"ゲーム"…ゲーム?)

そしてついに思い出した、ゲーム、そうゲームだ、この世界は自分が遊んでいたゲームの世界だ。

(名前はそう『ラグナロク•オリジン』そして僕はこの世界の主人公『リューク•マルト』だ)

そして彼女達はその世界のヒロイン達で、王族と貴族、そしてそのメイド達。

(彼女達は全く喋らない、ゲームパートでもお付きのメイドと言うだけで、会話パートはほとんどない)

でも、記憶の中でだと結構話している、ついさっきまでは思い出せないでいたが、気付いてからは湯水の様に記憶が流れ込んでいる。

「ん?どうしたの?」

「あ、いえ、本当に上手くいくのかなぁって思ってしまいまして」

「まぁそうね、さっきはああ言ったけど、相手も王族だから説得に失敗したらこの計画も頓挫するわね」

別にそこは気にしていない、主人公補正によっておそらく成功するだろう、問題はこのゲームの世界は(殆ど)忠実にゲームの流れで進んでいる事だ。

今の所ヒロイン達の攻略は殆どしておらず、あくまでも友人関係で済んでいるが、このまま進めば彼女達は自分に攻略される。

それは出来れば避けたい、彼女達も魅力的で可愛いが、この世界が『ラグナロク•オリジン』の世界と言うのであれば必ず『推し』がいるはずだ。

「でも、やらない事には進みませんわよ?」

「そうですね、ボク達も頑張りますから気にせず行きましょう」

ミオとシャルはそう言うとフィオナを励ますが、リュークは耳では聞いているが頭では別の事を考えていた。

(もし、クロウがゲーム通りのキャラなら僕の記憶の中でも嫌な奴になるが、そうでもないらしい)

口は悪いが根は良い奴
それが彼の印象だ、僕自身もかなりの憧れを感じている。

(だとしたら、闇市場に行けばまだ売っているかもしれない)

ゲームでは未然に防ぐか、使ったとしても逆効果で終わるが、今の感じなら多分何とかなるだろう。

「そうね、ここで挫けていたらアイツにまたなんか言われるわ」

「そうですねぇ、クロウ君は口は悪いですけど優しい人ですからねぇ」

「ボク達も彼に負けていられませんからね!」

リュークの記憶の中でも、今の感じでも、僕と話す時よりもクロウと話す時の方が顔が乙女になっている。

それに僕は推し以外に興味がない、譲れるのならさっさと譲ったほうがいいだろう。

——————————————————————
次でラストです(クロウと分かれた後の話です)。
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