剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2.5章 崩壊するゲーム

第127話 推しの転校生

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「皆さんおはようございます」

クロウがメイディ達に(少し)恐怖しているとちょうどいいタイミングで担任の先生が入ってくる。

「今日は朝から報告があります、皆さんも気づいていると思いますが、今日転校生がやってきます」

その言葉にクラス中でざわざわと騒めきだす、当然だ噂は本当で新しい人が来るのだ、日本で同じ様な事転校生が来ると言う事が起きれば俺だって話すだろう。

「先生その子は貴族ですか?平民ですか?」

クロウは手を挙げて質問する、その言葉に反応して周りもコチラを見る。

「クロウ様?」

「平民だったら期待外れだけど貴族だったら期待値増すだろ?」

リュークが困った顔で聞いてくるのでそう答える、本当はさっさと呼んでもらって来てくれれば良かったのだが、やはり聞かずにはいられなかった。

「彼女は隣国から来た貴族です、ここのクラスには王族と貴族がいますから、気をつけてくださいね」

少し棘のある言い方だが、仕方ないだろう
隣国の貴族と言う事はコチラの品格が問われる立場にあると言う事だ。

「わかったよ先生」

「分かればいいんです」

貴族、隣国、そしてさっき彼女と言ったから女性だろう…ほぼほぼ予想通りだろう。

「では、入って来てください」

「へぇこのクラスなのね」

フィオナは先生の言葉に反応する、これで80%確定だ。

そして中に入って来たのは
白い髪の毛で長さは腰まであり、花と羽を合わせた白と赤のを頭の横につけており、隣国の貴族様なのか、それとも前の学園のなのかは分からないが、白い服の上に青い服を羽織り、それを赤いリボンで止めている。

「…マジか」

「どうやら本当らしいな」

リュークの驚きは仕方ない、当たって欲しいと言う思いはあったかもしれないが実際に当たると驚くものだ。

推しのコンサートチケットに応募して当たって欲しいと願い本当に当たる様な感じと言えばいいだろう、つまりそれくらいリュークにとっては嬉しい事なのだ。

「では、自己紹介をしてください」

「はい、わたしは同盟国で隣国であるオースロン学園から来ました『メジーナ•クリストス』です、よろしくお願いします」

メジーナはそう言うと優雅にお辞儀する、リュークを筆頭に皆が拍手すると先生がそれを遮って声をかける。

「ではメジーナさん、好きな所についてください」

「わかりました」

メジーナが動きだすと皆がメジーナを見る、どこに座るのか気になるのだ。

「貴方、そこを退きなさい」

「…俺か?」

メジーナは俺のいる列の前で止まるとそう言った、俺の隣にはリュークがいる、つまりはそう言う事だろう。

「貴方以外に誰がいるの?」

「…俺の隣の奴とか」

「僕?」

ここでリュークに振る、ここで「それもそうね」とか言って来たら面倒くさいが確かめるのならやった方がいい。
(一目惚れとかはないと思うが…)

「わたしは貴方に言っているんです、さっさと退いてくれない?」

「はいはい、分かりましたよ」

クロウの発言には国にも関わる(悪役貴族をやろうとした人間が言う事ではないが)事だ、ここは素直に席を譲ろう。

「最初っからそうすれば良かったのよ」

(口悪、まぁ俺が言えた事じゃないけど)

ここで反論すれば自分自身に返ってくるブーメランになる、ここは黙っておくのが吉だ。

「じゃあ私はここね」

「あたくしh「ボクがここね」チッ」

クロウが移動するとミオ達も移動を始める、シャル達はリュークに興味がない為、クロウの隣の席を巡って我先にと動いた。

「え?」

「どうしたんですか?」

「いや、彼女達移動しちゃったけど?」

「だからどうしたんですか?」

そりゃあ驚くだろう、普通は移動なんてしない、クロウが動くだけで、この時間が終わったらまた好きな席に座ればいいだけの話なのだ。

「…いや、なんでもない」

メジーナはそう言うとクロウを睨みつけるが、ミサ達の相手をしないといけないので、無視をした。

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