剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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〜最終章〜 剣ぺろ伝説

第212話 逆鱗に触れた者の末路

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「そうか…死んだ…か」

王城に戻り、クロウとエムルの事を話した
その時の第一声がこれだった。

「それならば祝勝会は2人抜きで行うとしよう」

「は?」

国王はそう言うと祭りの準備をする為に家臣達を準備に行かせた。
しかしその事に驚いたリュークは国王にタメ口で言ってしまった。

「どうしたのだ?勇者リュークよ」

「…いえ、何故そんな祝勝会を開きたいのか分からなくて」

勝った事を祝いたい気持ちはよく分かる、しかしクロウとエムルが死にしかもエムルは国王の弟の娘だ、身内が死んだのにあまりにも軽すぎる。

「貴族達は今回の戦争に多くの資金援助を行ったその例や労いを、国民達にも人間が勝ったと言うのを大々的に伝えたい、だから開くのだ」

「ですが…」

「くどい」

「え?」

「それは先程も話した事だろう、死んだのであれば英雄として語り継げば良い、名誉ある戦死は世界中で彼の伝説は語り継がれるだろう」

リュークはそれでも今回の主役は自分ではなく、クロウであり、彼がいたからこそ勝てたのだ、なのにその主役を参加させずに自分達だけで楽しもうなんて酷いにも程がある。

「彼以外も何千万万と死んだのだぞ?何故たかが1人の為にそこまで神経質にならなければならないのだ」

「………」

「それにフィオナ達には援助金を出してくれた貴族達から縁談の話が来ている、他国からも祝勝会に参加して縁談の話がしたいと言う国や貴族が多くいるのだ、外交問題的にも もう待つ事は出来ないのだよ」

つまり、魔王を倒したと言う実績を持つ勇者パーティを政治の道具として利用して利益を得ようと言う事だろう。

「…魔王を倒した瞬間からの手のひら返し、原作ではこんなクズじゃなかったのにな」

「リューク?」

ミオは不思議そうにリュークを見る、『原作』とはどう言う事だろうか?
そんな事を思いつつもリュークの目が本気マジになりつつあるのに気づく。

「僕は勇者だ…魔王を倒せる唯一無二の存在だ…つまり、"魔王より厄介な敵"って事でいいんだよな?」

口調が敬語からタメ口に変わっていき、今にも剣を抜きそうになって来ている、必死に理性が抑えているが爆発寸前だ。

「父上、それはあまりにも酷すぎるし、軽すぎます、彼がいなければこの国は滅んでいたんですよ?」

「知っておる、だからこそ墓を立ててやると言ったのだ、そこで供養すれば文句はあるまい」

娘のフィオナが怒りを抑えながら父を説得したが、神経を逆撫でするような口調で話す為、かなりイラッとしている。

「…僕は…僕達は…こんな奴の為に…命を懸けたの…か?」

「ん?」

「リューク…?」

シャルは一歩前に出るリュークを見つめる…そして全てを感じ取った、リュークはもう我慢の限界なんだと。

「それになフィオナよ、お前達には援助金を出してくれた貴族達から縁談話が来ておる、今後の為にも祝勝会は必要なのだよ」

「金を出した代わりに女を寄越せ…王族との繋がりが欲しい貴族達にはさぞかし私達は魅力的でしょうね」

フィオナはリュークを止めなかった、周りの兵士達も動こうとしたがリュークの放つ殺意が兵士達を動けなくしていた。

確かにリュークは魔王に惨敗した、しかし勇者やその仲間達はゲームのキャラクター、成長し続ける事が出来る者達なのだ。

「………王様、僕は褒美が欲しいです」

「何だ?褒美だと?まぁ世界を救ったのだ、私が叶えられる範囲で叶えてやろう」

リュークは国王に近づきながらそう言う
国王はそれを了承してくれた、リュークはその報酬の内容を口にする前に剣を抜く。

「な…何をしているのだ…勇者リュークよ…」

「僕の望みはですね…国王様…」

リュークは満面の笑みを浮かべながら口を開く。

「…お前を殺して王になる事だ」

———————————————————————
次の瞬間王の首は宙を舞い、その首はミオ達の近くに落ちた。

「…ごめんなさい国王様、あたくし達は今正気じゃないんですの」

「ボク達の愛する人を侮辱した人を許す事は出来ません」

「例え父であろうと、この暴挙が恐ろしい事でも関係ありません」

「貴方の死因はたった1つです、たった1つのシンプルな答えです…」

リュークは剣を納めてその答えを言う。

「テメェは僕達を怒らせた」

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