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〜最終章〜 剣ぺろ伝説
第213話 賽は投げられた、進むしかない
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「国王様ァァァァァァァァァ!!!!!」
少しの静寂の後、兵士の1人が国王が殺された事に気が付き大声で叫び出す、それによって我に返った他の兵士達も剣を抜いてリュークを囲む。
「勇者様!どう言う事ですか!」
「確かに国王様の発言は悪かったです!」
「しかし!殺してしまっては駄目です!」
兵士の言う通りだ、国王は言ってはいけない事を言った、しかし殺して良い理由にはならない、『気に食わないから殺す』は勇者がやって良い事ではないのだ。
「…すいません、例え僕のやっている事が"悪"だったとしても、"勇者"としてあるまじき行為だったとしても、僕は彼を許せませんでした」
「ですがこれでは貴族達は納得しませんよ!」
「そうです!資金援助の見返りを求めて援助している人達は丸損ですから!」
「このままでは外交問題にも繋がります!」
国王は死ぬ前に言っていた事だ、公爵家の2人…ミオとシャルよりも上の貴族はいないが、国王はおそらく権力を使って婚約に持ち込もうと考えていたのだろう。
「外交?貴族?…忘れてませんか?僕は魔王を倒した男、確かにクロウ様に比べたら弱いですけど…"彼の意思を引き継いだとしたら?"」
「え?」
「意思を引き継いだ?」
「どう言う事ですか?」
リュークは一体何を言っているのだろうか?
そう不思議に思うとフィオナは国王の玉座に向かって歩き始める。
「クロウ様は国王の悪事に気が付き、止めようとしたが怪我のせいで負けてしまった、しかし勇者リュークは英雄の意志を継いで革命を起こした…そして」
「次の国王は私になる」
フィオナは玉座に座って辺りを見回す、リュークはフィオナに向かって首を垂れる、そして周りの兵士達も合わせて首を垂れ始める。
「筋書きとしては良いと思いますが、皆さんはどう思いますか?」
王位継承権をフィオナは持っている、国王の娘であり、世界を救った勇者パーティのメンバーの1人でもある。
「しかし、国王様に援助をしていた者達が納得するとは思えません」
「仮に次の王…女王になったとしても外交問題もありますし、反乱を起こす者達も現れると思います」
「そうなった場合はどうするのですか?」
兵士達は反乱を起こしたフィオナ達と戦う事はせず、仮に本気で政権を引き継ぐとなった場合の危険を教えてくれている。
彼ら自身も命を救ってくれた者を無碍に扱う国王の姿には許せなかったのだろう。
「援助をしてくれた人達には私から感謝の言葉を伝えます、見返りの件は私は知りませんから何を言われても国王の独断と言えば済むでしょう」
縁談の話しも国王が勝手に決めた事だ、その国王がいない今、それを勝手に進める事は出来ない。
「外交問題は一から始めます、メジーナさんの国とは交流もありますし、先ずはそこからやっていきます」
フィオナも外交については多少は知識がある、大変な事になるのは分かっているが、賽は投げられた、進むしかない。
「反乱を起こす者達がいたとしても今の状態で内戦を起こそうとする馬鹿はいないでしょう、いたとしてもここには最強の兵士がいますから、毒だけを気をつければなんとかなります」
フィオナが次の国王になる事を反対して反乱を起こす者達がいたとしても、リュークがいる為武力では解決出来ないし、暗殺に関してもフィオナは普通に強い、毒さえ気をつければ殺される事はないだろう。
「予想外の出来事やアクシデントは起こるかもしれません、しかし国の為に戦った英霊達を無碍に扱う国が繁栄するとは思えません、だからこそ私達が新たな国づくりを行うのです」
フィオナは周りにいる者達に視線を配ると声を上げる。
「今回の件に反対する者達は今ここで言いなさい、それ以外の者達はこの中で起こった事を生涯話さないと誓いなさい…さもなくば…」
と、フィオナはミオ達を見る、シャル達はフィオナの今までの言動に驚きつつも自分達の暴挙を正当化する為にも覚悟を決める。
そしてリュークを囲む兵士達に剣を向ける。
「ここで殺します」
「ごめんなさい、貴方達には何の恨みもありませんの」
「でも、死んだ国王と同じ考え方ならもう容赦はしない」
「他国の事にここまで関わっていいのか分からないけど…でも、報われない終わりなんて…わたしは認めないから」
ミオ、シャル、メジーナはそう言っていつでも戦う準備をする、人を殺した事はないし殺したくはないが、本当に止めるのなら殺すしかないのだ。
「フィオナ様…私は貴方に忠誠を誓います」
「おい!良いのか!?」
「ならお前はどうする?今フィオナ様達を失えば本当にこの国は滅びるぞ?」
兵士の大半は死に、内部もグチャグチャ、そんな中勇者パーティがこの国からいないくなれば、攻め滅ぼしてくれと言わんばかりの状況になる。
選択肢は2つあると見せかけて1つしかないのだ。
「…分かりました」
「我々側近もフィオナに忠誠を誓います」
兵士達は武器を捨て、死んだ国王の側近達もフィオナに忠誠を誓う事を宣言した。
これにより勇者リュークの反乱は成功して、フィオナは新たな国王としてこの国を統治する事になった。
———————————————————————
「すいません、皆さん僕の馬鹿な行動でこんな事になるなんて…」
「気にしないでください、私も父上の言動には殺意が湧きましたから」
「あたくし達は仲間ですのよ?」
「そうそうボク達はもう覚悟を決めたんだから」
「わたし達の事は気にしないでこれからの事を考えましょうよ、いきなりの事で国は大変なんだから」
少しの静寂の後、兵士の1人が国王が殺された事に気が付き大声で叫び出す、それによって我に返った他の兵士達も剣を抜いてリュークを囲む。
「勇者様!どう言う事ですか!」
「確かに国王様の発言は悪かったです!」
「しかし!殺してしまっては駄目です!」
兵士の言う通りだ、国王は言ってはいけない事を言った、しかし殺して良い理由にはならない、『気に食わないから殺す』は勇者がやって良い事ではないのだ。
「…すいません、例え僕のやっている事が"悪"だったとしても、"勇者"としてあるまじき行為だったとしても、僕は彼を許せませんでした」
「ですがこれでは貴族達は納得しませんよ!」
「そうです!資金援助の見返りを求めて援助している人達は丸損ですから!」
「このままでは外交問題にも繋がります!」
国王は死ぬ前に言っていた事だ、公爵家の2人…ミオとシャルよりも上の貴族はいないが、国王はおそらく権力を使って婚約に持ち込もうと考えていたのだろう。
「外交?貴族?…忘れてませんか?僕は魔王を倒した男、確かにクロウ様に比べたら弱いですけど…"彼の意思を引き継いだとしたら?"」
「え?」
「意思を引き継いだ?」
「どう言う事ですか?」
リュークは一体何を言っているのだろうか?
そう不思議に思うとフィオナは国王の玉座に向かって歩き始める。
「クロウ様は国王の悪事に気が付き、止めようとしたが怪我のせいで負けてしまった、しかし勇者リュークは英雄の意志を継いで革命を起こした…そして」
「次の国王は私になる」
フィオナは玉座に座って辺りを見回す、リュークはフィオナに向かって首を垂れる、そして周りの兵士達も合わせて首を垂れ始める。
「筋書きとしては良いと思いますが、皆さんはどう思いますか?」
王位継承権をフィオナは持っている、国王の娘であり、世界を救った勇者パーティのメンバーの1人でもある。
「しかし、国王様に援助をしていた者達が納得するとは思えません」
「仮に次の王…女王になったとしても外交問題もありますし、反乱を起こす者達も現れると思います」
「そうなった場合はどうするのですか?」
兵士達は反乱を起こしたフィオナ達と戦う事はせず、仮に本気で政権を引き継ぐとなった場合の危険を教えてくれている。
彼ら自身も命を救ってくれた者を無碍に扱う国王の姿には許せなかったのだろう。
「援助をしてくれた人達には私から感謝の言葉を伝えます、見返りの件は私は知りませんから何を言われても国王の独断と言えば済むでしょう」
縁談の話しも国王が勝手に決めた事だ、その国王がいない今、それを勝手に進める事は出来ない。
「外交問題は一から始めます、メジーナさんの国とは交流もありますし、先ずはそこからやっていきます」
フィオナも外交については多少は知識がある、大変な事になるのは分かっているが、賽は投げられた、進むしかない。
「反乱を起こす者達がいたとしても今の状態で内戦を起こそうとする馬鹿はいないでしょう、いたとしてもここには最強の兵士がいますから、毒だけを気をつければなんとかなります」
フィオナが次の国王になる事を反対して反乱を起こす者達がいたとしても、リュークがいる為武力では解決出来ないし、暗殺に関してもフィオナは普通に強い、毒さえ気をつければ殺される事はないだろう。
「予想外の出来事やアクシデントは起こるかもしれません、しかし国の為に戦った英霊達を無碍に扱う国が繁栄するとは思えません、だからこそ私達が新たな国づくりを行うのです」
フィオナは周りにいる者達に視線を配ると声を上げる。
「今回の件に反対する者達は今ここで言いなさい、それ以外の者達はこの中で起こった事を生涯話さないと誓いなさい…さもなくば…」
と、フィオナはミオ達を見る、シャル達はフィオナの今までの言動に驚きつつも自分達の暴挙を正当化する為にも覚悟を決める。
そしてリュークを囲む兵士達に剣を向ける。
「ここで殺します」
「ごめんなさい、貴方達には何の恨みもありませんの」
「でも、死んだ国王と同じ考え方ならもう容赦はしない」
「他国の事にここまで関わっていいのか分からないけど…でも、報われない終わりなんて…わたしは認めないから」
ミオ、シャル、メジーナはそう言っていつでも戦う準備をする、人を殺した事はないし殺したくはないが、本当に止めるのなら殺すしかないのだ。
「フィオナ様…私は貴方に忠誠を誓います」
「おい!良いのか!?」
「ならお前はどうする?今フィオナ様達を失えば本当にこの国は滅びるぞ?」
兵士の大半は死に、内部もグチャグチャ、そんな中勇者パーティがこの国からいないくなれば、攻め滅ぼしてくれと言わんばかりの状況になる。
選択肢は2つあると見せかけて1つしかないのだ。
「…分かりました」
「我々側近もフィオナに忠誠を誓います」
兵士達は武器を捨て、死んだ国王の側近達もフィオナに忠誠を誓う事を宣言した。
これにより勇者リュークの反乱は成功して、フィオナは新たな国王としてこの国を統治する事になった。
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「すいません、皆さん僕の馬鹿な行動でこんな事になるなんて…」
「気にしないでください、私も父上の言動には殺意が湧きましたから」
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