剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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〜最終章〜 剣ぺろ伝説

第215話 覚悟を決めた者達

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~クロウ•エムルが眠る墓場前にて~

「遅いですわよ、リュークさん、フィオナ様」

「すいませんミオ様、フィオナ様とクロウ様の話しをしていたら盛り上がってしまって」

クロウは1年前の戦争で亡くなった者達が眠る霊園に眠っている、墓を荒らす馬鹿は半年前クビになった腹いせに来たシラツキと言うクズだけだった。

「そう言えば、クロウを見捨てたあの馬鹿はどうなったんだっけ?」

「あの馬鹿は何を言っても理解出来ない程知能が低かったからその家族達が連帯責任として処刑されてたでしょ?」

シャルの言葉にメジーナは呆れながらそう答える、世界を救った英雄の墓を荒らす馬鹿は何を言っても理解する事が出来ず、それならばとその馬鹿の目の前で家族共々親類も含めて処刑したのだ。

「彼の家族や親類はフィオナ様を殺して国家転覆を狙っていた者達でしたから見せしめとしても有効と言う事でフィオナ様が実行したんですよ…忘れたんですか?」

「わ…忘れてはないよ!ただ…ちょっと皆んなを試しただけだよ!」

シャルはそう言ってメイディの質問に答える、間違いなく忘れていただろうが、この1年は本当に忙しかった為仕方ないだろう。

「その後、彼はこの国から追放されてその後は分からないんですよね?」

「はい、彼はもうあんな事はしないでしょう、目の前で家族を処刑した時に完全に心が折れた表情をしていましたから」

フィオナはリュークの問いにそう答えて、汚物を見るかのような目になった。
大切な人を侮辱したのだ、家族もフィオナ達と敵対すると言う事はそれくらいの覚悟があった筈だ。

「もうその話はいいでしょう?クロウさんにくだらない話しを聞かせるわけにもいきませんよ」

「それもそうですね、クロウ様…それにエムル様もそんな事気にしませんもんね」

フィオナとリュークはそう言ってクロウとエムルが眠る墓に花束を置く、日本と違い火葬ではなく土葬の為、死体の上に墓標が置いてある感じだ。

「それよりもあたくし達の事が気になって仕方ないと思いますわ」

「ボクもそう思います」

ミオとシャルはしゃがみ込んで、クロウとエムルが眠る墓を見つめる、本当に話したい事がいっぱいあるのだ。

「土葬って水質汚染とかに繋がるから本当は駄目なんだっけ?…あの世でクロウがそれに対しての文句を言ってそうね」

メジーナは現代日本が抱える移民問題の1つを思い出しながらそう呟く、同じ日本人だからこそ共感してくれるだろうと思って言ったのだ。

「相変わらずメジーナさんは変な事を言っていますが…まぁ気にしないでおきましょう」

「メジーナ様は相変わらずですね、(と言うか何故前世の話をするのだろうか?)」

フィオナとリュークは『いつもの事』だと右から左へと流す、メジーナもそれには気にせずクロウに声をかける。

「まぁ、こんな感じにわたし達は元気にやってるよ、仕事の方はかなりキツイけどね」

「確かにキツイですわね」

「ボクもそう思います」

他国から留学したメジーナだったが、魔王を倒した勇者パーティの1人と言う事でミリティア王国との外交を担当する事になり、定期的にこの国に来ているのだ。

ミオとシャルはこの国の公爵家として他の貴族達の統制を行い、フィオナと共に内政を整えている。

「相変わらず、皆さんは凄いね」

「何を言っているんですかメイディさん、貴女だって十分凄いですよ」

「ええ、リュークさんの言う通りです」

メイディはリューク達の事を褒めるが、リュークとフィオナは「貴女もね」っと称賛してくれる。

メイディの仕事は未だ蔓延る魔物達の討伐、つまり冒険者だ。

わたしはクロウ様を死なせてしまいました、でも、クロウ様はこの国を守る為にその使命を全うしました、なら、わたしのすべき事はクロウ様の後を継ぎ、この国を守る事ですから」

チューリア家のメイドを辞めて冒険者の道に進んだメイディ、その実力は1年前よりも上がっている。

「それでもたったの1年で"Sランク冒険者"になるなんて凄いですわ」

「ボクもそう思います」

ミオとシャルはそう言って今のメイディの姿を見る、服は未だにメイド服だが、それでも剣の腕は凄まじく、世間からはSランク冥土メイドと言われている。

———————————————————————
Q 何故騎士団ではなく、冒険者になったのか?

A 今後、フィオナやこの国の危機に騎士団と冒険者達が連携して動きやすくする為、と言う理由もある。

補足
魔王との戦争では国内を守る為に冒険者達は国に残っていた。



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