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〜最終章〜 剣ぺろ伝説
第216話 剣ぺろ伝説
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~城下町~
リューク達がクロウとエムルの墓参りを終えた後、街中の治安を調べる為に街の中を歩いていた。
「随分と賑わってますね」
「はい、これは一体?」
フィオナとリュークは周りの人達がいつもよりも盛り上がっている事に気づく、2人は視察と警備の為に時折り街中に行く為、変化に気づいたのだ。
…と、書いたが実際は賑わっていれば誰でも分かる。
「何か祭りでもあるのでしょうか?」
「ボクもそう思います」
「貴方達が知らないって…大丈夫なの?」
ミオ、シャル、メジーナも知らないらしく、あたりをキョロキョロと見回している、平民達が勝手にやっているのだろうが、国益に関する事なら止めないといけない。
「私が聞いて来ます」
「頼みました」
メイディはそう言うと近くにいる人に声をかける。
「すいません、ちょっと良いですか?」
「ん?ってメイディさん!?」
Sランク冒険者、そして勇者パーティの1人という事で知っている人が多いのだろう、声をかけた人はとても驚いている。
「と言うかフィオナ様まで!?…どうしてここに?」
「皆さんの生活を見ておこうと思いまして、案外バレないものなのですね」
フィオナ達は変装は全くしていない、声をかけるまでは誰も気づいていなかったのだ。
「それはこの国の女王様がこんな所に来るわけないと言う思い込みと今はお祭りで皆んな楽しんでいるからですね」
「お祭り?」
リュークが疑問に思うと平民は「はい」と答える。
「勇者リューク様の…と、言いたい所なんですが、今回は勇者リューク様を守る為に命をかけて戦った貴族クロウ様の勇姿を讃える為の祭りなんです」
「クロウ君の?」
「はい」
ミオはここまでクロウが有名人になっている事に驚く、クロウは名誉の戦死を遂げた英霊の1人として埋葬した筈だ。
「クロウ様は魔王が勇者様を殺す姿を見せつける為に全世界にその姿を見せていました、そんな中どんなに傷付いても最後まで諦めずに戦った姿が我々の心に深く刻まれたのです」
「凄いわね」
シャルもクロウの事を語る平民の言葉に ここまで皆から尊敬されている事に驚く、好きな人がここまで言われるなんて思っても見なかった。
「凄いんですよ、剣をペロペロしながら敵の一瞬の隙を狙ったあの姿!まさに後世に語り継がれる程の姿ですよ!」
「ちょっと待って剣ぺろ?」
さっきまでカッコよかった筈なのにいきなり「剣をペロペロ」と言って来たのでメジーナは驚く。
「知らないんですか?クロウ様は魔王が勇者様を殺さないようにあえて注意を引いて魔王が油断する一瞬の隙を自分の命を懸けて作ったんですよ」
「…その時に剣をペロペロしていたと?」
「はい、その姿が子供達には大人気で剣ぺろの英雄様とも言われているんですよ」
「…私のご主人様が…嬉しいような…悲しい様な…」
クロウのメイドだったメイディとしては名誉の様な不名誉の様な語り継がれ方に何とも言えない気持ちになる。
「だからこの祭りも『剣ぺろ祭り』って名前なんですよ」
「まぁ貴方達のクロウさんを思う気持ちはよく分かりました、ですが、私の許可なく勝手に祭りを開くのはやめてください、他国に私の許可なく勝手に祭りをやっているなんて知られたらこの国が舐められます」
フィオナの言う通りだ、平民が王族や貴族の意見も聞かず、許可も得ずに勝手にやるのは他国からすれば「統治も碌に出来ない無能な国」と言うレッテルを貼られる。
「それは…すいませんでした」
「分かれば良いんです、この祭り自体は私も賛成なのでこれからは毎年行う恒例行事としましょう」
「よろしいのですか?」
フィオナの提案にリュークはそう質問する、やる事自体はリュークも賛成だが、それでも勝手にやった者達に何もしないのは流石にまずいのでは?と思っているのだ。
「はい、その代わりに貴方にはこれを主催した人達に私が正式に開催させる祭りであり、これからも毎年開く様にする様にと言ってください、守らなければ罰則を与えるとも」
「は…はい!」
平民は元気よく頷くとすぐさま何処かに行ってしまった。
おそらく、主催者達に今の事を話に行ったのだろう。
「本当は平民達が勝手にやっても良いんですが、リスク回避の為です」
「リスクヘッジって奴ですね」
リュークの問いにフィオナは「はい」と答える
その後、この祭りは正式に開催され、後々語り継がれる物語の起源となった。
———————————————————————
その名は『剣ぺろ伝説』
リューク達がクロウとエムルの墓参りを終えた後、街中の治安を調べる為に街の中を歩いていた。
「随分と賑わってますね」
「はい、これは一体?」
フィオナとリュークは周りの人達がいつもよりも盛り上がっている事に気づく、2人は視察と警備の為に時折り街中に行く為、変化に気づいたのだ。
…と、書いたが実際は賑わっていれば誰でも分かる。
「何か祭りでもあるのでしょうか?」
「ボクもそう思います」
「貴方達が知らないって…大丈夫なの?」
ミオ、シャル、メジーナも知らないらしく、あたりをキョロキョロと見回している、平民達が勝手にやっているのだろうが、国益に関する事なら止めないといけない。
「私が聞いて来ます」
「頼みました」
メイディはそう言うと近くにいる人に声をかける。
「すいません、ちょっと良いですか?」
「ん?ってメイディさん!?」
Sランク冒険者、そして勇者パーティの1人という事で知っている人が多いのだろう、声をかけた人はとても驚いている。
「と言うかフィオナ様まで!?…どうしてここに?」
「皆さんの生活を見ておこうと思いまして、案外バレないものなのですね」
フィオナ達は変装は全くしていない、声をかけるまでは誰も気づいていなかったのだ。
「それはこの国の女王様がこんな所に来るわけないと言う思い込みと今はお祭りで皆んな楽しんでいるからですね」
「お祭り?」
リュークが疑問に思うと平民は「はい」と答える。
「勇者リューク様の…と、言いたい所なんですが、今回は勇者リューク様を守る為に命をかけて戦った貴族クロウ様の勇姿を讃える為の祭りなんです」
「クロウ君の?」
「はい」
ミオはここまでクロウが有名人になっている事に驚く、クロウは名誉の戦死を遂げた英霊の1人として埋葬した筈だ。
「クロウ様は魔王が勇者様を殺す姿を見せつける為に全世界にその姿を見せていました、そんな中どんなに傷付いても最後まで諦めずに戦った姿が我々の心に深く刻まれたのです」
「凄いわね」
シャルもクロウの事を語る平民の言葉に ここまで皆から尊敬されている事に驚く、好きな人がここまで言われるなんて思っても見なかった。
「凄いんですよ、剣をペロペロしながら敵の一瞬の隙を狙ったあの姿!まさに後世に語り継がれる程の姿ですよ!」
「ちょっと待って剣ぺろ?」
さっきまでカッコよかった筈なのにいきなり「剣をペロペロ」と言って来たのでメジーナは驚く。
「知らないんですか?クロウ様は魔王が勇者様を殺さないようにあえて注意を引いて魔王が油断する一瞬の隙を自分の命を懸けて作ったんですよ」
「…その時に剣をペロペロしていたと?」
「はい、その姿が子供達には大人気で剣ぺろの英雄様とも言われているんですよ」
「…私のご主人様が…嬉しいような…悲しい様な…」
クロウのメイドだったメイディとしては名誉の様な不名誉の様な語り継がれ方に何とも言えない気持ちになる。
「だからこの祭りも『剣ぺろ祭り』って名前なんですよ」
「まぁ貴方達のクロウさんを思う気持ちはよく分かりました、ですが、私の許可なく勝手に祭りを開くのはやめてください、他国に私の許可なく勝手に祭りをやっているなんて知られたらこの国が舐められます」
フィオナの言う通りだ、平民が王族や貴族の意見も聞かず、許可も得ずに勝手にやるのは他国からすれば「統治も碌に出来ない無能な国」と言うレッテルを貼られる。
「それは…すいませんでした」
「分かれば良いんです、この祭り自体は私も賛成なのでこれからは毎年行う恒例行事としましょう」
「よろしいのですか?」
フィオナの提案にリュークはそう質問する、やる事自体はリュークも賛成だが、それでも勝手にやった者達に何もしないのは流石にまずいのでは?と思っているのだ。
「はい、その代わりに貴方にはこれを主催した人達に私が正式に開催させる祭りであり、これからも毎年開く様にする様にと言ってください、守らなければ罰則を与えるとも」
「は…はい!」
平民は元気よく頷くとすぐさま何処かに行ってしまった。
おそらく、主催者達に今の事を話に行ったのだろう。
「本当は平民達が勝手にやっても良いんですが、リスク回避の為です」
「リスクヘッジって奴ですね」
リュークの問いにフィオナは「はい」と答える
その後、この祭りは正式に開催され、後々語り継がれる物語の起源となった。
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その名は『剣ぺろ伝説』
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