【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです

山葵

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「大神官長様、た、大変です!せ、聖女様が、聖女様が倒れましたぁ!!」

神官長が、青ざめた顔をして慌てて報告にやって来た。

聖女は、人は癒す事が出来ても自分を癒す事は出来ない。

聖女が倒れたという事は、後1年で御隠れになるという事。
御隠れになる前に、新聖女を探しだし聖女として育てなければ、この国は危機に見舞われる。

大神官長は、直ぐに国王陛下に謁見のお伺いを申し入れた。

新たな聖女は、聖女が倒れた年に成人した娘だ。

聖女は、身分を問わない。

この国の今年16歳になり成人した女性全てが対象なのだ。

国王陛下は、直ぐに御触れを出す様に指示をした。

少しでも思い当たる者が居れば報告する様に!

国王陛下の御触れに眼の色を変えた貴族当主達は、成人を迎えた娘に変化がないか確認した。

平民に関しては、自分の領地から聖女が出れば!と直ぐに確認を始めさせる。
王都に住んでいる者は、神殿が調べた。



国王陛下の御触れにバーロック侯爵家でも、娘のロゼリアが聖女では?と魔法の変化が無いか調べるが、今までと変わりなく水魔法しか使えなかった。

「ねえ貴方。もしもよ、もしもあの時に始末した子が聖女だったなどという事はないわよね?もし、仮によ。始末した子が聖女ならば、この国は、いえ、私達は、どうなってしまうの?」

「死んだ者に聖女の力があるわけ無い。神も生きている者に力を与えるのだ。ロゼリアが聖女であればバーロック侯爵家は更に力を持てたのに。まあ良い。もしも聖女が平民であったなら、直ぐに養女として迎え入れれば良い話。」

バーロックは、聖女の継承の事など知るわけもない。
ただ神が、聖女が倒れた時に成人した娘の中から適当に選んで力を与えていると考えている。
産まれながらに聖女として命を授かったなどと思っていないのだ。

「聖女の力は、産まれながらに持っているものではないのね?なら安心したわ。そうよね、忌子として産まれた子が聖女の力を持っているはずなど無いわよね。」

「そうだ。忌み嫌われた忌子が聖女であるはずがない。お前も2度とその話しなどするなっ。どこで誰が聞いているのか分からん。我がバーロック侯爵家には、娘はロゼリアしか居ない。その事を知っているのは、私とお前だけなのだ。お前も余計な事を言ってバーロック侯爵家に傷を付けるならば、産婆や、使用人達の様に口封じするぞっ!!」

グロリアは、夫であるギブロンを見て「ヒッー!」と悲鳴をあげた。
彼ならば妻である私をも簡単に殺すのだろうと。

ギブロンは、己の為なら人を人とも思わない。
使える者は死ぬまでこき使い、要らなくなれば簡単に切り捨てる。
その為、王族、貴族に疎まれている。

ギブロンは、従者に「どこよりも早く聖女を探し出せ!バーロック侯爵家を馬鹿にした者達に頭を下げさせるのだ。金はいくら掛けても構わない。何が何でも探し出すのだっ!!」と叫んだ。

それから3ヶ月が過ぎたが、聖女は、見付かっていない。

「大神官長、まだ新聖女は、見付からぬのか?」

「どうやら貴族令嬢の中には居なかった様です。平民で今年、成人を迎える者を一人一人当たっておりますが、まだ見付かったとの報告は来てはおりません。もう暫く時間が掛かるかと…」

「何としても聖女が亡くなる前に見つけ出すのだ。」

「御意」
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