【完結】私の婚約者は、親友の婚約者に恋してる。

山葵

文字の大きさ
1 / 3

1 シルビア視点

しおりを挟む
私の婚約者のグリード様には好きな人がいる。

その方は、グリード様の親友、ギルス様の婚約者のナリーシャ様。

2人を見詰め辛そうな顔をするグリード様を婚約者の私は見ていた。

そんな時だった…。

ナリーシャ様のお父様が脱税、横領の罪で捕まったのだ。

ナリーシャ様のお父様は処罰され伯爵家は取り潰し、残された家族は爵位を剥奪され平民になった。

勿論、侯爵家の嫡男ギルス様とナリーシャさんとの婚約は解消された。

それを聞いたグリード様は、ギルス様の胸ぐらを掴み叫んだ。

「お前はナリーシャを好きだったのではないのか!?ナリーシャが平民になれば簡単に捨てる存在だったのか!?」

「何を言っているのだ?ナリーシャとは、家同士の政略結婚だ。私達の間に恋愛感情はなかった。平民となったナリーシャと結婚するなんて有り得ない。お前も貴族なら、そのくらい分かるだろう?」

「お前はナリーシャを助けたいとは思わないのか!?お前がそんな奴だとは思わなかったよ。ギルス、お前との付き合いもこれまでだなっ!」

帰りの馬車の中で私はグリード様に尋ねた、

「わたくしとの婚約を解消しますか?」

私の言葉にグリード様は驚いている。

「ナリーシャ様が好きなのですよね?困っている彼女に寄り添い助けて上げたいのですよね?」

「……」

「わたくしは結婚前から愛人がいる方との結婚は了承致しかねます。グリード様がどうしたいのか…わたくしは出された答えに従いますわ」

侯爵家を捨て庶民になるのか…私と婚約破棄をして結婚前から愛人が居る人に理解ある婚約者を捜す、これはお互いの家にメリットがないと難しいわよね。
それとも、このまま私と黙って結婚するのか…。


1週間が過ぎた頃、お父様に執務室へと呼ばれる。

そこにはグリード様の父、スバイル侯爵様も居た。

やっとグリード様が答えを出したのね。

「シルビア…とても残念な事だが、グリード君との婚約は破棄となった」

「そうですか…」

「シルビア嬢、申し訳ない。うちの愚息は廃嫡し、スバイル侯爵家から追い出した」

彼はナリーシャと共に平民になる事を選んだ様だ。
それ程にグリード様はナリーシャさんを愛しているのだろう。

「グリード君は、スバイル侯爵に結婚前から愛人を囲いたいと言って来たそうだ。いくら高位貴族が妾や愛人を囲っている者が居るとは言え、それは結婚後の事。婚約中になど流石に有り得ん。スバイル侯爵も説得した様だが…」

「大丈夫です。婚約破棄の事はお父様に全てお任せ致します」

週末明けに学園に行くと、ギルス様が入口で私を待っていた。

「おはよう、シルビア。グリードと婚約破棄したと聞いたのだが…」

「もうお聞きになりましたか?」

「まさかと思うが、ナリーシャが原因か?」

「……」

「はぁー。あいつがナリーシャを好きなのは薄々気が付いていたが…馬鹿な奴だ」

「身分を捨てても共に居たい方なのでしょう」

「それが馬鹿だと言うのだ。ナリーシャは、気が強く我が儘で贅沢が大好きな女だ。そんなあいつが平民の暮らしなど出来る筈がない。噂では昔のつてを頼って愛人にしてくれそうな女好きの高位貴族に声を掛けているとか…」

「そうなんですか?ナリーシャさんが、そんな方だとは知りませんでしたわ。ではグリード様は…」

「ああ廃嫡されたと知れば見向きもされないだろうね」

「まぁ…」

「彼が心配?」

「いえ、性格が悪いと言われるでしょうが、いい気味ですわ」

その後、ギルス様の言った通り、グリードが平民になったと知らなかったナリーシャは、訪ねて来たグリードを喜んで招き入れた。
グリードの告白を受け入れた後に逃がしてなるものかと早々に身体の関係を持った。
次の日の朝、グリードが廃嫡された話すと激怒し家から追い出した。

ナリーシャに追い出され途方に暮れたグリードは、スバイル侯爵に謝って許して貰おうと屋敷を訪れたが門が開かれる事はなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。

【完】お望み通り婚約解消してあげたわ

さち姫
恋愛
婚約者から婚約解消を求められた。 愛する女性と出会ったから、だと言う。 そう、それなら喜んで婚約解消してあげるわ。 ゆるゆる設定です。3話完結で書き終わっています。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。

婚約者の様子がおかしいので尾行したら、隠し妻と子供がいました

Kouei
恋愛
婚約者の様子がおかしい… ご両親が事故で亡くなったばかりだと分かっているけれど…何かがおかしいわ。 忌明けを過ぎて…もう2か月近く会っていないし。 だから私は婚約者を尾行した。 するとそこで目にしたのは、婚約者そっくりの小さな男の子と美しい女性と一緒にいる彼の姿だった。 まさかっ 隠し妻と子供がいたなんて!!! ※誤字脱字報告ありがとうございます。 ※この作品は、他サイトにも投稿しています。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

処理中です...