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2 ギルス視点
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グリードが僕を訪ねて来た。
スバイル侯爵との間に入ってくれる様に頼みに来たのだ。
「君は僕を罵っておいて、よくもそんな事が言えたね。僕とナリーシャには格差が出来ての婚約破棄。しかし君は、自分勝手に行動して身分も婚約者であったシルビアをも捨てたんだ。今更、戻りたいなんて都合が良すぎるよね?」
「………」
「そう言う事だから、もう2度と会いに来ないでくれ。ああ君が幸せに出来なかったシルビアは、僕が幸せにするから、彼女にも近付かないでくれ!近付いたら殺すよ!!さぁ話は終わりだ。帰ってくれ」
そろそろシルビアが来る時間になる。
彼女とグリードを会わせるわけにはいかなかったが、ここで話をして置かないとグリードはシルビアを訪ねて行くかも知れないと思った。
グリードを屋敷から追い出すとシルビアが乗る馬車が見えた。
ギリギリ間に合った様だ。
馬車に気が付いたグリードが、こちらを見ている。
シルビアの手を取りエスコートすると彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめている。
なんて可愛いんだ。
グリードにざまぁみろ!と言うように、ニヤッと笑うとシルビアと共に屋敷に入った。
やっと手に入れたシルビア。
親友の婚約者だと諦めていた。
彼女と親友の姿に、いつも嫉妬していた。
だから僕は気が付いたんだ。
親友の目に映るのはシルビアではなく、僕の婚約者だと…。
シルビアもそれに気が付いている様だ。
そして僕の婚約者のナリーシャも…。
このままではシルビアは幸せになれない。
親友では彼女を幸せに出来ないのだ。
あぁ出来る事なら僕が彼女を幸せにしたい。
父上が伯爵家の不穏な動きから、ナリーシャとの婚約は破棄するつもりだと言われた。
僕は、驚いたが、これはチャンスかもしれないと思った。
ナリーシャと僕の婚約が破棄されればグリードは、ナリーシャとの結婚を望む。
彼が婚約を破棄すれば僕はシルビアと婚約が出来る。
父上から話を聞いた数日後に伯爵が逮捕された。
伯爵家は取り潰され、ナリーシャは平民になった。
これは予想外だった。
ナリーシャが平民になったので有れば、いくら好きとはいえ貴族である以上、グリードも彼女を諦めるしかない。
グリードは、ナリーシャを諦め、シルビアと結婚してしまう。
どうしたものかと悩んでいるとグリードが僕にナリーシャを助けないのか?と食って掛かってきた。
これは、またもやチャンスなのではないのか?
あんな我が儘で自分を着飾る事しか興味が無い馬鹿な女の為に身分を捨てるなんて愚かとしか思えないが、グリードなら愚かにも身分より愛を取るとか言いそうだ。
馬鹿な彼は結婚前にナリーシャを愛人に持ちたいと言い出し、侯爵から廃嫡され追い出された。
僕は父上にシルビアとの婚約を頼むと、話は直ぐに纏まった。
「シルビア、僕は君だけを愛すると誓う。ずっと君が好きだった」
「ギルス様が わたくしを?気が付きませんでした」
「君はグリードを見ていたからね…」
「彼は、わたくしの事など気にしておりませんでしたが…」
「グリードが好きだった?」
「?いえ特には…彼がナリーシャ様を好きなのだと気が付いていましたので、彼を好きになる事は有りませんでしたわ。ですから婚約破棄になっても涙も出ませんでした」
「僕の目にはシルビアしか映らなかった。僕と結婚してくれませんか?」
「うふふ、もう婚約してますわ」
「ちゃんと自分の口で言いたかったんだ」
「結婚をお受け致します。どうか幸せにして下さいまし」
彼女を本当に手に入れた時だった!
スバイル侯爵との間に入ってくれる様に頼みに来たのだ。
「君は僕を罵っておいて、よくもそんな事が言えたね。僕とナリーシャには格差が出来ての婚約破棄。しかし君は、自分勝手に行動して身分も婚約者であったシルビアをも捨てたんだ。今更、戻りたいなんて都合が良すぎるよね?」
「………」
「そう言う事だから、もう2度と会いに来ないでくれ。ああ君が幸せに出来なかったシルビアは、僕が幸せにするから、彼女にも近付かないでくれ!近付いたら殺すよ!!さぁ話は終わりだ。帰ってくれ」
そろそろシルビアが来る時間になる。
彼女とグリードを会わせるわけにはいかなかったが、ここで話をして置かないとグリードはシルビアを訪ねて行くかも知れないと思った。
グリードを屋敷から追い出すとシルビアが乗る馬車が見えた。
ギリギリ間に合った様だ。
馬車に気が付いたグリードが、こちらを見ている。
シルビアの手を取りエスコートすると彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめている。
なんて可愛いんだ。
グリードにざまぁみろ!と言うように、ニヤッと笑うとシルビアと共に屋敷に入った。
やっと手に入れたシルビア。
親友の婚約者だと諦めていた。
彼女と親友の姿に、いつも嫉妬していた。
だから僕は気が付いたんだ。
親友の目に映るのはシルビアではなく、僕の婚約者だと…。
シルビアもそれに気が付いている様だ。
そして僕の婚約者のナリーシャも…。
このままではシルビアは幸せになれない。
親友では彼女を幸せに出来ないのだ。
あぁ出来る事なら僕が彼女を幸せにしたい。
父上が伯爵家の不穏な動きから、ナリーシャとの婚約は破棄するつもりだと言われた。
僕は、驚いたが、これはチャンスかもしれないと思った。
ナリーシャと僕の婚約が破棄されればグリードは、ナリーシャとの結婚を望む。
彼が婚約を破棄すれば僕はシルビアと婚約が出来る。
父上から話を聞いた数日後に伯爵が逮捕された。
伯爵家は取り潰され、ナリーシャは平民になった。
これは予想外だった。
ナリーシャが平民になったので有れば、いくら好きとはいえ貴族である以上、グリードも彼女を諦めるしかない。
グリードは、ナリーシャを諦め、シルビアと結婚してしまう。
どうしたものかと悩んでいるとグリードが僕にナリーシャを助けないのか?と食って掛かってきた。
これは、またもやチャンスなのではないのか?
あんな我が儘で自分を着飾る事しか興味が無い馬鹿な女の為に身分を捨てるなんて愚かとしか思えないが、グリードなら愚かにも身分より愛を取るとか言いそうだ。
馬鹿な彼は結婚前にナリーシャを愛人に持ちたいと言い出し、侯爵から廃嫡され追い出された。
僕は父上にシルビアとの婚約を頼むと、話は直ぐに纏まった。
「シルビア、僕は君だけを愛すると誓う。ずっと君が好きだった」
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「君はグリードを見ていたからね…」
「彼は、わたくしの事など気にしておりませんでしたが…」
「グリードが好きだった?」
「?いえ特には…彼がナリーシャ様を好きなのだと気が付いていましたので、彼を好きになる事は有りませんでしたわ。ですから婚約破棄になっても涙も出ませんでした」
「僕の目にはシルビアしか映らなかった。僕と結婚してくれませんか?」
「うふふ、もう婚約してますわ」
「ちゃんと自分の口で言いたかったんだ」
「結婚をお受け致します。どうか幸せにして下さいまし」
彼女を本当に手に入れた時だった!
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