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第二章
10. 新しい材料と魔道具研究室
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トントントン
「あけてくださぁ~い。」
そんな声がしてドアを開けると、両手にたくさんの実を抱えたトトさんがいた。足元には魔花もある。
「クルクルの実がうち研究室の手によって高く売れたという情報が流れているらしく、ぜひ使ってくれとここに来るまでにこんなに渡されました。なんでもいいから、とにかく作ってみてくれと。」
トトさんは困ったような、でも興奮したような声を出した。
「ふふふふふ、ようやくうちの研究の凄さがわかったわね。」
クロッカさんは大喜びである。
「この感じだと、当分は材料が向うからやってくるから、調合料理し放題ねっ!ひとまず、どれくらいの効果でどんな効力があるのか、全部チェックしましょ。」
トトさんは貰った木の実はテーブルの上に、魔花は壁際に並べておくと、これも頂きましたとポケットから2枚の紙を出した。紙は魔木研究室と魔花研究室から魔木、魔花の効果とランクが絵付きで記載してあった。
「随分と丁寧じゃない。」
クロッカさんは満足な様子だ。今までどこの研究室にもあまり相手にされなかったのかもしれない。とりあえず、それぞれを並べて効果と効力を書いた紙を張り付けていった。
魔木研究室からは
グリンの葉【神経プラス効果3】、チャオの実【神経マイナス効果3】、スキップの実【体プラス効果3】、サバの小枝【魔力プラス2】
魔花研究室からは
カシュ花【爪のびる効果2】、ルリ花【疲労回復効果1】、サン花【高笑い効果4】、ボテン【水分増量効果1】、クロ【眠り妨害効果3】
魔木研究室の記載が大まかなのに対して魔花研究室のはきちんと調べられている。
「ちっ、魔木研究室の奴らめ。面倒くさがって最低限の検査しかしなかったわね。それに対して魔花研究室はちゃん
と細かいところまで検査しているわ。よし!魔花研究室のを優先的につかってやろう!」
クロッカさんがパンとテーブルを叩いて言った。
「く、クロッカさん、口調が・・・。」
トトさんの言葉に、クロッカさんはあら?と笑顔を返した。私は魔木研究室がくれた実をこっそりチェックする。
グリンの葉【爽快効果3】チャオの実【神経麻痺効果4】スキップの実【脚力増強3】サバの小枝【魔力回復2】
そうか。神経マイナスって確かに麻痺させたらマイナスの効果なんだろうけど、神経を麻痺させることで痛みを緩和することが出来るのなら、プラスの使い方もできるかもしれない。それに・・・体が麻痺するということは相手の自由を奪うということにもなるから、私の攻撃材料にも使えるかもしれない。
私はこの世界にもっと他にも神経麻痺効果を持つ実があるのかどうか調べてみようと心に決めた。
「仕方ない、魔木研究室が持ってきたものでプラス効果のものは私とトトで食べて調べるわよ。というか、味を確かめなきゃいけないから結局全部食べなきゃいけないんだけどね。」
クロッカさんはそう言うとグリンの葉を少しかじった。
「トトはスキップの実ね。とりあえず、剥いてかじってみればいいわ。ライファはボテンをちょっと食べてみて。効果は1だし、ライファが食べても大丈夫だと思うわ。」
食べてから30分後、クロッカさんとトトさんが自身の体をくまなくチェックしている。
「何が、何が変わったの?」
体をアチコチ確認しては、分からん!と呟くクロッカさん。トトさんは立ち上がって歩いたり、跳んだり、手を振り回したりと体操のようなことを始めた。
「あ、わかりました。これ、脚力が強くなるみたいです。いつもより高く飛べる気がしますし、歩くのも足が軽い。」
おぉー、あんなに少し食べただけなのに分かるんだ。私はトトさんの分析力に感心した。その傍らではクロッカさんがまたグリンの葉を食べているところだった。
効果が続いている間に次の効果のあるものを体内に入れるのは危険である。一つの効力が消えてからでないと次の効果を試すことができないことで、チャオの実以外の全ての魔木や魔花を能力と味を確認するのに今日1日はかかりそうだな、と私は思った。
「オーッホッホッホッホッホ。オーホッホッホッホッホ!」
昼食後、サン花の味を確認し高笑いが止まらなくなっているクロッカさんに、ちょっと魔道具研究室に行ってきてもいいですか?と声をかける。
「今は体内に効力が残っていて他の実の確認をずることもできませんし、魔道具研究室のグラントさんに試してほしいものがあると言われているのです。」
「いいわよ、オーッホッホッホッホ!あまり遅くならずに戻ってきてね、オーッホッホッホッホ!」
私はクロッカさんにわかりましたと伝えると魔道具研究室へと向かった。
2階にある扉をひとつひとつ確認する。
「魔道具研究室は~っと、あぁ、これか。」
魔道具研究室は研究室の最奥にあり、扉の両脇には木やら金属の塊やらがもっさりと置かれている。私は研究室の扉をノックし「調合研究室のライファと申しますがグラントさんはいらっしゃいますか?」と声をかけた。
「え?何?」
と声がしてドアが開くと同時に、ガガガガガ、ギュイーンと物凄い音量がする。ドアを開けてくれた人は私の口元に耳を寄せて要件を確認すると、あぁと言ってグラントさんを呼んできてくれた。
「どうも。」
グラントさんは私を研究室の中に入れ、手振りで着いてこいと言った。研究室内は色々な道具や材料がグループごとに散らかっていて、それらを踏まないように注意しながら歩く。グラントさんは途中の魔道具の山に手をのばすと、そこから一つの魔道具を掴んでからまた歩き始めた。魔木研究室の時同様、研究室の裏口から階段を下り研究室の裏庭へ行く。
「あの音の中では煩くてな。すまんが、この魔道具を試してみてくれ。」
「これはどういう魔道具なんですか?」
渡された魔道具は20cmくらいの大きさで人間のような手がある。手のある箱と言った方がいいか。
「お掃除魔道具だ。ここに生活に支障がない程度の魔力を注ぎ込んでくれ。」
私は言われた通りに、自分の中にある魔力の5分の1程度を注ぎ込んだ。魔道具はウィンと音を立てて動き、体の部分からほうきを出すとその辺を掃き始めた。ここが森の中の為、そのお掃除の制度までは分からないが。そして、1m程の木にぶつかるとにょきにょきっと両腕を伸ばし、葉の表面のゴミを払おうとしたところで動きが止まった。
「そうか、これしか動けないか。」
グラントさんの口ぶりからすると、もっと色々とできることがあるらしい。
「本当にこの魔力量が生活に支障が出ない最大量なのか?」
「はい、このくらいで私の魔力の5分の1程度を消費しています。」
「そうか、そうなると・・・他から自動で魔力を供給する機能を加えた方がいいのかもな。」
「え?他から自動で魔力を供給するってそんなことが出来るのですか?」
「あぁ、可能か不可能かでいえば、可能だ。ちょっと複雑な魔法陣にはなるがな。たとえば、その魔法陣にそこの魔木の魔力を登録する。そうすると、この掃除ロボットの魔力が空になると、自動で魔木の魔力を吸い取って魔力をチャージするというわけだ。」
「すごい、そんなことも出来るんですね。」
「実用化するためには色々と制約が必要になってくる魔法陣だから、面倒くさがってあまり使われないんだ。」
そうか、そういう機能があれば私の小弓も簡単に遠くまで飛ばすことが出来るようになるだろうか。実は小弓の魔道具化はユーリスアでの誘拐事件の後から考えてはいた。あの時、片手で小弓を使えないということは不便だと感じたのだ。
それにローリエの近くでアオタケを採り、魔獣に抱えられてさらわれた時も片手で小弓を使えたのならわざわざ魔獣のお尻の中に指を突っ込んで眠り玉を入れる必要もなかった。
「あの、グラントさん、実はご相談があるのですが。いや、ご相談と言うか依頼と言うか。」
「なんだ?」
私は自分が持っている小弓と眠り玉を出した。そして、片手でこの眠り玉を遠くまで飛ばせる魔道具が欲しいのだと告げた。
「私、食材を集めに世界を旅するのが夢なのです。なので、この魔力でも扱える武器が欲しくて。勿論、材料費や報酬はお支払いします。」
「1から魔道具を作るとなると結構かかるぞ。」
「どれくらいかかりますか?」
「30万オンは必要だろうな。」
「わかりました。30万オンお支払いします。」
「いいだろう。しばらく時間はかかるぞ。」
「大丈夫です。私1年はこっちにいるつもりなので。」
「・・・さすがにそこまではかからん。」
グラントさんはポソッと呟いた。
「では、私はそろそろ戻ります。武器のことよろしくお願いします。」
そう言って頭を下げると、あぁ、とだけ声が聞こえた。
その後調合研究室に戻り、今度は爪を長くしたクロッカさんとギラギラした目のトトさんと一緒にのびケーキを作り、調合研究室にある小さな保管ボックスにしまった。トトさんにはレシピをメモしてもらい、調合研究室のレシピとして今までクロッカさんが考案したレシピと共にファイリングした。
「あけてくださぁ~い。」
そんな声がしてドアを開けると、両手にたくさんの実を抱えたトトさんがいた。足元には魔花もある。
「クルクルの実がうち研究室の手によって高く売れたという情報が流れているらしく、ぜひ使ってくれとここに来るまでにこんなに渡されました。なんでもいいから、とにかく作ってみてくれと。」
トトさんは困ったような、でも興奮したような声を出した。
「ふふふふふ、ようやくうちの研究の凄さがわかったわね。」
クロッカさんは大喜びである。
「この感じだと、当分は材料が向うからやってくるから、調合料理し放題ねっ!ひとまず、どれくらいの効果でどんな効力があるのか、全部チェックしましょ。」
トトさんは貰った木の実はテーブルの上に、魔花は壁際に並べておくと、これも頂きましたとポケットから2枚の紙を出した。紙は魔木研究室と魔花研究室から魔木、魔花の効果とランクが絵付きで記載してあった。
「随分と丁寧じゃない。」
クロッカさんは満足な様子だ。今までどこの研究室にもあまり相手にされなかったのかもしれない。とりあえず、それぞれを並べて効果と効力を書いた紙を張り付けていった。
魔木研究室からは
グリンの葉【神経プラス効果3】、チャオの実【神経マイナス効果3】、スキップの実【体プラス効果3】、サバの小枝【魔力プラス2】
魔花研究室からは
カシュ花【爪のびる効果2】、ルリ花【疲労回復効果1】、サン花【高笑い効果4】、ボテン【水分増量効果1】、クロ【眠り妨害効果3】
魔木研究室の記載が大まかなのに対して魔花研究室のはきちんと調べられている。
「ちっ、魔木研究室の奴らめ。面倒くさがって最低限の検査しかしなかったわね。それに対して魔花研究室はちゃん
と細かいところまで検査しているわ。よし!魔花研究室のを優先的につかってやろう!」
クロッカさんがパンとテーブルを叩いて言った。
「く、クロッカさん、口調が・・・。」
トトさんの言葉に、クロッカさんはあら?と笑顔を返した。私は魔木研究室がくれた実をこっそりチェックする。
グリンの葉【爽快効果3】チャオの実【神経麻痺効果4】スキップの実【脚力増強3】サバの小枝【魔力回復2】
そうか。神経マイナスって確かに麻痺させたらマイナスの効果なんだろうけど、神経を麻痺させることで痛みを緩和することが出来るのなら、プラスの使い方もできるかもしれない。それに・・・体が麻痺するということは相手の自由を奪うということにもなるから、私の攻撃材料にも使えるかもしれない。
私はこの世界にもっと他にも神経麻痺効果を持つ実があるのかどうか調べてみようと心に決めた。
「仕方ない、魔木研究室が持ってきたものでプラス効果のものは私とトトで食べて調べるわよ。というか、味を確かめなきゃいけないから結局全部食べなきゃいけないんだけどね。」
クロッカさんはそう言うとグリンの葉を少しかじった。
「トトはスキップの実ね。とりあえず、剥いてかじってみればいいわ。ライファはボテンをちょっと食べてみて。効果は1だし、ライファが食べても大丈夫だと思うわ。」
食べてから30分後、クロッカさんとトトさんが自身の体をくまなくチェックしている。
「何が、何が変わったの?」
体をアチコチ確認しては、分からん!と呟くクロッカさん。トトさんは立ち上がって歩いたり、跳んだり、手を振り回したりと体操のようなことを始めた。
「あ、わかりました。これ、脚力が強くなるみたいです。いつもより高く飛べる気がしますし、歩くのも足が軽い。」
おぉー、あんなに少し食べただけなのに分かるんだ。私はトトさんの分析力に感心した。その傍らではクロッカさんがまたグリンの葉を食べているところだった。
効果が続いている間に次の効果のあるものを体内に入れるのは危険である。一つの効力が消えてからでないと次の効果を試すことができないことで、チャオの実以外の全ての魔木や魔花を能力と味を確認するのに今日1日はかかりそうだな、と私は思った。
「オーッホッホッホッホッホ。オーホッホッホッホッホ!」
昼食後、サン花の味を確認し高笑いが止まらなくなっているクロッカさんに、ちょっと魔道具研究室に行ってきてもいいですか?と声をかける。
「今は体内に効力が残っていて他の実の確認をずることもできませんし、魔道具研究室のグラントさんに試してほしいものがあると言われているのです。」
「いいわよ、オーッホッホッホッホ!あまり遅くならずに戻ってきてね、オーッホッホッホッホ!」
私はクロッカさんにわかりましたと伝えると魔道具研究室へと向かった。
2階にある扉をひとつひとつ確認する。
「魔道具研究室は~っと、あぁ、これか。」
魔道具研究室は研究室の最奥にあり、扉の両脇には木やら金属の塊やらがもっさりと置かれている。私は研究室の扉をノックし「調合研究室のライファと申しますがグラントさんはいらっしゃいますか?」と声をかけた。
「え?何?」
と声がしてドアが開くと同時に、ガガガガガ、ギュイーンと物凄い音量がする。ドアを開けてくれた人は私の口元に耳を寄せて要件を確認すると、あぁと言ってグラントさんを呼んできてくれた。
「どうも。」
グラントさんは私を研究室の中に入れ、手振りで着いてこいと言った。研究室内は色々な道具や材料がグループごとに散らかっていて、それらを踏まないように注意しながら歩く。グラントさんは途中の魔道具の山に手をのばすと、そこから一つの魔道具を掴んでからまた歩き始めた。魔木研究室の時同様、研究室の裏口から階段を下り研究室の裏庭へ行く。
「あの音の中では煩くてな。すまんが、この魔道具を試してみてくれ。」
「これはどういう魔道具なんですか?」
渡された魔道具は20cmくらいの大きさで人間のような手がある。手のある箱と言った方がいいか。
「お掃除魔道具だ。ここに生活に支障がない程度の魔力を注ぎ込んでくれ。」
私は言われた通りに、自分の中にある魔力の5分の1程度を注ぎ込んだ。魔道具はウィンと音を立てて動き、体の部分からほうきを出すとその辺を掃き始めた。ここが森の中の為、そのお掃除の制度までは分からないが。そして、1m程の木にぶつかるとにょきにょきっと両腕を伸ばし、葉の表面のゴミを払おうとしたところで動きが止まった。
「そうか、これしか動けないか。」
グラントさんの口ぶりからすると、もっと色々とできることがあるらしい。
「本当にこの魔力量が生活に支障が出ない最大量なのか?」
「はい、このくらいで私の魔力の5分の1程度を消費しています。」
「そうか、そうなると・・・他から自動で魔力を供給する機能を加えた方がいいのかもな。」
「え?他から自動で魔力を供給するってそんなことが出来るのですか?」
「あぁ、可能か不可能かでいえば、可能だ。ちょっと複雑な魔法陣にはなるがな。たとえば、その魔法陣にそこの魔木の魔力を登録する。そうすると、この掃除ロボットの魔力が空になると、自動で魔木の魔力を吸い取って魔力をチャージするというわけだ。」
「すごい、そんなことも出来るんですね。」
「実用化するためには色々と制約が必要になってくる魔法陣だから、面倒くさがってあまり使われないんだ。」
そうか、そういう機能があれば私の小弓も簡単に遠くまで飛ばすことが出来るようになるだろうか。実は小弓の魔道具化はユーリスアでの誘拐事件の後から考えてはいた。あの時、片手で小弓を使えないということは不便だと感じたのだ。
それにローリエの近くでアオタケを採り、魔獣に抱えられてさらわれた時も片手で小弓を使えたのならわざわざ魔獣のお尻の中に指を突っ込んで眠り玉を入れる必要もなかった。
「あの、グラントさん、実はご相談があるのですが。いや、ご相談と言うか依頼と言うか。」
「なんだ?」
私は自分が持っている小弓と眠り玉を出した。そして、片手でこの眠り玉を遠くまで飛ばせる魔道具が欲しいのだと告げた。
「私、食材を集めに世界を旅するのが夢なのです。なので、この魔力でも扱える武器が欲しくて。勿論、材料費や報酬はお支払いします。」
「1から魔道具を作るとなると結構かかるぞ。」
「どれくらいかかりますか?」
「30万オンは必要だろうな。」
「わかりました。30万オンお支払いします。」
「いいだろう。しばらく時間はかかるぞ。」
「大丈夫です。私1年はこっちにいるつもりなので。」
「・・・さすがにそこまではかからん。」
グラントさんはポソッと呟いた。
「では、私はそろそろ戻ります。武器のことよろしくお願いします。」
そう言って頭を下げると、あぁ、とだけ声が聞こえた。
その後調合研究室に戻り、今度は爪を長くしたクロッカさんとギラギラした目のトトさんと一緒にのびケーキを作り、調合研究室にある小さな保管ボックスにしまった。トトさんにはレシピをメモしてもらい、調合研究室のレシピとして今までクロッカさんが考案したレシピと共にファイリングした。
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