154 / 226
第三章
50. 帰還
しおりを挟む
「そういえば幽玄の木を見つけたって?」
「うん、そうなんだよ。ニコラウスさんが手が大きくなって伸びる薬を調合してくれて、びゅーん、どーん!って道を塞いだんだ!!調合、凄いんだよ。研究者ってすごい。今までになかった新しい視点を教えてもらったんだ。」
「ライファさん、そんなに褒めてもそう簡単には調合について教えないよ。」
「そう言わずにもっと色々と教えてくださいよ~。」
「だめ。」
「ニコラウスさ~ん。」
「まぁまぁ、ライファ、ほら、元の空間に戻る準備をしないと。いつまでもこの空間にいるわけにはいかないだろ。」
「そうだね。」
「それもそうですが、ライファさん、私はお腹がすいたなぁ。」
ニコラウスさんはいつまでも呑気だ。何を呑気な事を!と言いかけてレイを見た。この3日間、レイは何を食べていたのだろう。レベッカ様が料理をしてくれたのだろうか?そう考えて料理をするレベッカ様を想像しようとしたが全く創造できなかった。
「レイ、ちゃんとご飯たべていた?」
「うん、まぁ。」
しらっと空に視線をやったレイ。これはちゃんと食べてはなかったな。
「はぁ、先に腹ごしらえをしますか。」
こういっては何だがレイがいると便利だ。川に行けばホイッと魚を捕まえてくるし、獣がいればお肉だってポイッと捕まえる。
「レイさんって本当に便利ですね。」
「ぶっ!」
思っていたことがニコラウスさんの声によって言葉になって思わず吹き出した。
「便利って・・・。褒め言葉ととっておきますね。」
苦笑いするレイを横目に、ごめんと心の中でつぶやいた。
「そういえばライファ、荷物持ってきたよ。」
レイは先生たちと繋がっているバッグを漁ると、にょいっと私のリュックを引っ張り出した。
「おぉーっ、ありがとうっ!この中に食材も少し入っているからこれがあると作れる料理の幅が広がるよ。」
「今日は何を作るの?」
「ん~何にしようかな。レイは何が食べたい?」
「・・・焼肉。焼肉がいいな。」
「じゃあ焼肉にしよう。レイ、お肉を適当な塊に切って枝に刺して焼いてくれる?」
「わかった。」
焼肉ならタレを作るだけだから簡単だ。私のリュックに入っていた山火花の根とウガの茎を擦りおろし、油の種を絞った鍋に入れた。
「食欲をそそる香りがする。」
ニコラウスさんが顔を近づけて私の手元を覗いた。
「ニコラウスさん、邪魔しないでくださいね。」
「はいはい。何か手伝う?」
「え?手伝ってくれるのですか?」
ここに来てからというものの手伝うということがなかったニコラウスさんの申し出に驚いた声を出すと、言ってみただけだよ、と声が返ってきた。
「あぁ、そうですか。」
そうだよね。そういう人でしたよ。
ニコラウスさんのケラケラ笑う声を聞きながら焼肉のタレを完成させる。その後、魚は塩を振って焼いた後、水を足してトンビャを少し垂らし、香り高い野菜を入れてスープにした。
「うまい・・・。このタレをつけただけなのに今まで食べていたのと全然違う・・・。」
私がベルに肉を切り分けている間に肉を食べたニコラウスさんがその味に驚いて目を大きく開けた。
「本当に美味しい。これが食べたかったんだよね。」
レイが顔をほころばせて嬉しそうに肉をつまんでいる。
「君たちは旅をしている最中、いつもこんな食事をしているの?」
「いつもではないですけど、わりとこんな感じですね。料理はいつもライファが作ってくれるから。」
レイがそう言って私を見て微笑む。
「食事って一日に3回食べますよね。一年間で1095食。年間1095食しか食べられないと思うと一食一食美味しい物を食べたいじゃないですか。逆に言えば1095食も食べるのにその時間が美味しくない、楽しくないなんて私は嫌です。・・・失敗して美味しくない料理が出来上がることもありますけど。」
へへっと笑う。
「楽しい食事・・・か。そんなこと考えたこともなかったな。食事は体を動かすために必要だという認識だったから。」
ニコラウスさんがあいまいな表情で微笑んだ。その表情に深く聞いてはいけないような気がして口を噤んだ。
「さて、そろそろ帰る準備をしましょうか。ニコラウスさんもライファも荷物はまとめておいて下さいね。空間の歪みを見つけたら直ぐにこじ開けて飛び込みますから。」
「わかった!」
「あぁ。」
皆の準備が出来たのを確認するとレイはいつものように地面に座り目を閉じた。レイの髪の毛がほんの少しだけ浮いている。たくさんの魔力を放出している証拠だ。
もうこの空間ともお別れか。
帰ることが出来るのかとあんなに不安に思っていたのに、レイが来たとたんに元の空間に帰ることができると信じられる。不安が消えるどころか、もっと森の中を探検してみたかったな、とか、この空間にしかない薬材がもっとあったんじゃないだろうかとか、この場所を去ることに対して名残惜しい気持ちすら出てくる。
「見つけた!ニコラウスさんは私の飛獣石に。ライファはシューピンに乗って飛獣石のしっぽにつかまって!」
「ベル!おいで!!」
レイに言われるまま飛獣石のしっぽに捕まると飛獣石が走り出した。通常運転よりもスピードは抑えられているもののシューピン単体では出ることは無いスピードだ。シューピンを少し上に傾け、風の抵抗を少なくしつつも風に乗る様な角度に調節する。少しでもバランスを崩したら吹っ飛ばされそうだ。
レイってば結構、無茶させる・・・。
そう思いながらもそれだけ私を信用してくれているかのようで嬉しくなる。
「着いた!」
レイは叫ぶと同時に魔力を放出し、空間に静電気のような稲妻が走る。
「飛び込むよ!ライファ、しっかりつかまって!!絶対に離すなよ!!」
返事をする間もなく空間の裂け目に飛び込み、空間を抜けたところで上手く空気を捕まえられずにバランスを崩してシューピンに弾かれた。
「ライファ!!」
受け身を取ろうと空中で体を回転させた瞬間、レイにキャッチされ抱きしめられた形になって着陸した。
「レイ様!!良かった、ご無事で。」
着陸した瞬間、レベッカ様がレイに駆け寄ってきた。レイの腕の中にいる私に冷ややかな視線を向ける。
「ライファさん、貴族に抱き付くなど無礼にも程がありましてよ。まぁ、魔力が足りないと自身に結界を張ることも出来ませんものね。」
「レベッカ!そんな言い方はよせ。」
「レイ様ったら本当にどこまでもお優しい。平民にあまり許しを与えてはつけあがらせるだけでしてよ。」
「・・・結界を張ることも出来ない!?」
レベッカ様の言葉を聞いたニコラウスさんが驚いたように呟いた。
「フン、ニコラウスは平民にしては魔力がある方ではありますけど、所詮平民の魔力。他人の魔力を正確に測ることも出来ないのね。ライファさんの魔力は1、あっても2にかかるかどうかですわ。」
「それでは調合は・・・。」
「調合などごくごく簡単なものでも回復薬が必要なのではなくて?ドゥブ毒の解毒剤を作った時は殆ど他人の力を借りたのでしょう?いくら良い腕を持っていてもそんな魔力ランクでは不便で仕方がないですわよねぇ。宝の持ち腐れというものですわね。」
「ドゥブ毒の解毒剤を作った・・・。」
ニコラウスさんが下を向いたまま目を見開いてる。ニコラウスさんのことだ。あの調合がどれほど難しく、どれほど魔力さんが必要なのかが分かるのだろう。指示だけ出して他人の手であの薬を短時間で調合することは不可能だ。ニコラウスさんはどういう状況でドゥブ毒の解毒薬を作ったかは知らないはずだ。詳しいことを話される前に話を逸らそうと口を開きかけた時、鋭い声が響いた。
「レベッカ!いい加減にしろ!」
レイの迫力にようやくレベッカ様が黙った。
「レイ様、そんなに怒らないでくださいませ。全て真実を述べただけですわ。」
レベッカ様がスッと表情を落とし、冷たい眼差しで私を見た。
「ニコラウス、欲しい物は手に入れたのですか?」
「はい。」
「では帰りますよ。早々に研究の続きをしなくては。そうでしょう?」
レベッカ様の問いにニコラウスさんは返事をしないまま、レベッカ様の荷物を背に背負った。レベッカ様は私たちを振り返りもせずに歩いていく。ニコラウスさんもレベッカ様の後を追うように歩き出した。そして、私の脇で立ち止まり、耳元に口を寄せた。
「レイさんを守りたければ私を止めることですね。」
レイに聴こえないように囁いて、そのまま私の耳にキスをする。
「なっ、何を!」
真っ先に反応したのはレイだった。
「そんなに怒らないでください。おいしい料理のお礼をしただけですから。では、また。」
そう言って去っていくニコラウスさんが異空間で一緒にいた人物と同じとは思えずに呆然と立ち尽くした。
どういう意味だ・・・?
「うん、そうなんだよ。ニコラウスさんが手が大きくなって伸びる薬を調合してくれて、びゅーん、どーん!って道を塞いだんだ!!調合、凄いんだよ。研究者ってすごい。今までになかった新しい視点を教えてもらったんだ。」
「ライファさん、そんなに褒めてもそう簡単には調合について教えないよ。」
「そう言わずにもっと色々と教えてくださいよ~。」
「だめ。」
「ニコラウスさ~ん。」
「まぁまぁ、ライファ、ほら、元の空間に戻る準備をしないと。いつまでもこの空間にいるわけにはいかないだろ。」
「そうだね。」
「それもそうですが、ライファさん、私はお腹がすいたなぁ。」
ニコラウスさんはいつまでも呑気だ。何を呑気な事を!と言いかけてレイを見た。この3日間、レイは何を食べていたのだろう。レベッカ様が料理をしてくれたのだろうか?そう考えて料理をするレベッカ様を想像しようとしたが全く創造できなかった。
「レイ、ちゃんとご飯たべていた?」
「うん、まぁ。」
しらっと空に視線をやったレイ。これはちゃんと食べてはなかったな。
「はぁ、先に腹ごしらえをしますか。」
こういっては何だがレイがいると便利だ。川に行けばホイッと魚を捕まえてくるし、獣がいればお肉だってポイッと捕まえる。
「レイさんって本当に便利ですね。」
「ぶっ!」
思っていたことがニコラウスさんの声によって言葉になって思わず吹き出した。
「便利って・・・。褒め言葉ととっておきますね。」
苦笑いするレイを横目に、ごめんと心の中でつぶやいた。
「そういえばライファ、荷物持ってきたよ。」
レイは先生たちと繋がっているバッグを漁ると、にょいっと私のリュックを引っ張り出した。
「おぉーっ、ありがとうっ!この中に食材も少し入っているからこれがあると作れる料理の幅が広がるよ。」
「今日は何を作るの?」
「ん~何にしようかな。レイは何が食べたい?」
「・・・焼肉。焼肉がいいな。」
「じゃあ焼肉にしよう。レイ、お肉を適当な塊に切って枝に刺して焼いてくれる?」
「わかった。」
焼肉ならタレを作るだけだから簡単だ。私のリュックに入っていた山火花の根とウガの茎を擦りおろし、油の種を絞った鍋に入れた。
「食欲をそそる香りがする。」
ニコラウスさんが顔を近づけて私の手元を覗いた。
「ニコラウスさん、邪魔しないでくださいね。」
「はいはい。何か手伝う?」
「え?手伝ってくれるのですか?」
ここに来てからというものの手伝うということがなかったニコラウスさんの申し出に驚いた声を出すと、言ってみただけだよ、と声が返ってきた。
「あぁ、そうですか。」
そうだよね。そういう人でしたよ。
ニコラウスさんのケラケラ笑う声を聞きながら焼肉のタレを完成させる。その後、魚は塩を振って焼いた後、水を足してトンビャを少し垂らし、香り高い野菜を入れてスープにした。
「うまい・・・。このタレをつけただけなのに今まで食べていたのと全然違う・・・。」
私がベルに肉を切り分けている間に肉を食べたニコラウスさんがその味に驚いて目を大きく開けた。
「本当に美味しい。これが食べたかったんだよね。」
レイが顔をほころばせて嬉しそうに肉をつまんでいる。
「君たちは旅をしている最中、いつもこんな食事をしているの?」
「いつもではないですけど、わりとこんな感じですね。料理はいつもライファが作ってくれるから。」
レイがそう言って私を見て微笑む。
「食事って一日に3回食べますよね。一年間で1095食。年間1095食しか食べられないと思うと一食一食美味しい物を食べたいじゃないですか。逆に言えば1095食も食べるのにその時間が美味しくない、楽しくないなんて私は嫌です。・・・失敗して美味しくない料理が出来上がることもありますけど。」
へへっと笑う。
「楽しい食事・・・か。そんなこと考えたこともなかったな。食事は体を動かすために必要だという認識だったから。」
ニコラウスさんがあいまいな表情で微笑んだ。その表情に深く聞いてはいけないような気がして口を噤んだ。
「さて、そろそろ帰る準備をしましょうか。ニコラウスさんもライファも荷物はまとめておいて下さいね。空間の歪みを見つけたら直ぐにこじ開けて飛び込みますから。」
「わかった!」
「あぁ。」
皆の準備が出来たのを確認するとレイはいつものように地面に座り目を閉じた。レイの髪の毛がほんの少しだけ浮いている。たくさんの魔力を放出している証拠だ。
もうこの空間ともお別れか。
帰ることが出来るのかとあんなに不安に思っていたのに、レイが来たとたんに元の空間に帰ることができると信じられる。不安が消えるどころか、もっと森の中を探検してみたかったな、とか、この空間にしかない薬材がもっとあったんじゃないだろうかとか、この場所を去ることに対して名残惜しい気持ちすら出てくる。
「見つけた!ニコラウスさんは私の飛獣石に。ライファはシューピンに乗って飛獣石のしっぽにつかまって!」
「ベル!おいで!!」
レイに言われるまま飛獣石のしっぽに捕まると飛獣石が走り出した。通常運転よりもスピードは抑えられているもののシューピン単体では出ることは無いスピードだ。シューピンを少し上に傾け、風の抵抗を少なくしつつも風に乗る様な角度に調節する。少しでもバランスを崩したら吹っ飛ばされそうだ。
レイってば結構、無茶させる・・・。
そう思いながらもそれだけ私を信用してくれているかのようで嬉しくなる。
「着いた!」
レイは叫ぶと同時に魔力を放出し、空間に静電気のような稲妻が走る。
「飛び込むよ!ライファ、しっかりつかまって!!絶対に離すなよ!!」
返事をする間もなく空間の裂け目に飛び込み、空間を抜けたところで上手く空気を捕まえられずにバランスを崩してシューピンに弾かれた。
「ライファ!!」
受け身を取ろうと空中で体を回転させた瞬間、レイにキャッチされ抱きしめられた形になって着陸した。
「レイ様!!良かった、ご無事で。」
着陸した瞬間、レベッカ様がレイに駆け寄ってきた。レイの腕の中にいる私に冷ややかな視線を向ける。
「ライファさん、貴族に抱き付くなど無礼にも程がありましてよ。まぁ、魔力が足りないと自身に結界を張ることも出来ませんものね。」
「レベッカ!そんな言い方はよせ。」
「レイ様ったら本当にどこまでもお優しい。平民にあまり許しを与えてはつけあがらせるだけでしてよ。」
「・・・結界を張ることも出来ない!?」
レベッカ様の言葉を聞いたニコラウスさんが驚いたように呟いた。
「フン、ニコラウスは平民にしては魔力がある方ではありますけど、所詮平民の魔力。他人の魔力を正確に測ることも出来ないのね。ライファさんの魔力は1、あっても2にかかるかどうかですわ。」
「それでは調合は・・・。」
「調合などごくごく簡単なものでも回復薬が必要なのではなくて?ドゥブ毒の解毒剤を作った時は殆ど他人の力を借りたのでしょう?いくら良い腕を持っていてもそんな魔力ランクでは不便で仕方がないですわよねぇ。宝の持ち腐れというものですわね。」
「ドゥブ毒の解毒剤を作った・・・。」
ニコラウスさんが下を向いたまま目を見開いてる。ニコラウスさんのことだ。あの調合がどれほど難しく、どれほど魔力さんが必要なのかが分かるのだろう。指示だけ出して他人の手であの薬を短時間で調合することは不可能だ。ニコラウスさんはどういう状況でドゥブ毒の解毒薬を作ったかは知らないはずだ。詳しいことを話される前に話を逸らそうと口を開きかけた時、鋭い声が響いた。
「レベッカ!いい加減にしろ!」
レイの迫力にようやくレベッカ様が黙った。
「レイ様、そんなに怒らないでくださいませ。全て真実を述べただけですわ。」
レベッカ様がスッと表情を落とし、冷たい眼差しで私を見た。
「ニコラウス、欲しい物は手に入れたのですか?」
「はい。」
「では帰りますよ。早々に研究の続きをしなくては。そうでしょう?」
レベッカ様の問いにニコラウスさんは返事をしないまま、レベッカ様の荷物を背に背負った。レベッカ様は私たちを振り返りもせずに歩いていく。ニコラウスさんもレベッカ様の後を追うように歩き出した。そして、私の脇で立ち止まり、耳元に口を寄せた。
「レイさんを守りたければ私を止めることですね。」
レイに聴こえないように囁いて、そのまま私の耳にキスをする。
「なっ、何を!」
真っ先に反応したのはレイだった。
「そんなに怒らないでください。おいしい料理のお礼をしただけですから。では、また。」
そう言って去っていくニコラウスさんが異空間で一緒にいた人物と同じとは思えずに呆然と立ち尽くした。
どういう意味だ・・・?
0
あなたにおすすめの小説
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる