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「大丈夫、私はあなたを責めるためにこの話を切り出したのではないですよ。
ふふっ、蓮さんは僧侶にしておくにはもったいないくらいいい男振りだし
あなたはまた何ていうか素敵な雰囲気を纏ったきれいな女性だし
ほんと、お似合い。
実はね、前々からあなたたちがカップルになったらいいのになぁ~なんて
ちょっと思ったりしてたもんだから、実際そうなったのかもと思うと矢も楯も
たまらず、確認したくなったってわけ。
美男美女のロマンスっていつの時代になってもいいものだわぁ~」
住職の奥さんは職業的に、らしからぬ告白を私にしてくれた。
ちょっと恥ずかし過ぎる。
そんな恥ずかしそうにしている私に奥さんは居住まいを正し、改まった
様子で次の言葉を連ねた。
「お節介かもしれないけど蓮さんのことで話しておきたいことがあるのよ」
「……」
「蓮さんね、前科持ちなの!」
いきなりの奥さんの話に私は面食らった。
蓮さんが前科持ち? 嘘っ、何かの間違いよ。
「ごめんなさいね、驚かすような言い方で話を始めてしまって。
夫からもよく注意されるのよ、お前は相手を驚かす天才だって。
ふふっ」
ふふって……ふふって笑ってる場合じゃないですよぉ~。
そう心かき乱されながら私は彼女の次の言葉を静かに待った。
「あなた、ご主人のことで蓮さんに相談してたみたいだけど……
実はね、蓮さんもね奥さんとの間でいろいろあったのよ」
ガァーン!!
私の頭の中でそれこそガァーンという盛大な音が鳴り響いた。
えーっ、蓮さんに……奥さんいたんですか。
そんなこと考えてもみなかった自分を呪った。
「大丈夫、私はあなたを責めるためにこの話を切り出したのではないですよ。
ふふっ、蓮さんは僧侶にしておくにはもったいないくらいいい男振りだし
あなたはまた何ていうか素敵な雰囲気を纏ったきれいな女性だし
ほんと、お似合い。
実はね、前々からあなたたちがカップルになったらいいのになぁ~なんて
ちょっと思ったりしてたもんだから、実際そうなったのかもと思うと矢も楯も
たまらず、確認したくなったってわけ。
美男美女のロマンスっていつの時代になってもいいものだわぁ~」
住職の奥さんは職業的に、らしからぬ告白を私にしてくれた。
ちょっと恥ずかし過ぎる。
そんな恥ずかしそうにしている私に奥さんは居住まいを正し、改まった
様子で次の言葉を連ねた。
「お節介かもしれないけど蓮さんのことで話しておきたいことがあるのよ」
「……」
「蓮さんね、前科持ちなの!」
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蓮さんが前科持ち? 嘘っ、何かの間違いよ。
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ふふっ」
ふふって……ふふって笑ってる場合じゃないですよぉ~。
そう心かき乱されながら私は彼女の次の言葉を静かに待った。
「あなた、ご主人のことで蓮さんに相談してたみたいだけど……
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ガァーン!!
私の頭の中でそれこそガァーンという盛大な音が鳴り響いた。
えーっ、蓮さんに……奥さんいたんですか。
そんなこと考えてもみなかった自分を呪った。
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