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尾は正直に
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「この三年間の問題は、誰が主導して行なってきたの?」
「泣くか責めるかどっちかにしたらどうなんだ。まったく器用な奴だな」
「ほうっておいてください……」
ひとつの喜びが確定すると、またもう一つの問題が浮上する。
これは王宮にいた頃からずっとライラの身の回りに起きていた現象だった。
いや、もしかしたら誰にでも起きているのかもしれないが。物事の大小を問わないなら――。
思い返せばこの十年間。安定というものを受けたことがないような気がする。
心の問題もそうだし、恋愛というか政治的な結婚の問題もそうだし、精霊王様の主命に従ってさまざまなトラブル……自然現象や魔族との戦いもそう。
もしかしたら自分には生涯、安定なんて言葉はやってこないのではないかとライラは思っていたほどだ。
だから今回、アレンの本心を確かめることができて嬉しかった嬉しかったけど――素直に受け止めることができないでいた。
また何か新しい問題が浮上して、ようやく確かめ合ったこの愛が、あっけなく壊れてしまうのではないか。
そんな危惧が心のどこかにあったからだ。
「……あのな、ライラ」
「何ですか」
「その――な。この場所ではあまり恋愛どうこうっていう話はしない方がいい気がするんだが……」
「は?」
いや、だからな。と、アレンは親指を立てて背後の壁を指し示す。
その向こう側にいるのは、村人たち一同だ。
さぞや、聞き耳を立ててこちらの様子を窺っていることだろう、とライラが理解するのに時間はかからなかった。
「分かるだろう?」
「――ッ……なっ!? あ、貴方――どうして止めてくれないの!」
「止めろって言われても、神官が言ったじゃないか。ここは相応しくないって。ヒミツの話をするには、さ」
「だってだって――、アレンが! 貴方が言い出したのに!」
二人だけの秘密をみんなに知られてしまった。
その事実を理解した途端、ライラの真っ青のしっぽ――一族の中でも長毛種で毛のボリュームもなかなかに素晴らしい――それが、爆発するようにブワッ! っと膨らんだ。
神殿の上位に位置する管理者として、獣人の五体の中で一番感情を現わしやすい尾の感情コントロールには精通しているはずなのに。
アレンと二人っきりでこの場所にいる限りライラは聖女でもなんでもなく、恋を知る一人の十六歳の少女なのだ。
「おーっ。なかなか立派だな……」
まるで猫耳族のしっぽみたいな感じだな。
感情を素直に表現するのって、ライラにしては珍しい。
そんなことを思いながらアレンは彼女の季節外れのマフラーにでもできそうな立派な尾を見て、にんまりと微笑みながら目を驚きに見開いた。
「なっ……な――ッ!?」
「いや本当に立派だよ間違いない」
恥ずかしさと羞恥心で気が動転して、とにかく彼から見えないようにしようとライラは慌てて尻尾を神官衣の下に押し込もうとする。
しかし、自己表現旺盛な彼女の尾はそれを嫌だといい、隙間からどうにかして顔を出そうと励むかのように、なかなかその姿を服の中に収めるのは難しそうだ。
もうこれ以上ないくらいに頬を紅潮させ、聖女の顔は真っ赤に染まってしまう。
同じく感情を表しやすいはずの頭の上にちょこんと立った狼の耳は、普段は誇りをもち自己表現も激しく天に向かいそそり立っているのに、この時ばかりは完全に伏せられてしまい、ライラは穴があれば入りたいほどだった。
「くっ、屈辱だわっ……ッ! 話があると言われてきてみたらこんな馬鹿にされるなんて、ありえないわよ!」
ニマニマと幼馴染の少女が恥じ入る様を鑑賞しつつ、アレンはアレンで面白いおもちゃを与えられた子犬が喜び勇んでしっぽをぶんぶんと振り回すかのように、自分の好奇心を隠しきれないでいる。
パサパサ、カサカサっという音がして何かと振り向いてみたら、そこにあるのは自己表現旺盛なアレンの青い尾だった。
長さは自分と変わらない、彼のほうが身長があるぶんだけ、尾もそれなりに長かった。
「屈辱か。まあそれも悪くない」
「何言ってるのよ、貴方だって――それ! 心を抑えきれてないじゃないの。それでも大人なの!?」
「大人かどうかは別にして、お前はそれを言えると思ってるの?」
自分の尻尾が自己主張することは別にどうでもいいんだよ。
そんな感じに言い放つアレンに、うーッ! 、と恨めしげな唸り声を上げてライラはそっぽを向く。
どっちが大人かどうかなんてそんなものこの場所では何の役にも立たなかった。
だって二人は最後に別れたとき――六歳のあの時のままに互いの時間を止めていたのだから。
感情表現だって二人きりの時は幼いままになってしまう。
これはもうどうしようもなかった。
「――主が許されるならばこの場で噛み殺してやりたいぐらい! アレンの馬鹿っ!」
「おいおい、怖いね、まったく……精霊王に仕える聖人の片割れ――聖女ライラがそれじゃなあ……」
「しょうがないじゃない、抑えようと思っても抑えられないんだから……みんなの前に行ったらまた違うと思う」
「なら――二人っきりの時はこんな風になるって事か。これから色々と大変そうだな俺」
「どういう意味よっ!」
「あー……そろそろこの掛け合いやめにしないか」
「あなたが始めたんじゃない。私はいつだって――話を受け入れる覚悟はあるわ……」
どうしようと心の中で叫びながらライラはそう答えた。
受け入れる覚悟がある?
そんなわけないじゃない――覚悟どころか、この場所からさっさと逃げ出したいぐらい。
……でもそれは村人たちを裏切ってしまうことになる。
「それなら話は早い」
「待って――」
早速話し始めようとするアレンを片手で制して、ライラはどうにか抑え込んだ胸のドキドキを感じながら冷静に努めようとして声を上げる。
「? どうした?」
「これから先は私たちの話はやめにしましょう。二人のことは二人きりっになってから……お願いしたいわ」
「分かった。すまなかった、俺も心が早やっていたんだ。悪かったよ――俺たちの話は後にしよう。まずは、そうだな。そうだ、精霊王様がこの十年の間、何を望んでこられたかを話さないとだめだな」
「主の御心……ッて?」
それはライラが知らない、アレンに課せられたもうひとつの物語だった。
「泣くか責めるかどっちかにしたらどうなんだ。まったく器用な奴だな」
「ほうっておいてください……」
ひとつの喜びが確定すると、またもう一つの問題が浮上する。
これは王宮にいた頃からずっとライラの身の回りに起きていた現象だった。
いや、もしかしたら誰にでも起きているのかもしれないが。物事の大小を問わないなら――。
思い返せばこの十年間。安定というものを受けたことがないような気がする。
心の問題もそうだし、恋愛というか政治的な結婚の問題もそうだし、精霊王様の主命に従ってさまざまなトラブル……自然現象や魔族との戦いもそう。
もしかしたら自分には生涯、安定なんて言葉はやってこないのではないかとライラは思っていたほどだ。
だから今回、アレンの本心を確かめることができて嬉しかった嬉しかったけど――素直に受け止めることができないでいた。
また何か新しい問題が浮上して、ようやく確かめ合ったこの愛が、あっけなく壊れてしまうのではないか。
そんな危惧が心のどこかにあったからだ。
「……あのな、ライラ」
「何ですか」
「その――な。この場所ではあまり恋愛どうこうっていう話はしない方がいい気がするんだが……」
「は?」
いや、だからな。と、アレンは親指を立てて背後の壁を指し示す。
その向こう側にいるのは、村人たち一同だ。
さぞや、聞き耳を立ててこちらの様子を窺っていることだろう、とライラが理解するのに時間はかからなかった。
「分かるだろう?」
「――ッ……なっ!? あ、貴方――どうして止めてくれないの!」
「止めろって言われても、神官が言ったじゃないか。ここは相応しくないって。ヒミツの話をするには、さ」
「だってだって――、アレンが! 貴方が言い出したのに!」
二人だけの秘密をみんなに知られてしまった。
その事実を理解した途端、ライラの真っ青のしっぽ――一族の中でも長毛種で毛のボリュームもなかなかに素晴らしい――それが、爆発するようにブワッ! っと膨らんだ。
神殿の上位に位置する管理者として、獣人の五体の中で一番感情を現わしやすい尾の感情コントロールには精通しているはずなのに。
アレンと二人っきりでこの場所にいる限りライラは聖女でもなんでもなく、恋を知る一人の十六歳の少女なのだ。
「おーっ。なかなか立派だな……」
まるで猫耳族のしっぽみたいな感じだな。
感情を素直に表現するのって、ライラにしては珍しい。
そんなことを思いながらアレンは彼女の季節外れのマフラーにでもできそうな立派な尾を見て、にんまりと微笑みながら目を驚きに見開いた。
「なっ……な――ッ!?」
「いや本当に立派だよ間違いない」
恥ずかしさと羞恥心で気が動転して、とにかく彼から見えないようにしようとライラは慌てて尻尾を神官衣の下に押し込もうとする。
しかし、自己表現旺盛な彼女の尾はそれを嫌だといい、隙間からどうにかして顔を出そうと励むかのように、なかなかその姿を服の中に収めるのは難しそうだ。
もうこれ以上ないくらいに頬を紅潮させ、聖女の顔は真っ赤に染まってしまう。
同じく感情を表しやすいはずの頭の上にちょこんと立った狼の耳は、普段は誇りをもち自己表現も激しく天に向かいそそり立っているのに、この時ばかりは完全に伏せられてしまい、ライラは穴があれば入りたいほどだった。
「くっ、屈辱だわっ……ッ! 話があると言われてきてみたらこんな馬鹿にされるなんて、ありえないわよ!」
ニマニマと幼馴染の少女が恥じ入る様を鑑賞しつつ、アレンはアレンで面白いおもちゃを与えられた子犬が喜び勇んでしっぽをぶんぶんと振り回すかのように、自分の好奇心を隠しきれないでいる。
パサパサ、カサカサっという音がして何かと振り向いてみたら、そこにあるのは自己表現旺盛なアレンの青い尾だった。
長さは自分と変わらない、彼のほうが身長があるぶんだけ、尾もそれなりに長かった。
「屈辱か。まあそれも悪くない」
「何言ってるのよ、貴方だって――それ! 心を抑えきれてないじゃないの。それでも大人なの!?」
「大人かどうかは別にして、お前はそれを言えると思ってるの?」
自分の尻尾が自己主張することは別にどうでもいいんだよ。
そんな感じに言い放つアレンに、うーッ! 、と恨めしげな唸り声を上げてライラはそっぽを向く。
どっちが大人かどうかなんてそんなものこの場所では何の役にも立たなかった。
だって二人は最後に別れたとき――六歳のあの時のままに互いの時間を止めていたのだから。
感情表現だって二人きりの時は幼いままになってしまう。
これはもうどうしようもなかった。
「――主が許されるならばこの場で噛み殺してやりたいぐらい! アレンの馬鹿っ!」
「おいおい、怖いね、まったく……精霊王に仕える聖人の片割れ――聖女ライラがそれじゃなあ……」
「しょうがないじゃない、抑えようと思っても抑えられないんだから……みんなの前に行ったらまた違うと思う」
「なら――二人っきりの時はこんな風になるって事か。これから色々と大変そうだな俺」
「どういう意味よっ!」
「あー……そろそろこの掛け合いやめにしないか」
「あなたが始めたんじゃない。私はいつだって――話を受け入れる覚悟はあるわ……」
どうしようと心の中で叫びながらライラはそう答えた。
受け入れる覚悟がある?
そんなわけないじゃない――覚悟どころか、この場所からさっさと逃げ出したいぐらい。
……でもそれは村人たちを裏切ってしまうことになる。
「それなら話は早い」
「待って――」
早速話し始めようとするアレンを片手で制して、ライラはどうにか抑え込んだ胸のドキドキを感じながら冷静に努めようとして声を上げる。
「? どうした?」
「これから先は私たちの話はやめにしましょう。二人のことは二人きりっになってから……お願いしたいわ」
「分かった。すまなかった、俺も心が早やっていたんだ。悪かったよ――俺たちの話は後にしよう。まずは、そうだな。そうだ、精霊王様がこの十年の間、何を望んでこられたかを話さないとだめだな」
「主の御心……ッて?」
それはライラが知らない、アレンに課せられたもうひとつの物語だった。
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