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祈りなさい、祈りなさい、祈りなさい。
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リーリエが祈り続ければ地面は広がる。
祈らなければ消失する。
その繰り返しなのだ。ひとまずの居場所を確保し、恐怖が遠ざかるにつれ苛立ちを思い出した。
「いったい、いつまで祈れば終わるのだ!」
「やめたければ、いつでも」
リーリエはそう言って、実際に祈ることをやめた。王子の苛立ちは膨らむ。
「貴様だけ祈り続ければ良いではないか……!」
「バルカス様!」
マイラが叱るように呼んでくることも気に食わなかった。そのようなことのために名を呼ぶ栄誉を許したわけではない。
「無駄、無駄、あまりにも無駄だ! なぜ俺の時間を無為に費やさねばならん。祈るのは聖女の仕事だろう!」
「……バルカス様!」
「マイラ、おまえもだ。なぜこの俺に無為な時間を過ごさせる? なぜ嘘をついたのだ? すべて貴様の責ではないか! このアバズレめ」
「……」
「……な、なんだ、その目は」
冷たい目を向けられてバルカスは動揺した。マイラはいつもバルカスを優しく見つめ、理解を示してくれるはずだった。
「無為な時間は今です、バルカス様。祈らないなら消えてください」
「は……?」
何を言われたのかわからなかった。
「祈らないなら消えてください」
マイラは冷たく言った。
「ば、ばかなことを、この俺に消えろ……消えろだと!? わかっているのか。貴様も気狂いか」
「祈ってください」
「貴様に与えた立場など、いつでも取り返せるのだぞ。俺は……この国の……」
この国?
バルカスは言葉に詰まった。今、はたしてどこに自分の国があるのか、わからなくなったのだ。
この闇に囲まれた向こうには、まだ国があるのだろうか?
ないのだろうか。
ではこの国とは、たかだかこの、三人が身を寄せ合うこの地なのだろうか?
「祈ってください」
「……」
「早く」
「……」
「早く!」
バルカスは気圧されていた。自分の足元がぐらつく。マイラの必死さは、さきほど告げた言葉の通り、まるで狂人のものだった。
「祈ってください」
それ以外に何も求めていない者の目だ。何を言っても通じるはずのない目だ。
「早く!」
マイラが叫び、バルカスは怯んだ。大事に思っていた女にわずかながらの憐憫が湧き、それを言い訳に、仕方なく、仕方なくだと自分に言い聞かせながら再び祈った。
(馬鹿馬鹿しい)
だが背筋が冷えるのは、リーリエはこちらが祈っているか、祈っていないかすぐにわかるのだ。バルカスが姿勢だけでなく祈り始めると、ようやく祈りを再開するのだ。
(祈りだと……。神は、俺を選んだ。そのはずだ。そのはずなのだ。そうだろう……)
リーリエが祈り始め、焦れったい時間の後に神の光を得る。
それを横目にバルカスは祈り続ける。祈りをやめることはできない。すぐにリーリエは気づいて、自分の祈りをやめるからだ。
だが神の光があるうちはいい。
そうでない時があまりにも長い。その間のリーリエの祈りは無為であり、それ以上にバルカスの祈りは無為であった。
「いつまで……こんな……」
「祈りなさい」
繰り返される言葉を、もう聞きたくなかった。怒りさえも沸かないほどに、バルカスは疲労していた。
同じ姿勢を取り続けた体が石のようだ。時折ぴしりと割れそうに痛む。そのくせ冷えた体のせいか、身の芯が熱っぽく感じる。
「無心で祈れば、自然と力は抜けます」
リーリエの言葉にバルカスは顔をしかめる。簡単に言うなと怒鳴りつけてやりたい。
腕が、足が、体が痛むのだ。骨がきしんでいる。動き出したい体を、止めているのがただただ辛い。
マイラもぶるぶると震えている。リーリエだけがわずかも姿勢を崩さずに祈り続けている。
(気狂いめ)
「こ、このような姿勢を取る必要はあるのか! 祈ればいいのだろう、祈れば」
「ええ。ただ、いつも同じ姿勢を取ることで、祈りに入りやすくなります」
リーリエが言った。
すでに祈りをやめて、ぼんやりと闇を眺めている。バルカスは泣きたくなった。リーリエが祈らなければ、この地は消えていくだけだ。
マイラが睨んでくるのも、努力が無駄になるからなのだ。祈らなければ。だが、もう祈りたくなどない。
「姿勢を変えるのに時間がかかっていては、祈る時間が減るから」
「ほんのわずかのことではないか! その程度の時間、休んでも構わないだろう!」
「私もそう思う」
バルカスは絶望を感じた。
そうだ、わずかな時間だ。
わずかだが、それが重要なのだ。消失よりも多く祈らなければ、この地は消え去ってしまう。わずかでも、消失の速度を上回らなければならないのだ。
「別に、祈らなくてもいいのに」
リーリエが言った。
「国が消えるだけなのに」
それが本気であるとわかるので、バルカスは震えた。気づきたくない。だがこれは、恐れだ。
祈りでこの国を支えるはずの聖女が、国が消えても一向にかまわないと言う。
なんという、薄氷の上の国だ。
「みんなで大陸に行けばいいじゃない」
リーリエが言う。いいから祈れと、バルカスは叫びたい。祈れ。祈れ。祈ってくれ。
「国が……滅べば、何もかも消えてしまうのだぞ……!」
「何が?」
「……」
「何が消えるの?」
リーリエは不思議そうにバルカスを見て、首を傾げた。ぞっとする。
「……何もかもだ。築き上げてきたものも、」
「大陸にもあるんじゃないの」
「それはこの国のものではない! この国が、この国であるために……」
「この国でないとだめなの」
「だめに決まっている! この国は、俺の国だ!」
「ふうん」
バルカスは更に強い疲労に襲われた。そうだ、リーリエに、バルカスの国を守る義理などないのだ。
「……先人が築き上げてきたものだ」
「会ったこともない」
「親の、その親だ」
「会ったこともない」
「……思い出が、あるだろう」
「思い出?」
「あるだろう! この国で……育ったのだ……思い出の一つや二つ……」
「祈り」
リーリエが言った。
「祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り」
「お、おい」
「祈り祈り祈り祈り祈り祈り」
「……黙れ! もういい! いいから……いいから、」
祈ってくれ。
頼むから祈ってくれ。
怖気立つその言葉を告げずにいられなかった。
(祈りとは何なのだ?)
聞きたくない。言いたくもない。だが祈らなければ。
祈らなければ国が滅ぶ。
バルカスは王子だ。この国の王となるのだと信じながら生きてきた。この国が滅ぶなど考えられない。王子であった自分は、いったい何者になるのだ?
「腰が痛む……足が……腕が……」
「そのうち消えるわ」
リーリエが簡単に言った。
「少し休ませてくれ。少しだけ……」
「どうぞ」
自分も休むから構わないと、そういう声だ。違う。
「おまえは祈ってくれ」
「嫌」
「祈ってくれ……頼む……」
「嫌よ」
「体が痛むのだ。マイラ、おまえもそうだろう」
「……もう感覚がありません」
マイラは静かに泣きながら言った。
「休ませてくれ。祈ってくれ……」
「嫌」
「この俺が、頼んでいるのだ。俺達の祈りなど意味がないではないか、おまえさえ祈っていれば」
「嫌」
「……っ」
気づけばバルカスも涙を流していた。
そして減る地面に追い立てられ、祈るしかなかった。いつまでも。見えない終わりのために、わずかずつ祈り続けるしかなかった。
祈らなければ消失する。
その繰り返しなのだ。ひとまずの居場所を確保し、恐怖が遠ざかるにつれ苛立ちを思い出した。
「いったい、いつまで祈れば終わるのだ!」
「やめたければ、いつでも」
リーリエはそう言って、実際に祈ることをやめた。王子の苛立ちは膨らむ。
「貴様だけ祈り続ければ良いではないか……!」
「バルカス様!」
マイラが叱るように呼んでくることも気に食わなかった。そのようなことのために名を呼ぶ栄誉を許したわけではない。
「無駄、無駄、あまりにも無駄だ! なぜ俺の時間を無為に費やさねばならん。祈るのは聖女の仕事だろう!」
「……バルカス様!」
「マイラ、おまえもだ。なぜこの俺に無為な時間を過ごさせる? なぜ嘘をついたのだ? すべて貴様の責ではないか! このアバズレめ」
「……」
「……な、なんだ、その目は」
冷たい目を向けられてバルカスは動揺した。マイラはいつもバルカスを優しく見つめ、理解を示してくれるはずだった。
「無為な時間は今です、バルカス様。祈らないなら消えてください」
「は……?」
何を言われたのかわからなかった。
「祈らないなら消えてください」
マイラは冷たく言った。
「ば、ばかなことを、この俺に消えろ……消えろだと!? わかっているのか。貴様も気狂いか」
「祈ってください」
「貴様に与えた立場など、いつでも取り返せるのだぞ。俺は……この国の……」
この国?
バルカスは言葉に詰まった。今、はたしてどこに自分の国があるのか、わからなくなったのだ。
この闇に囲まれた向こうには、まだ国があるのだろうか?
ないのだろうか。
ではこの国とは、たかだかこの、三人が身を寄せ合うこの地なのだろうか?
「祈ってください」
「……」
「早く」
「……」
「早く!」
バルカスは気圧されていた。自分の足元がぐらつく。マイラの必死さは、さきほど告げた言葉の通り、まるで狂人のものだった。
「祈ってください」
それ以外に何も求めていない者の目だ。何を言っても通じるはずのない目だ。
「早く!」
マイラが叫び、バルカスは怯んだ。大事に思っていた女にわずかながらの憐憫が湧き、それを言い訳に、仕方なく、仕方なくだと自分に言い聞かせながら再び祈った。
(馬鹿馬鹿しい)
だが背筋が冷えるのは、リーリエはこちらが祈っているか、祈っていないかすぐにわかるのだ。バルカスが姿勢だけでなく祈り始めると、ようやく祈りを再開するのだ。
(祈りだと……。神は、俺を選んだ。そのはずだ。そのはずなのだ。そうだろう……)
リーリエが祈り始め、焦れったい時間の後に神の光を得る。
それを横目にバルカスは祈り続ける。祈りをやめることはできない。すぐにリーリエは気づいて、自分の祈りをやめるからだ。
だが神の光があるうちはいい。
そうでない時があまりにも長い。その間のリーリエの祈りは無為であり、それ以上にバルカスの祈りは無為であった。
「いつまで……こんな……」
「祈りなさい」
繰り返される言葉を、もう聞きたくなかった。怒りさえも沸かないほどに、バルカスは疲労していた。
同じ姿勢を取り続けた体が石のようだ。時折ぴしりと割れそうに痛む。そのくせ冷えた体のせいか、身の芯が熱っぽく感じる。
「無心で祈れば、自然と力は抜けます」
リーリエの言葉にバルカスは顔をしかめる。簡単に言うなと怒鳴りつけてやりたい。
腕が、足が、体が痛むのだ。骨がきしんでいる。動き出したい体を、止めているのがただただ辛い。
マイラもぶるぶると震えている。リーリエだけがわずかも姿勢を崩さずに祈り続けている。
(気狂いめ)
「こ、このような姿勢を取る必要はあるのか! 祈ればいいのだろう、祈れば」
「ええ。ただ、いつも同じ姿勢を取ることで、祈りに入りやすくなります」
リーリエが言った。
すでに祈りをやめて、ぼんやりと闇を眺めている。バルカスは泣きたくなった。リーリエが祈らなければ、この地は消えていくだけだ。
マイラが睨んでくるのも、努力が無駄になるからなのだ。祈らなければ。だが、もう祈りたくなどない。
「姿勢を変えるのに時間がかかっていては、祈る時間が減るから」
「ほんのわずかのことではないか! その程度の時間、休んでも構わないだろう!」
「私もそう思う」
バルカスは絶望を感じた。
そうだ、わずかな時間だ。
わずかだが、それが重要なのだ。消失よりも多く祈らなければ、この地は消え去ってしまう。わずかでも、消失の速度を上回らなければならないのだ。
「別に、祈らなくてもいいのに」
リーリエが言った。
「国が消えるだけなのに」
それが本気であるとわかるので、バルカスは震えた。気づきたくない。だがこれは、恐れだ。
祈りでこの国を支えるはずの聖女が、国が消えても一向にかまわないと言う。
なんという、薄氷の上の国だ。
「みんなで大陸に行けばいいじゃない」
リーリエが言う。いいから祈れと、バルカスは叫びたい。祈れ。祈れ。祈ってくれ。
「国が……滅べば、何もかも消えてしまうのだぞ……!」
「何が?」
「……」
「何が消えるの?」
リーリエは不思議そうにバルカスを見て、首を傾げた。ぞっとする。
「……何もかもだ。築き上げてきたものも、」
「大陸にもあるんじゃないの」
「それはこの国のものではない! この国が、この国であるために……」
「この国でないとだめなの」
「だめに決まっている! この国は、俺の国だ!」
「ふうん」
バルカスは更に強い疲労に襲われた。そうだ、リーリエに、バルカスの国を守る義理などないのだ。
「……先人が築き上げてきたものだ」
「会ったこともない」
「親の、その親だ」
「会ったこともない」
「……思い出が、あるだろう」
「思い出?」
「あるだろう! この国で……育ったのだ……思い出の一つや二つ……」
「祈り」
リーリエが言った。
「祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り、祈り」
「お、おい」
「祈り祈り祈り祈り祈り祈り」
「……黙れ! もういい! いいから……いいから、」
祈ってくれ。
頼むから祈ってくれ。
怖気立つその言葉を告げずにいられなかった。
(祈りとは何なのだ?)
聞きたくない。言いたくもない。だが祈らなければ。
祈らなければ国が滅ぶ。
バルカスは王子だ。この国の王となるのだと信じながら生きてきた。この国が滅ぶなど考えられない。王子であった自分は、いったい何者になるのだ?
「腰が痛む……足が……腕が……」
「そのうち消えるわ」
リーリエが簡単に言った。
「少し休ませてくれ。少しだけ……」
「どうぞ」
自分も休むから構わないと、そういう声だ。違う。
「おまえは祈ってくれ」
「嫌」
「祈ってくれ……頼む……」
「嫌よ」
「体が痛むのだ。マイラ、おまえもそうだろう」
「……もう感覚がありません」
マイラは静かに泣きながら言った。
「休ませてくれ。祈ってくれ……」
「嫌」
「この俺が、頼んでいるのだ。俺達の祈りなど意味がないではないか、おまえさえ祈っていれば」
「嫌」
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