⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

文字の大きさ
81 / 207
ヒトのキョウカイ3巻(時給より安い命)

21 (正しい交渉の仕方)

しおりを挟む
「助かた」
 クローゼットから出てきたロウが言う。
「どういたしまして…さて、これからどうしましょうか?」
「レナ、助けに行く…。」
 部屋を出て行こうとするロウをジムが止める。
「闇雲に行っても掴《つか》まるだけです…落ち着いて…。」
 ジムが辺りを見渡す。
 銃はあるけどマガジンが無い…あれは?
「量子通信機…ですか。」
 人工筋肉で出来た手で通信機を掴《つか》む。
 緑色に光るポケットに入りそうなサイズの箱。
「それ、ハルミ、持ってた。」
「ハルミさんが?」
「通信設定はまだ残っていますね…。」
 ジムはネット回線を通常回線から量子通信機に切り替える。
「さて…どなたが出るでしょうか…。」

「レナ達が掴《つか》まった?」
 クオリアに起こされたナオが言う。
 どうやら低所得者を蔑《ないが》ろにしていた政府に対して『パラベラム部隊』と名乗るテロリストが城を占拠したらしい。
「ああ、マズイ事になった。」
「救助は?」
「出来ない…タイミングが悪い事にあの後すぐ、海中のセンサーが反応を示した。
 今日の午後当たりにまたワームと戦うはずだ。」
「戦うって言ったって3機で?いくら何でも無理だろう。」
 6機でもやっとで余裕は無かったんだ…元々無茶だったが、これはもはや無謀むぼうのレベルだ。
「これ、昼までにDLで奇襲して奪還した方が早くないか?」
「行くだけならな…だがDLでは外の敵は叩けるが、城の内部には入れない。」
「まぁそうだな…。」
 DLは4.5mの巨体だ…天井は2.5mなので、しゃがめばどうにかなるかもしれないが、苦労して入った所でロクに身動きも取れない。
『こちらジム、CQ、CQ』
 ARウィンドウが開き、ジムのモニターが表示される。
「ジム、助かったのか…クオリアだ 状況は?」
『ロウさんと私は無事です…救出プランはありますか?』
「現状では、DLで乗り付けて壁に穴を開けて脱出させるプランが最適だと思われる。
 ジム達は敵に気づかれず監禁場所を特定…回収まで人質を守る事。
 殺傷は許可…ただし必要最低限に」
 クオリアは自分の責任の元、勝手に殺傷許可を出す。
 外交官を人質にしているし、相手は捕虜に成れないテロリスト…問題は無いだろう。
『了解…それでは。』
 ARウィンドウが消え、通信が切れた。
「さて、私達はワーム戦について考えよう。」

 ピンポーン
 チャイムの音は580年経っても変わらないらしい。
 時間は午前4時30分…人質が掴《つか》まってから30分が経過している。
 まだ夜であり、この時間帯に来る客はロクな奴では無いだろう。
 インターフォンに男の姿を映し出されている。
「どなたですか?」
 ナオが聞く。
『『パラベラム部隊』です…お話があります。』
 敵だと…。
 ナオは クオリアとジガの方向を見る。
「問題ない…。」
「ああ良いぜ」
「仲間から許可が出た…今開ける。」
 ナオは ショットガンでの壁抜きを警戒し、姿勢を低くしゃがみながら玄関に行き鍵を外してドアから離れる。
「鍵は外した…ゆっくりと入れ」
 ドアが開き男が入ってくる。
 ナオがしゃがんだ状態でリボルバーを向けている事に気づいた男はゆっくりとドアを閉め、手を上げてナオに近づく。
 ナオが男の背後にまわり、頭にリボルバーを突き付け、片手でボディチェックをする。
「上着の下にホルスターがあるな…」
「ええ、用心の為…」
「ジガ手伝ってくれ」
「ああ」
 ジガが上着を脱がし、ホルスターからグロックを抜き、セーフティを確認…その後マガジンを取り出しポケットにしまう。
 6発じゃあ解決できない環境で生きている人か。
「身体をスキャンしているが、他に武器は無いみたいだ…。
 もう警戒を解いても良いんじゃないか?」
「ああ」
 ナオはリボルバーをホルスターにしまう。
「さあ、そこにソファがある…座って話そう…あいにく茶は出せないが。」
 クオリアが『どうぞ』と向かいのソファーに手を向ける。
「ええ構いません…。」
 男が座る。
 テーブルを挟んでソファーにクオリアとジガ…その後ろに立った状態でいつでも銃を抜けるようにしているナオ…。
「名前は明かせませんが…『交渉官』と呼んでください。」
「状況は理解していますか?
 あなた達の団体はこちらの外交官とボディガードを人質にし、王城で立てこもっていると…。」
「ええ知っています。
 ですが、こちらとしても仕方ないのです…。
 現状、私達には無能な都市長の元、ワームに殺される未来しかありません。
 そう言った未来を回避する為、私達は立ち上がったのです。」
 交渉官はしっかりと自信を持った声で答える。
「それで、そちらの要求は?」
「明日…いや、今日の早朝。
 土木作業用のDL格納庫を我が決起部隊が制圧にかかります。
 皆様方にはこれを援護して頂きたいのです。」
「十分に可能ですが…報酬は?」
「人質の解放…2個中隊の戦力の追加です。
 これなら、犠牲は出るもののワームには対抗できます。」
 1機あたり416機…砲撃による支援もあるから十分か…。
「私は条件としては良いと思う…如何どうだろうか?」
 クオリアが言う。
「ウチとしても賛成だ…戦力は欲しい…ナオは?」
『クオリア…遠隔でDLを停止させる事は出来るか?』
 ナオは少し考える素振りをしながら、クオリアとジガに内緒話通信で話しかける。
『実際難しい…そもそも遠隔操縦によって味方機が敵に寝返る事を防止する為の有人機だ。
 エレクトロン対策で電源などを落とすには物理キーしかない。』
 クオリアはこっちの考えを読み、答える。
『だよな…。』
『なら腹部のに爆弾を詰めて遠隔起爆させれば良いんじゃないか?
 構造上内側からは脆《もろ》いだろうし、少量でも無力化は出来るぞ』
 隣にいるジガが答える。
「分かった…どうせ人質が取られている以上、選択肢は無いんだ。」
 考えが決まったナオは交渉官に言う。
「ありがとうございます。」
 交渉官が手を差し出す。
「はぁ…テロリストと契約なんてな…。」
 国際条約違反か?
 ナオが交渉官の手を握り、契約は成立した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...