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ヒトのキョウカイ3巻(時給より安い命)
29 (殺しの正当性)
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ナオ達が止まっているモーテルのスーパーで買い物をし、3人でも広く感じた部屋を狭くして、皆があちこちに座る…。
ワンピースから、パイロットスーツに着替え少年ぽくなったナオは ベッドに座り、ARのワイン瓶のコルクを抜きグラスに注ぐ…ナオの目の前のテーブルにあるのは唐揚げにポテト…。
隣に座るクオリアは オレンジのカクテルを持っている…。
プライベートモードに設定されていて、青いARウィンドウにしか見えないが、ウィンドウが高速で閉じたり、現れたり、移動させられたりと何かしらの処理を行っている。
レナ達の会話にちゃんと入りながら、サブタスクで何かをやっている…多分、事後処理だろう。
オレらは戦えばそれで終わりだが、本来は元の生活に戻るまでが戦争だ。
ハルミとジガも戦闘機型のワームの調査に向かっていて不参加だ。
中央の大きなテーブルを囲むように レナ、トヨカズ、ロウが座っている。
レナはワイングラスにワインを注ぎ、トヨカズは大ジョッキのビール、ロウはリンゴの酒、シードルだ。
ロウは5歳位らしいので完璧に未成年の飲酒だが、水道設備が無く清潔な飲料水を確保出来ない環境ではアルコールで除菌された飲み物を飲む事は普通にある…。
まぁそれに これは天然物では無いので、軽いレベルでの酩酊状態にさせる混ぜ物がしてあるだけで、アルコール分0%だ。
酒税に引っかからず、アルコール程酔わず、健康被害も出ないこの酒は オレの時代にもあったが、味がまだ良くなかった。
それが『アルコール飲料排斥運動』で脱法酒の需要が増し、様々な開発が行われて今の時代になる。
このARのワインもそのデータを使って再現されているらしいので、やっぱり酒は本物を飲みたい…。
あっ…でも、たとえ飲めたとしても舌が味覚信号に変えて脳に送る時点で電気信号的には大差ないのか…。
「それでは皆さん、お疲れさまでした。」
「「お疲れ」」
それぞれの飲み物を一斉に飲む。
「ぷはぁ…やっぱりうめぇ」
ビールを一気飲みしたトヨカズが言う。
「そんなハイペースで酔っぱらうわよ…。」
「良いんだよ…今日は酔って。」
「ふむ、しーどる、美味い、ロウ、気に入った」
ロウは毒見をするようにほんの少しだけ飲み、安全性を確認し、本格的に飲みだす。
「そりゃあ良かった…」
トヨカズが 天然物の枝豆を食べる…。
ソイフードは豆類から作られるので、ここで生産されている数少ない天然物だ。
数時間飲み、深夜…。
「まさか潰れるとは…。」
ハイテンションで、ほろ酔い程度に調整されているビールを急性アルコール中毒を起こしそうなレベルで飲んでいたトヨカズは仰向《あおむ》けでビール瓶を抱き抱《かか》え寝ている…。
ナオは トヨカズに近寄り、顔を見て見る。
トヨカズは 気持ちよさそうに寝ているし、呼吸もしっかりしている。
嘔吐などもしていないし、急性アルコール中毒の徴候は無い。
一応、吐しゃ物で窒息しない様に 横向きに寝かせ、気道も確保するか…。
「これで良し、」
「別に吐かないし、死なないわよ…アルコールが入って無いんだから…。」
「まぁそうなんだけどな…。
戦闘があって人を殺したって聞いたからな…。」
ベットから毛布を持ってきて、トヨカズにかける。
「レナはしっかりしている見たいだが…メンタルはどうだ?」
「私は慣れてる…それこそ懐かしい位に」
レナが昔を想うように言う。
「そっか…。
トヨカズをどう見る?」
「言動がゲームのノリだったのが少し気になるけど…。
心の防衛行動でしょうね…。」
兵士がPTSDの類に掛かるのは『殺しが許される戦場』と『殺しが許されない日常』の矛盾に苦しむからだ。
国を守る為に敵を殺したのに、帰国してみたら マスコミが人殺しとして叩き出す。
そう言った事で自分が敵を殺した事への正当性が揺らぐと こう言った精神病になる。
幸いと言っていいのか…オレも含め周りのヒトは殺しに慣れているし、トヨカズの行動を正当化も出来る。
それに、今の砦学園都市の誰1人も トヨカズを責める奴はいないだろう。
「まぁ大丈夫だろう。
自殺の徴候は無いし、コイツは ちゃんと信念を持って人を殺している。
周りがあれこれ言った所で自分を正当化出来なくなる事も無いだろう。」
「私はこの感覚は疎いからね…。」
レナは既にベットで丸くなっているロウの隣に横になり毛布を掛ける。
「それじゃあ、おやすみ…。」
「おやすみ~」
しばらくしてレナが寝息を立てる。
「クオリアも、いい加減切り上げろよ…おやすみ。」
「ああ、あと少ししたら休む。」
クオリアは信憑性0の嘘をついた。
毛布はトヨカズに持って行った為、ナオはそのままベットに寄りかかり、パイロットスーツのホルスターからリボルバーを出し、残弾を確認…。
いつでも抜けるようにして腕を組み首を下に向け、目を閉じる。
戦時はいつもこの状態で 横になって寝る事は無い…。
横になれるのは明日か明後日位だろうな…。
ナオは半覚醒状態で眠った。
ワンピースから、パイロットスーツに着替え少年ぽくなったナオは ベッドに座り、ARのワイン瓶のコルクを抜きグラスに注ぐ…ナオの目の前のテーブルにあるのは唐揚げにポテト…。
隣に座るクオリアは オレンジのカクテルを持っている…。
プライベートモードに設定されていて、青いARウィンドウにしか見えないが、ウィンドウが高速で閉じたり、現れたり、移動させられたりと何かしらの処理を行っている。
レナ達の会話にちゃんと入りながら、サブタスクで何かをやっている…多分、事後処理だろう。
オレらは戦えばそれで終わりだが、本来は元の生活に戻るまでが戦争だ。
ハルミとジガも戦闘機型のワームの調査に向かっていて不参加だ。
中央の大きなテーブルを囲むように レナ、トヨカズ、ロウが座っている。
レナはワイングラスにワインを注ぎ、トヨカズは大ジョッキのビール、ロウはリンゴの酒、シードルだ。
ロウは5歳位らしいので完璧に未成年の飲酒だが、水道設備が無く清潔な飲料水を確保出来ない環境ではアルコールで除菌された飲み物を飲む事は普通にある…。
まぁそれに これは天然物では無いので、軽いレベルでの酩酊状態にさせる混ぜ物がしてあるだけで、アルコール分0%だ。
酒税に引っかからず、アルコール程酔わず、健康被害も出ないこの酒は オレの時代にもあったが、味がまだ良くなかった。
それが『アルコール飲料排斥運動』で脱法酒の需要が増し、様々な開発が行われて今の時代になる。
このARのワインもそのデータを使って再現されているらしいので、やっぱり酒は本物を飲みたい…。
あっ…でも、たとえ飲めたとしても舌が味覚信号に変えて脳に送る時点で電気信号的には大差ないのか…。
「それでは皆さん、お疲れさまでした。」
「「お疲れ」」
それぞれの飲み物を一斉に飲む。
「ぷはぁ…やっぱりうめぇ」
ビールを一気飲みしたトヨカズが言う。
「そんなハイペースで酔っぱらうわよ…。」
「良いんだよ…今日は酔って。」
「ふむ、しーどる、美味い、ロウ、気に入った」
ロウは毒見をするようにほんの少しだけ飲み、安全性を確認し、本格的に飲みだす。
「そりゃあ良かった…」
トヨカズが 天然物の枝豆を食べる…。
ソイフードは豆類から作られるので、ここで生産されている数少ない天然物だ。
数時間飲み、深夜…。
「まさか潰れるとは…。」
ハイテンションで、ほろ酔い程度に調整されているビールを急性アルコール中毒を起こしそうなレベルで飲んでいたトヨカズは仰向《あおむ》けでビール瓶を抱き抱《かか》え寝ている…。
ナオは トヨカズに近寄り、顔を見て見る。
トヨカズは 気持ちよさそうに寝ているし、呼吸もしっかりしている。
嘔吐などもしていないし、急性アルコール中毒の徴候は無い。
一応、吐しゃ物で窒息しない様に 横向きに寝かせ、気道も確保するか…。
「これで良し、」
「別に吐かないし、死なないわよ…アルコールが入って無いんだから…。」
「まぁそうなんだけどな…。
戦闘があって人を殺したって聞いたからな…。」
ベットから毛布を持ってきて、トヨカズにかける。
「レナはしっかりしている見たいだが…メンタルはどうだ?」
「私は慣れてる…それこそ懐かしい位に」
レナが昔を想うように言う。
「そっか…。
トヨカズをどう見る?」
「言動がゲームのノリだったのが少し気になるけど…。
心の防衛行動でしょうね…。」
兵士がPTSDの類に掛かるのは『殺しが許される戦場』と『殺しが許されない日常』の矛盾に苦しむからだ。
国を守る為に敵を殺したのに、帰国してみたら マスコミが人殺しとして叩き出す。
そう言った事で自分が敵を殺した事への正当性が揺らぐと こう言った精神病になる。
幸いと言っていいのか…オレも含め周りのヒトは殺しに慣れているし、トヨカズの行動を正当化も出来る。
それに、今の砦学園都市の誰1人も トヨカズを責める奴はいないだろう。
「まぁ大丈夫だろう。
自殺の徴候は無いし、コイツは ちゃんと信念を持って人を殺している。
周りがあれこれ言った所で自分を正当化出来なくなる事も無いだろう。」
「私はこの感覚は疎いからね…。」
レナは既にベットで丸くなっているロウの隣に横になり毛布を掛ける。
「それじゃあ、おやすみ…。」
「おやすみ~」
しばらくしてレナが寝息を立てる。
「クオリアも、いい加減切り上げろよ…おやすみ。」
「ああ、あと少ししたら休む。」
クオリアは信憑性0の嘘をついた。
毛布はトヨカズに持って行った為、ナオはそのままベットに寄りかかり、パイロットスーツのホルスターからリボルバーを出し、残弾を確認…。
いつでも抜けるようにして腕を組み首を下に向け、目を閉じる。
戦時はいつもこの状態で 横になって寝る事は無い…。
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ナオは半覚醒状態で眠った。
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